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恋々とした幸せを
これは、夢?
白い肌に黒髪がよく似合う女性が
悲痛な面持ちでわたしに手を伸ばしている。
「やめて!!
どうか、その子だけは!!
あたしの命は奪ってもいいから、
華恋だけは、許して……」
大きな瞳からボロボロと雫をこぼすのは
わたしの……お母さん……。
胸を大きく袈裟斬りにされ、血が大きく滲んでいても
わたしのために叫び続ける。
お母さん。
やめて、わたしは大丈夫だから。
だから、それ以上喋らないで。
そう言いたいのに出てきたのは
「お母さんっっ!!!」
幼いわたしの叫び声。
「どうか、お願いします。
お館様、この子だけは見逃してください」
深手を負いながらも土下座して
希うお母さんに胸が締め付けられた。
「……良いだろう。
ただし、お前は大罪を犯した妖。
今は悪に手を染めていなくとも、
生かすことは許されない」
刀をお母さんに向けるおじさんに
わたしは側近に抱き上げられながら
抵抗するかのように大きく体を捩った。
「やめて!! お母さんを殺さないで!!
わたしが悪かったから、だから
お願いっ……」
お母さんは青白い顔で力無く微笑む。
「華恋……。ごめんね」
「嫌だ! お母さん!死なないでよぉっ!!」
ドスっ。
お母さんの胸に、何かが突き刺さる。
金色の刀の先から滴るのは真っ赤な血。
嫌、嫌、嫌っ!!!!




