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愛する覚悟(橘夜月)
俺達祓い屋の祖先は昔々に存在した退魔師だ。
橘家の祖先はあの安倍晴明と、共闘したとされる
橘暁夜で、退魔師という
職が失くなった現在でも祓い屋と名を変え、
戦い続けてきた。
江戸時代から続く安倍家に次ぐ由緒正しい家柄の
せいで、俺は放課後友達と遊ぶことも許されず
毎夜毎夜、怪異、妖討伐に明け暮れていた。
学業も討伐もこなし、深夜に
家に帰る頃にはもうボロボロだった。
だけど。
ベッドに倒れ込み、スマホのメッセージアプリを
何気なく開くと、彼女からのメッセージに思わず
笑顔になってしまう。
『任務お疲れ様!無理しないでね!』
ただそれだけの言葉だけど、
帰る頃になると送られてくるそのメッセージに
救われていた。
華恋の存在が俺の心の癒しだった。
華恋と話している時間が、
深夜、メッセージのやり取りを重ねる日々が
俺は好きだった。
だというのに。
これ以上俺から奪っていくなよ……。
こんなの認めない。
薄暗い部屋の中、
俺は華恋を守り抜く。
誰にも奪わせない。
そう決意した。




