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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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暴飲暴食とお酒は控えよう

前回のあらすじ

素っぴんでキレイな子とか現実にいないだろうな。


「余計なこと言わないでください。」

とある森林の中にヴィザル達アイアンガイアがいた。


時は遡ること約1時間前


「討伐依頼?」

「はい。ここ最近ハーゲンの森から黒いドラゴンが現れ家を破壊したり家畜を貪ったりして被害が拡大しているのです。」

「それでそのドラゴンってどんなの?」

「はい。なんとか撮影できた写真です。」


村長がサリアに写真を渡した。その写真には大きく黒く禍々しい姿のドラゴンが写っていた。


「これって多分ニーズヘルグよね?」

「ニーズヘルグ?」

「元々は魔界に生息する凶悪なドラゴンよ。多彩な魔法に三日三晩燃え続ける炎を吐くと言われるわ。」


写真を見たエレキナが真面目な顔で説明を始めた。


「そんなドラゴンがなんでここに?」

「さぁ、でも本当にニーズヘルグならかなりの強敵よ。気を引き締めて行かないと。」

「わかった。みんな、行くよ。」

「了解!」





そして、今に至る。


「・・・まさかこいつ?」


ハーゲンの森を歩き大きな怪しい洞穴がある山を見つけ入ってみるとそこにいたのは・・







・・写真に写っていたドラゴンが丸々太ったお腹を上に向け鼻提灯を作りながら爆睡していた。そんなドラゴンを見てヴィザル達は目を点にしていた。


「・・・写真と似てはいるけど嘘よね?死と破壊の権現と言われたニーズヘルグがこんな情けない姿をするなんて・・・」

「その説明は初めて知ったけど。」


サリア達はおそるおそるドラゴンに近づく。しかしドラゴンはまったく起きない。


「・・・カリ、あの鼻提灯割って。」

「了解。」


カリスティは魔法で弓矢を作るとドラゴンの鼻提灯を射抜いた。すると、ドラゴンは目を覚ましこちらに睨んだ。


「来るぞ!」


ケンが叫ぶと全員戦闘態勢に入った。ドラゴンはサリア達を睨むと起き上がろうとした。しかし、手足をジタバタさせるだけで長々起き上がれない。


「・・・」

「・・・」

「・・・グ、グガガガガガ!」

「まさか、起き上がれない?」


ドラゴンは涙目でサリア達を見る。サリア達は顔を見合わせると仕方なくドラゴンを起こした。ドラゴンは起き上がるとサリア達を睨み腕を振り下ろして攻撃してきた。


「うぉ!?折角起こしてやったのにこの仕打ちかよ!?」

「とにかく、あいつを倒すぞ!」


サリア達は散開しドラゴンに向かった。すると、ドラゴンは大きく息を吸った。


「まずい!ブレスが来る!」


エレキナが叫んだ。しかし、目の前にいるサリア、クロア、エウリアは避けることが出来なかった。そして、ドラゴンは口から大量のゲロを吐いた。


「・・・」

「・・・グプッ!」


気分が悪いのかドラゴンは手を口に当てていた。そして、モザイクがかかっているサリア達三人を申し訳なさそうに見た。


「「「・・・くたばれ~!」」」


サリア達はそのままドラゴンをフルボッコにした。しばらくして酔いが醒めたのかドラゴンはぜぇぜぇ言いながらサリア達を見た。


「・・・なぁ、あんたニーズヘルグ?」

「・・・(コクンと頷く。)」

「・・・最近この辺りの村を襲った?」

「・・・(コクンと頷く。)」


ニーズヘルグの周りをよく見ると食べ残しと思われる家畜の死骸や酒が入っている樽などがあった。ニーズヘルグも口が酒臭く顔も紅陽としていた。


「なんで襲ったの?」

「グルル、グガガ。」

「エレキナ、訳。」

「告白したらフラレたからやけ酒に暴飲暴食してたって。」

「まさかの失恋太り!?」


涙目で理由を話すニーズヘルグに呆れているサリア達。タオルでモザイクを取りながらサリアはニーズヘルグにはっきりと言い放った。


「なぜお前がフラレたのか私にわかったぞ。」

「!」

「お前がその程度で暴れる情けない奴だからだ!」

「!?」

「一回フラレただけで村を襲って家畜を貪ってみんなに迷惑をかけ、泥酔して私にゲロをぶちまけた!そんな奴がモテるわけないだろうが!」

「!!?」

「最後のはサリアさんの私怨が入ってますよね?」


ニーズヘルグはサリアの話に驚愕した。そのまま項垂れているとサリアがニーズヘルグの頭を撫でた。


「まだチャンスはある。まずはダイエットだ!」

「!」


サリアに激励されたニーズヘルグは空を飛ぼうと翼を羽ばたかせるがどんだけ羽ばたかせても一向に飛ぶことはなかった。


「・・・走れ。」

「・・・グルルゥゥゥ。」

「あ、それと禁酒な。」

「( ; ゜Д゜)!?」

「待って、お前もするの!?」


禁酒と言われ肩を落としたが仕方なくニーズヘルグはドタドタと音をたてながらサリア達の後を追って走った。



洞窟から出たヴィザル達は早速ニーズヘルグのダイエットを始めた。


「まずは食事制限だ!お前は食べ過ぎたからそんなみっともないお腹になるんだ。」


そう言ってサリアはマキナに準備させたお肉をニーズヘルグにあげた。


「何それ?」

「・・・今流行りの大豆ミートです。」

「いつの間に。」

「最近のうちの肉はみんなこれだぞ。」

「嘘!?」


ケンのカミングアウトに驚愕するヴァンガス達。サリアは大豆ミートをニーズヘルグに渡した。


「しばらくは私達が食事を提供しよう。だから、近隣の村を襲うのは止めること。いいな!」

「グルル!」

「よし!とりあえずこれでクエストクリアだな。」

「そんなんでいいんですか?」



それからヴィザル達とニーズヘルグのダイエット習慣が始まった。

まず、村長に謝罪とダイエットの協力を頼んだ後、クエストクリアを受理してもらった。

次に村人達の協力の元、食事制限と適度な運動(100㎞ランニング、近くの海で遠泳、腹筋、腕立て伏せ、スクワットなど。)にワイナード立ち会いの元、競竜で行われる飛行訓練などを取り入れて1ヶ月後・・・



「グアァァァァ!」


なんとかダイエットは成功し、ニーズヘルグは写真の時よりも筋骨粒々でカッコよくなっていた。


「おめでとう。」

「おめでとう。」

「おめでとう!」

「おめでとうございます。」

「おめでとさんっ。」

「なんか某有名アニメの最終回みたいになってませんか?」


拍手しているサリア達にヴィザルがあるアニメのことを考えながらツッコんでいた。ニーズヘルグはサリア達を見ると一礼した。


「これに懲りてもう暴飲暴食と酒の飲み過ぎはしないこと、他人の土地で暴れないこと、しっかり食事制限に適度な運動をすること、いいな!?」


サリアの忠告に頷いたニーズヘルグは翼を広げ空高く飛ぶと何処かへ飛んで行った。


「グルルー!」

「なんて?」

「いつかお礼はするって。」

「案外律儀な奴なのかもな。」


ヴィザル達が見送る中、ニーズヘルグは去って行くのだった。・・・ゲロを吐きながら。



「「「・・・あの野郎!隠れて酒飲んでたな~!」」」

次回予告

久しぶりにシャルロットマーニュ学園が舞台。


「なんでこんなことに・・・」

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