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僕だって


「六花、余計なこと言うな」


いつの間にか現れ安部さんの

頭にげんこつを落とした夜月。

安部さんはイテテと頭をさすっていた。


「夜月っ!! 大丈夫!?」


「げんこつはやめろよ。まったく仕方ないなあ」

安部さんが何かの呪文を唱えると銀色の光がわたしと

夜月を包み込んだ後消えた。


不思議なことに光に包まれてから

体中の激痛が消えて木の枝に引っかけた時の手の甲の傷も消えていた。


「これは……」


「これは僕の家系の治癒の力。

これで負傷した部分は治っているはずだよ」


「ありがとうございますっ!!

さっきまで全身痛かったのに

嘘みたいに痛みが消えました!!」


こんなことができるなんて、

さすが夜月のお仕事仲間さんっ!!

キラキラした瞳で見つめていると

また夜月が安部さんの頭にげんこつを落とした。


「まあ、助けてくれたことには感謝する」


「それならげんこつ落とすのやめてくんない?」


そんな二人を見て夜月にも

いいお友達がいるんだなって嬉しくなった。

だけど、わたしは今から

そんな二人を引き離すことに

なっちゃうんだよね……。


なんて暗い気持ちになっていると

「あれ」と安部さんが首を傾げた。


「浮かない顔してどうしたの?」


「安部さん、

助けてくれて本当にありがとうございます。

……だけど祓い屋なのに半妖(わたし)

助けたことは罪に問われてしまうはずです。

そんな危険を冒してまでなんで

助けに来てくれたんですか……?」


安部さんは余裕の笑みを浮かべる。

「そんなの、僕だって親友を助けたかったからだよ。それだけのことだ」


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