7/27
愛する覚悟
「おい、お前……今なんて言った……」
蝉の鳴き声が響く黄昏時。
俺は静かに六花を見据えた。
「聞こえなかったか?
華恋は俺が守る。誰にも殺させないと
言ったんだ」
「いや聞こえてたけども!!
お前、自分の立場わかってんのか!?
いくら華恋ちゃんが好きだからって……
橘家の跡継ぎが役目より、
色恋を選ぶって言うのかよ!?」
響き渡る怒号に片目を瞑る。
いちいちうるさいな。
「立場なんてどうでもいい。
跡継ぎには弟の咲夜がいる。
何も心配はいらない」
「でも……!」
彼は俺のことを心から
心配してくれているのだろう。
それは伝わってくる。
でも、ごめん。
俺には、命をかけてでも守りたいものがあるんだ。
「俺は優しい親友を持てて幸せだ。
後のことはよろしく頼む」
俺は振り返りもせずに部屋を後にした。




