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覚醒
「華恋……その姿は……」
夜月が大きく目を見開くので
わたしは苦笑いを浮かべた。
「お母さんそっくりでしょ?」
金色の狐耳に同色の膨らんだ尻尾。
半分人間の血が入っているから完全には妖狐には
なれないけど今のわたしは妖として覚醒してる。
「あぁ。凄く可愛いよ」
「ち、ちょ!! 今はふざけてる場合じゃ」
顔の熱さを感じながら目線を鬼に向ける。
鬼は「グォォォォォッ!!!!」と咆哮して
右手を薙ぎ払う。
ま、まずい!!
「守られてばかりでは男とは呼べないな」
「……っ!!」
いつの間にか夜月にお姫様抱っこされ
空高く飛んでいた。
鬼が薙ぎ払った辺り一帯は木が無くなり、
その範囲の広さにわたしは目を剥いた。
「あ、あんなに……」
「あれだけの巨躯だからな。当然だろう。
早く決着をつけなければ……」
木の枝から飛び移り、夜月は右手から
雷の剣を創り出した。
「華恋は後ろで……」
「嫌だ」
わたしはぎゅっと夜月の裾を握る。
「一緒にあの鬼を倒そう。
わたしだって力になりたいの!!」
夜月は微かに目を見開いた後、
優しく微笑んだ。
「……華恋にはつい甘くなってしまう。
無理だけはするなよ」
夜月が言ってくれたように
わたしだって、愛する人を守りたい。
だから。
「ごめんね、赤鬼さん。
人間を襲わなければわたし達だって
見逃す。だけど、大事な人の命を奪おうとするなら
容赦しないよ」




