ケネン
第二次世界大戦が終わり全世界が平和へと進んでいる現代。しかし本当に世界から敵意が、憎悪が、なくなるわけもなく、数年後には国ごとの悪意は大きくなっていった。西アジアの一国は某大国と戦争を行い、東アジアの半島では凄まじい血が流れた。
東アジアにあるこの国には戦争に対する防衛以外の戦力を持たないと決められていた、ゆえに各国から攻撃されることもなかった。だが、本国の北側の半島により防衛の演習という名のミサイル攻撃がなされていた。
もちろん国もこのまま放っておくわけにはいかない。首脳陣にて密会が行われていた。
「我が国は他国に戦力的に遅れています。このままでは他国に対抗できません」
軍の最高司令官、文部科学省大臣、内閣総理大臣が集まった中で文部化学省大臣が問題を提起する。
「そうではあるが、我々軍部にはできることがない。陸軍としては生物兵器を使いたいし、空軍としては核がいくらかほしい。」
「だが、、我々は国民によって生活しているから無駄に税金をかけることはできん。それに、我が国は非核三原則を掲げているためそう簡単に『じゃあ核兵器買おう!』ともいえん。」
「ええ、そうなれば我々は与党に当選できなくなってしまいます。そうなればまたこの問題は後回しになります。そうなれば終わることがありません。」
首脳たちは頭を悩ませている。なぜならどの選択も彼らに好転しないのだから。
ああでもないこうでもないと、頭を悩ませていると未来ある択がドアを開けて入ってきた。
「その問題、わたしが解決いたしましょう。」
一人の男がドアの前に立っている。ドアの前に立っていたはずのSPたちの髪を掴んで引きずっている。
「な、何ものだ貴様!どうやってかいくぐtt・・・・んぐぅ!」
大きな声で威嚇しようとした文部科学省大臣は・・・目にもとまらぬ速度で動いた男によって口を塞がれた。
「私がお話しているのは最高司令官様と首相様です。あなたは黙っていなさい。」
足が速いとはどう見ても違う。
「何者だ貴様ア!」
「まあまあ落ち着いてください。表向き官房長官兼最高司令官様、私の今の動きは常人ではないとご理解いただけますよね?」
それにはうなずくしかない。彼もまた元軍人である。幾人もの武人と渡り合ってきた。だが、ここまでの速度は見たことがない。他とは違う。
(この速さ・・・!)
「この速さの源は私のDNAにあります。私は少し前までアメリカの研究所で遺伝子工学の探求を行っていましたが、ひと月間に解雇されました。」
「それまたなぜだ?君はこれほどのうごきを生み出せるのだろう?なぜ解雇された?」
この発言からしておそらく、こいつの発見によってあの速度が出せるのだろう。
「簡単な話ですよ。私の求める未来は究極の人類の完成です。それが彼らにはよほど異色のものに見えたのでしょう。マッドサイエンティストだ、クレイジーだといわれ作った資料も燃やされて解雇されました。ひどい話でしょう?」
は?此奴は今何を言った?要するに新たなる人類を生み出そうとしているということか!?
「・・・で、それが何の問題を解決できるというのだ?」
「やっと聞く気になってくれたようですね」
そういって笑う顔は恐ろしかった
>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<<<<<<<
彼は結局完成させた。
実質的に政府の人間を脅迫し資金を引き出した。
その結果ソレは兵器を超えた対個人または対軍に対してならば核よりも銃火器よりもおぞましい生命体だった。
「然能人」
それがその兵・器・達の名前である。
彼らはプロトタイプとして五人生み出された。
雷人 イナ
風人 フウ
岩人 セキ
水人 スイ
炎人 メラ
おのおのにはDNAに様々な生物や物質の特性が足されている。
もちろん彼が政府の人々に見せた圧倒的な身体能力も当然のように与えられている。
結果生まれたての幼体のままでも常人の数倍の筋肉密度と知能を持ちその成長はすさまじかった。
生まれて一年も経たずに直立歩行や言語などを話せるようになり、さらに三年後には彼の理想としていたレベルを超え人間以上という目標は達成された。
それから殺人術隠密術を叩き込まれ七歳には二人組を組ませ訓練と称して政府や自分の研究に邪魔なに不利な要人や外交官、政治家などの暗殺をさせた。
そういった研究、政府の汚れ仕事を代わりに行っている組織。
その名を国営防衛研究所という
初の本編なので率直な感想をお待ちしております