表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/27

始まりは月に照らされて



「怪我はないか、華恋(かれん)


月の光に照らされて淡く光っているように見える

美少年は紺色の着物を見に纏い、

その昔、鬼を斬ったとされる金色の霊刀『夜明丸(よあけまる)』を鞘にしまう様がとてもよく似合っていた。


尻餅をついたわたしの目の前には大きな蜘蛛の妖が

首を落とされ転がっていた。


やっぱり、わたしの幼馴染はいつ見てもカッコいい。

見惚れていると、彼、夜月(やづき)は怪訝そうに

眉を顰め、「華恋?」と首を傾げた。


いつの間にか差し出されていた手に気づき

慌てて手を取る。


「ご、ごめん、何でもない!

夜月っていつもわたしがピンチの時は

助けに来てくれるよね」


えへへと笑うと夜月は口元に微笑みを称えて

「当然だろ、大事な幼馴染なんだからな」と握っている手に力を込めた。


幼馴染。


その言葉に胸にチクリと

(とげ)が刺さったような気持ちになる。


わたしは、人間じゃない。

妖狐(ようこ)と人間の間に生まれた半端者で

夜月みたいに祓い屋を生業としている人達からは

忌み嫌われている。


でも、夜月だけは違った。


幼い頃、クラスメイトにいじめられ

泣いていたわたしを夜月はいち早く見つけて

優しく抱きしめてくれた。


そして言ってくれた。


「華恋が半妖だとしても俺の大事な

幼馴染であることに変わりはない」って。


きっとそれがきっかけでわたしの恋の芽は

ぐんぐん成長して、今にも花を咲かせそうなの。


だけど、友情と恋愛は全く違う。

告白したって所詮人間と半妖のわたし。

うまくいくとは限らない。


それ以前に……関係が壊れてしまうのが怖い。


夜月はわたしのこと、どう思ってるのかな。


不安に胸が押しつぶされそうになりながらも

わたしは夜月の手をぎゅっと握り返した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ