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残酷な真実
おじさんの言葉に夜月は少し気まずそうに
視線を逸らし、でもすぐに真っ直ぐな瞳を向けた。
「父さん……
すまない。俺は橘の家よりも、自分の命よりも
華恋が大事なんだ。だから見逃してくれ!」
夜月……。
「……華恋の存在がお前を煩わせるとしてもか」
わたしが、夜月を困らせる?
「それって、どういうことですか……?」
おじさんは唇を引き結んだまま何も言わない。
夜月を見ても悔しげに唇を噛んでいるだけ。
「……まさか、わたしが半妖であることが
関係してるの?」
「……最後まで隠し通そうと思っていたが……
ここまで来たら話すしかないな……」
そうして、夜月は話し始めた。
妖の母と
人間の父の間に生まれたわたしを巡って
怪異が後を絶たないこと、わたしが死ななければ
怪異の数は減らないこと。
話を聞いているのに、聞いてないみたいな
不思議な感覚に陥った。
夜月の声がBGMみたいに頭の中を流れていく。
わたしは、存在してはいけない子だったんだ。
その事実だけがわたしの中で大きく膨らんでいた。




