おまけ・2 舞台や設定について
というわけで、おまけ・2です。
舞台設定ですが、単純に作中に出てきた家などですね。
設定については、本作のメイン設定と言える超能力について。
では、順々に。
【各人物の家】
■プロローグの、洋平の家
実はこの家のモデルは、十年くらい前の一布の彼女の家だったりします。作中では1LDKですが、実物は1DKです。
リアルに、ストーブを付けないと家の中で息が白くなりました。
さらに。
一月に一緒に旅行に行って二日ほど家を空け、帰ってきたら・・・。
トイレの水が凍ってました。カッチカチに凍ってました。
そのとき、一布はとても小用を足したくて。でも、トイレの水は凍っている。
彼女に、氷の上からしてもいいと聞いたら、あっさり「駄目」という回答が返ってきました。
頑張ってお湯とかドライアーとか使って氷を溶かしました。今にも漏らしそうで、内股になりつつモジモジしながら。
氷が割れて、水が流せるようになって、我慢していた用を足したときは、それはもうホッとしました。
ちなみに、その家で一つの部屋を閉め切ってストーブを点けたら、もう一方の部屋との温度差がとんでもないことになりました。襖を開けたら別世界なんです。
もし、これから北海道に引っ越しを考えている、暖かい地域の方がいるなら。
家探しは、一月にすることをオススメします。素の状態の、その家の真冬の温度が分かりますから。
あ、ちなみに、今の一布の家(賃貸)は暖かいです。一月に物件を見て回り、南向きであったり、ある程度の高層階であることとか、角部屋ではない等の条件を満たす中でも一番暖かい部屋に決めたので。
ちなみに、第三十九話にある建築時期による家の暖かさについては、物件を見て回ったときの経験則によるものと不動産屋さんから聞いた話を参考にしています。
■美咲の実家
一布が小学生の頃の友人の家が参考になっています。
とはいえ、作中のような立派な家ではありません。古いアパートのような外観の、でも大きさから一軒家と思われる家です。
一階と二階を繋ぐ階段はありません。友人の両親は一階に暮らし、友人は祖母(どちら側の祖母かは不明)と二階で生活していました。
まだ子供だった一布は、気を遣うこともなく色々友人に聞きました。彼の家庭の事情とか。でも、なぜか、その回答は覚えていません。その家だけが、妙に印象に残りました。
しばらくして、友人は転校して行きました。
かなり昔の話なのでその友人の顔も名前も思い出せないのですが、一布の中で、ずっと印象に残っている家です。
大人になった今なら、色々と想像できるのですが・・・
■秀人の家
これもモデルがあります。
一布の高校時代の友人が通っていた剣道道場です。道場が地下にあったんです。
とはいえ、秀人の家の地下ほど広くはありません。体育館どころか、中学高校の柔道場くらいの広さだったと記憶しています。あと、見学──という名の、ただの友人の付き合い──に行ったことがあるのですが、湿気がひどかった。ついでに寒かった。地下だからでしょう。
■お婆ちゃんの家
きっぱりと一布の実家がモデルです。
おまけに、猫二匹も実家の猫がモデルです。ユキのモデルになった猫がやたらと人に懐かないのもそのまんまです。
一布はガッツリ噛まれたことがあります。犬歯が刺さって、手に穴が空いて、血がメッチャ出て、痛かった。でも猫は可愛いです。
ちなみに、コハルのモデルになった猫も作中通り人懐っこく、やたら甘えてきます。一布の背中に飛び乗り、さらに髪の毛を舐め回して毛繕いしてくれます。ひたすら舐め回してくれます。毛繕いが終わる頃には、髪の毛がベタベタになります。
こいつも可愛いです。えへ。
【設定】
「家」と「設定」で区分けしましたが、設定で語るのはもう超能力しかありません。
この超能力という設定、はっきり言って四十二話から四十六話を書くためだけに考えました。
脳が源泉であり、精神状態に大きく影響される能力。秀人が最終的に洋平を殺す目的で超能力を使えず、かつ、洋平が土壇場で美咲と生きるために開花する能力。
この二人の心のあり方を表現する上でどうしたらいいか、を考えたときに「こんな能力があったら二人の心情を行動描写で明確に表せるな」と。
さらに、秀人自身が気付いていない秀人の心の状態も表現できるな、と。
条件を満たす能力の概ねの形ができると、他の設定は驚くほどスムーズにできました。ブレーンコネクトの太さが超能力の資質の大きさを表すとか。
超能力者がバーゲンセール状態にならないよう、開花には基本的に施術が必要であるとか。
でも、ごくごく稀に、施術なしで開花する奴がいるとか。
ちなみに、感情が高ぶって開花する感じは、実はスーパー〇イヤ人をモチーフにしています。まあ、スーパー〇イヤ人は、「穏やかな心を持ちながら激しい怒りで」目覚めるんですけどね。
それほど複雑な能力ではないですが、使い手の能力や資質が明確に見える能力。地味にこの超能力に関しては、上手くできたな、と自画自賛しています。
あと、裏設定ですが。
超隊員の前原正義君は、実は射撃の超能力が使えません。理由は、相手に対する殺意が薄すぎるから。完全に使えないというわけではなく、せいぜいモデルガン程度の威力しか出せません。
そのため彼は、銃を所持した相手と戦う際、プロテクトで完全に銃弾を防ぎ、素早く接近し、柔道等の技術で相手を組み伏せるという戦術で戦います。一瞬で相手との距離を詰めるダッシュ力は凄まじいです。
正義との近接戦闘を避けるという洋平の選択は、実は大正解なのです。
◇
そんなわけで、舞台設定等でした。
そして、次で完全にラストとなります。
本作に関する反省会的おまけです。
ではでは。




