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覚醒
手を繋ぎながら薄暗い森の中を2人で歩く。
たまに現れる怪異を協力して倒しながら
妖界への扉を探していた。
一歩踏み出して、夜月の背中にぶつかってしまった。
「わっ、夜月どうし……」
そこまで言いかけて目を見開く。
そこには、月が隠れてしまうほどの巨大な妖がいた。
涎をぼとぼとと垂らしながら、
三つの瞳を爛々と輝かせている赤い鬼。
「華恋、下がっていろ」
言い終わるや否や夜月は地を蹴り、
疾風を巻き起こしながら夜空に浮かぶ。
鞘から刀を取り出すのも見えなかったのに、
いつの間にか刀を鬼の首に振り下ろしていた。
なのに。
「夜月っっ!!!」
鬼の首を斬ったはずの刀は
真っ二つに折れてしまっていた。
「クソっっっ!!!」
着地した夜月に、鬼の手が伸びる。
どうしよう。
夜月が危ない……!!
心臓が早鐘を打ち、呼吸が荒くなる。
夜月まで失うなんてそんなの嫌!!!
その時、鬼が進める手がひどく
ゆっくりのように見えた。
今まで感じたことのない強い力が
内側から溢れてくる。
わたしは宙を飛び一回転しながら急降下し、
長く伸びた爪で鬼の手を裂くように引っ掻いた。
その瞬間、鬼の手はゴトリと地面に落下し
わたしは夜月を抱えて鬼から距離を取った。
なんでだろう。いつもしない動きなのに、
全然苦しくない。
もしかして、これが妖としての力??




