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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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常識は時代が変える

前回のあらすじ

シリアス回になってた・・・


「こんなつもりじゃなかったんだけど・・・」

「しっかりしてください。」

連れて行かれたサリアとマキナ。ヴィザルはそれを黙って見ていた。野次馬も段々離れていきアイアンガイアのメンバー以外はジルフレイム、レザニア、フィルディオだけだった。


「どうしよう。」


ヴィザルが下を向いていると車椅子をキリキリ鳴らしながらゲルドがやってきた。


「まったく、面倒なことをよく起こす連中だな。」

「何しにきた、変態じじい。」

「黙ってろ、暴力ばばあ。」


ゴスッという音と共にきれいにレザニアの拳がゲルドにきまる。ゲルドは鼻血を出しながらヴィザル達に近付いた。


「俺はマキナについて態々ここまで話に来たんだ。」

「マキナについて?」


ゲルドは車椅子を動かしてメタルバンドに入って行った。


「それでマキナについて何がわかった?」


テーブルにみんなが座るとケンが早速質問した。


「以前、クロアとヴィザルには説明したがマキナは人間と同じ構造をしている。」

「そうなのか?」

「あぁ。それもそのはず、マキナは死んだ人間をベースに作られている。」

「「「!?」」」


ゲルドの説明に一同驚愕した。


「待って!人間を改造するなんて倫理的に許されるはずがないわ!」

「それは今の価値観だ。マキナが作られたのは何千年も前だ。その時はそんな倫理観なんぞなかっただろうからな。」

「そんな・・・」


ジルフレイムの反論にゲルドが返した。ゲルドはジルフレイムが黙ると説明を続けた。


「マキナの脳幹が完全に機械になっているからおそらく脳死した少女を使って作り上げたと思われる。その際に彼女の体中に生命維持装置やら武器やらを仕込んだんだろうな。」


ゲルドの説明が終わるとヴィザル達は黙ってしまった。すると、フィルディオが口を開いた。


「そういえば、あの時シュルポス遺跡の調査を依頼したところなら調べましたよ。」

「いつの間に!?」


フィルディオの発言にまた一同が驚愕した。


「え?マジで言ってる?」

「はい。あのクエストを依頼したのはゲーテウェルズ研究所ってところで各地の遺跡の調査、研究を行っているところですね。」


フィルディオは研究所の写真や所長と思われるじいさんの写真などの資料を出しながら説明を始めた。


「いつの間にこんなに調べたのよ?」

「企業秘密です。」

「それでこの研究所は何処?」

「オリュンティア公国のすごい北ですね。」


フィルディオは地図を広げ、オリュンティア公国の北にある山脈の中を指差した。


「ここですね。」

「本当にどうやってここまで調べたのか知りたい。」

「でもこれでマキナを取り返すことができるな!」


ヴァンガスが指を鳴らして憤っているとジルフレイムがガトリングガンで殴った。


「あんたバカぁ!?サリアとマキナを連れて行ったのはオリュンティア公国直属の警察部隊エピゴノイよ。」

「初めて聞いた。」

「そりゃ、秘密警察みたいなものだから滅多にこんなところに来ないわ。だから、あいつらを動かしたのは国の中でもかなりの権力を持ったやつよ。ってことは今下手に動けばあんたら全員逮捕よ。」

「だったらどうしろと?」

「まずはサリアの釈放を私がするわ。」


ジルフレイムが地図のあるところを指して話し始めた。そこはオリュンティア公国の北西、ゲーテウェルズ研究所より南西にあった。


「ここにコキュトルス監獄があるわ。おそらくサリアはここに投獄されているわ。だから私がここで交渉してサリアを釈放させてからマキナのところに行く。これでいい?」


ジルフレイムが救出の概要を説明する。ヴィザル達は黙ったままジルフレイムを見る。そのまま誰も何も言わない時間が続いた。


「まったく、どんよりしちゃって。まぁ、サリアにはここの家賃をしっかり払ってもらわないとけいないからねぇ。さっさとサリアを戻しておくれよ。」


沈黙が続いているとレザニアがタバコを吸いながらしゃべった。それを聞いたケンはため息をついてしゃべり始めた。


「・・・そうだな。レザニアさんがそう言うなら行こうか。但し、サリアの釈放はジルフレイムが、マキナの救出は俺達全員で行く。これでいいな。」

「ちょっとケン!?」

「悪いが俺もサリアとマキナがいないアイアンガイアは嫌なんでな。強硬手段だろうがなんだろうがいかせてもらうぞ。」


ジルフレイムが慌てて制止しようとするがケンはジルフレイムの制止を止めた。すると、ケンはジルフレイムの後ろを見てしゃべった。


「周りを見てみろ。みんな、やる気だろ?」


ケンに言われてジルフレイムが周りを見ると何処で手に入れたのか分からない銃器や爆弾、チェーンソーや刀などの刃物を用意したりいかにもテロリストみたいな格好をしたりしているヴィザル達がいた。


「待ちなさい!なんでそんな危ない物を持ってるの!?って言うかやる気じゃなくて殺る気になってるんだけど!?」

「いいか、お前ら!今からオリュンティア城を占拠してサリアとマキナの解放を要求するぞー!」

「「「おぉ!」」」

「待って!それマジのテロリスト!完全にアウトだから!」


ジルフレイムが慌てて止める。こうして、サリアとマキナの救出作戦を決行しようとするヴィザル達だった。

次回予告

マキナの秘密を知ったヴィザル達。マキナがいると思われる場所へ行くため一世一代の大勝負に出る。


「真面目にしすぎたかな?」

「これでいいんです。」

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