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無一郎

無一郎ハロワへ行く

作者: 無一郎

ピピピッ、ピピピピッ。

アラームの音。辺りを手で探りアラームを止める。

二度寝してしまいたくなる気持ちが沸く。今日はハロワに行く。絶対行く。自分を奮い立たせて布団を蹴っ飛ばす。寒い。軽く体を震わせる。目を擦りながらも起き、扉へ。

階段を降り、居間を通りすぎ洗面台へ。

桶にお湯を張って顔を洗う。シェービングジェルを髭に塗りカミソリで剃っていく。剃り残しがない事を確認。最後に水で顔を洗う。

居間へ。

食パンが置いてあるのが視界にはいる。何か食べないとハロワに行く前に力尽きる。そう思い食パンを食べることにした。袋から食パンを取り出し電子レンジに入れる。オーブンのボタンを押し焼く時間を7分間に設定。この間に着替えでもするか。

自室へ戻る。

パジャマを脱ぎ、シャツを着てジーパンをはく。軽くストレッチ。ジーパンは伸び縮みしてくれるしポリウレタンが配合されている事に感謝する。

居間へ降りる。

スンスン。鼻をならす。いい香りだ。焼けたパンの匂いだと分かった。冷蔵庫を開けるとピーナッツバターがあった。食パンを電子レンジから取り出しピーナッツバターを塗って食べた。

時計を見ると6時30分。7時ごろ家を出ればいいし音楽でも聴くか。

自室へ。

LISAの曲でも聴くか。

EGOiSTiC SHOOTER、DOCTOR、コズミックジェットコースターを聴く。

そうだ。忘れ物ないよな。カバンを確認。障害者手帳と小銭入れ。タオルが入っている。


居間に降りる。

父親がテレビを見ている。母親は台所で洗い物。

何か言われるか?と思ってドキッとした。何も言われなかった。ほっとした?違う落胆した。

玄関扉を開ける。光が差し込む。思わず顔をしかめてしまう。

家を出て歩くこと5分。バス停につく。

少し待っているとバスがきた。障害者手帳を見せて半額の料金を支払う。

町並みを過ぎる。

森を切り開いてそこに舗装された道を作ったようだと思う。大変な思いをして作ったのだろう。先人たちに感謝する気持ちが自然とわいた。

また揺られること十分。

四つ角を曲がると遠くに山が見えた。山頂のほうは雪で白くなっていて雄大だなと思った。

何ヵ所かバス停を通り過ぎた。バスが止まった。バイトしてた時の女の先輩が乗ってきた。髪型や顔つきが変わっていなく一瞬で分かった。

降りるとき話しかけたほうがいいだろうか。もしかして俺と同じでハロワに行くのだろうか?

ハロワにいく道で隣り合って歩き会話が弾んだりしてと思ったが急いでいるようでハロワとは逆の方向に行ってしまった。

ハロワまで30分歩く。

到着。 

ついに来たんだとかやり遂げたとか達成感はなく、これが現実なんだなと思った。

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