心はいつでも中学男子
前回のあらすじ
・・・ライ○ップ
「思っていたけど言っちゃ駄目!」
私はサリア・へラクロス。現在・・・ロッカーに隠れています。
事の発端は一時間前、私はヴィザルに用事があるため放課後のシャルロットマーニュ学園に向かった。もうとっくに授業は終わり後は帰るだけのはずなのにヴィザルが来ない。仕方なくヴィザルがいるはずの教室に入ってみたが誰もいない。そこで待とうかと考えていると知らない人の声が聞こえた。私は慌てて近くのロッカーに逃げ込んでしまった。
そして、今に至る。サリアはロッカーの隙間から外を見ている。そこには男子生徒が数人集まって話していた。
「・・・これだと完全に不審者じゃねぇか。どうしょう。」
サリアがどうするか考えていると教室にヴィザルが入ってきた。
(ヴィザル!よし、これなら出て来てもなんとか・・・ならないか。)
サリアが出ようか迷っているとヴィザルは男子生徒達と一緒に何か準備をしていた。そして・・・
「・・・それでは第37回可愛い女の子審査会議を始めます。」
(何やってんのヴィザル~!?)
教壇に立ったヴィザルが10人ぐらいの男子生徒と訳分からん会議を始めた。
(何だよ、可愛い女の子審査って!?変態の集まりじゃねぇか!?しかもこんなくだらない企画を37回もやってんの!?)
ツッコミまくるサリアに気付くことなくヴィザルは会議を始めた。
「まずはガルム君から。」
「はい。」
ガルムと呼ばれた狼の獣人が教壇に立つと犬の獣人の女の子が写った写真を見せた。
「俺が可愛いと思っているのは隣のクラスのハティナちゃんだ!」
「またかよ。」
(いや、またかよじゃないから。何なのこれ?)
ガルムはハティナの容姿や性格を熱弁していた。しばらくして終わると今度はエルフの男子生徒が教壇に立った。
「・・・私、レギンがお薦めする少女はズバリ・・・ブラダマンテ風紀委員長です!」
「おぉ~!」
(おぉ~、じゃないよ。何見せられてんだ私?)
レギンが猛烈にブラダマンテのアピールをしているのをサリアは黙って見ていることしか出来なかった。
(そもそもあんな写真どうやって撮ったのよ?あれ完全に盗撮よね?)
サリアが呆れているうちにほとんどのアピールタイムが終わり最後にヴィザルの出番となっていた。
「・・・僕が最も可愛いと思っているのは・・・」
(オリヴィエだろうな。)
「オリヴィエだな。」
「オリヴィエちゃんでしょ?」
「絶対オリヴィエ。」
「・・・そうだけど先に言わないで。」
(やっぱり。)
ヴィザルは頭を抱えたままオリヴィエの写真を出した。
「え~、ここでこの時のためだけに協力してくれた方をお呼びします。」
「(?)」
「どうぞ!」
サリアも含めた全員がハテナを浮かべているとドアが開き教室にフィルディオが入ってきた。
「どうもどうも~。」
(お前かよ~!)
入ってきたフィルディオに驚愕するサリア。フィルディオは今まで撮った写真と名刺を男子生徒達に配っている。
「なるほど。あの見事な写真はあなたでしたか。」
「はじめまして!フィルディオです!気軽にフィルってお呼びください!今なら今回出てきた女の子達のマル秘写真も贈呈しますよ。」
「「おぉー!」」
(これ、バレたら確実に消されるな・・・私含めて。)
フィルディオが写真を並べているうちにヴィザルがオリヴィエの可愛いアピールを始めた。
「・・・ってことで一番可愛いのはオリヴィエちゃんで。」
「いやいや、今度こそハティナちゃんだろ!?」
「いえ、ピーマンが苦手という意外なギャップ萌えのあるブラダマンテ風紀委員長こそ至高の可愛いさ。」
「いや!八重歯、僕っ娘、ギャルの三拍子揃ったソールちゃんが一番可愛い!」
白熱する可愛い論議。サリアは無心になっているとフィルディオが挙手した。
「ん?どうしたフィル?」
「いえ、男子だけで論争するからキリがないだけでここは・・・」
フィルディオはそう言いながらサリアが入っているロッカーの扉を開けた。
「・・・女性に聞くのが一番でしょう!」
「・・・」
「・・・なんでサリアさんがそこに居るんですか?」
「・・・うわぁー!」
窓ガラスを割ってフィルディオを投げ飛ばすサリア。
↓
「・・・何しているんですか、サリアさん?」
「・・・私は何も見ていない!」
窓ガラスを割って逃走するサリア。
↓
「ちょっとサリアさん!?何していたんで・・・」
「そっちこそ何してるのかきっちり説明してもらおうか?ヴィザル。」
「ヴィザル君・・・」
「・・・」
いつの間にか後ろにいたブラダマンテとオリヴィエに声をかけられるヴィザル。
↓
「・・・見逃してください!」
窓から逃走するヴィザル。
↓
「ダメだ。」
追いかけるブラダマンテ。
その後、ヴィザルとサリアはブラダマンテに捕まりガラスの修理をさせられた。また、ブラダマンテに見つかったことで可愛い女の子審査会議も廃止となった。
次回予告
サリアの用事の内容が明らかに
「結局何ですか?」
「それは次回。」




