月光の傘
小雪は露店で傘を買った。すると後ろから声がした。振り向くと、柔らかく頷く総髪の青年がいる。唐代の貴人のような装いだ。小雪は促されて傘を開く。
「わあっ」
傘から金色の花びらのような光が空へと昇る。光は渦巻き、雲を払う。
青年は無言で傘に手を添えた。小雪が青年を見上げた時、ふたりは星空の中にいた。月が明るく照っている。貴人の裾が翻る。
やがて優雅に降りたったのは、川辺の岩棚。貴人は甘く囁く。
「千年、この時を待っていました」
「えっ、千歳」
小雪は露店で傘を買った。すると後ろから声がした。振り向くと、柔らかく頷く総髪の青年がいる。唐代の貴人のような装いだ。小雪は促されて傘を開く。
「わあっ」
傘から金色の花びらのような光が空へと昇る。光は渦巻き、雲を払う。
青年は無言で傘に手を添えた。小雪が青年を見上げた時、ふたりは星空の中にいた。月が明るく照っている。貴人の裾が翻る。
やがて優雅に降りたったのは、川辺の岩棚。貴人は甘く囁く。
「千年、この時を待っていました」
「えっ、千歳」
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