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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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最初の設定は案外忘れられがち

前回のあらすじ

ゼウス・エクス・マキナはヴィザルのオ◯ホー・・・


「言わせねぇよ!」

ここはカブジナから離れたところにある学校、シャルロットマーニュ学園。

この学校には魔法科と騎士科、そして冒険科がある。

まず、魔法科はその名の通り魔導師になるために魔法を学ぶ学科で卒業したら国専属の魔導師や魔法学の先生になることが多いです。

次に騎士科は主に剣術などを学ぶ学科で卒業したら国専属の騎士団に入ったり、貴族の護衛をしたりする人が多いです。

最後に冒険科は簡単な魔法や剣術の他にモンスター学や地理学などを学ぶ学科で最も生徒が多い学科でもあります。卒業したら主に冒険者として活動したり、クランに加入して活動したりします。

え?何故いきなり学校の説明をするのかって。それは僕、ヴィザル・オルディダンテはシャルロットマーニュ学園の冒険科の生徒として通っているからです。

この設定、1話に出て以降全く説明されてないので忘れられたのかと思いました。

ちなみに、冒険科の生徒は実習として実際にあるクランに加入して活躍すると単位がもらえます。ぶっちゃけ、単位が欲しくてクラン加入する生徒は沢山います。僕もその一人です。


授業を終えた僕は帰路に着こうとしていた。そこに、一人の少女が近づいてきた。彼女はオリヴィエ・アストライカ。僕と同じ冒険科の生徒で明るい人です。

「ねぇ、ヴィザル君もクランに入ったんだよね!?」

「うん、オリヴィエさんもクランに入ったんだっけ?」

「うん!私はエンジェルフォースに加入したんだよ!」

「・・・」

「?」

ヴィザルはそのまま目を反らした。

「どうしたの?」

「凄いね。」

「うん!ヴィザル君はどこに加入したの?」

「・・・アイアンガイア。」

「アイアンガイア?」

アイアンガイアと聞いたオリヴィエは首を傾げた。そこに、笑いながら他の生徒達がやってきた。

「マジかよ。あのオルディダンテ家のご子息様がアイアンガイアかよ。」

「終わったな。」

笑っている生徒達にヴィザルは何も言わなかった。

「笑うことないじゃん!」

オリヴィエが庇うが生徒達は笑うのを止めない。

「だってあのダメクランだぞ。」

「そうそう、問題ばかり起こす迷惑クランだぞ。オルディダンテ家も終わったな。」

「ひどい!ヴィザル君も何か言ってやってよ!」

「全くもってその通りです。」

「嘘でしょ!?」

「そこ!うるさいぞ。」

ヴィザル達が騒いでいるとまた一人の少女が現れた。

彼女は騎士科の生徒のようで銀色の綺麗な鎧を着けて凛々しい顔立ちをしていた。

「何を騒いでいる?」

「・・・誰だっけ?」

「ヴィザル君、あの人はブラダマンテ・フーリオンさんよ。魔聖七天王(セブン)のバルウェイン・フーリオンさんの娘さんで騎士科トップの風紀委員長さんよ。」

オリヴィエが耳打ちでヴィザルに彼女のことを簡単に説明した。

「そういうことだ、ヴィザル・オルディダンテ。」

「あ、僕の名前知ってるんですね。」

「当たり前だ。で、何を騒いでいる?」

「アイアンガイアの話をしてました。」

「アイアンガイア?あぁ、あいつらのような問題児のいるクランか。」

そう言ってブラダマンテが指差した。ヴィザルがその方向を向くとヴァンガスとクロアがアイアンガイアをバカにした生徒達に詰め寄っていた。

「おぅ、誰が迷惑だって?」

「そうだ。いつ私達が終わった?なぁ?」

「なんでいるんですか!?」

二人に詰め寄られ涙目になる生徒達。ブラダマンテが二人に近づいた時、二人の後ろから来たケンが二人を拳骨で仕留めた。

「そういうことするから問題児だとか迷惑とか言われるんだろうが。」

ケンは二人を仕留めた後、生徒達やブラダマンテに謝罪した。

「うちのバカ共が迷惑をかけました。申し訳ございません。」

「いや、大丈夫だ。」

ケンが謝罪していると先生らしき男性が現れた。

「ブラダマンテ君、この騒ぎは?」

「申し訳ありません、サロモス先生。」

サロモスと呼ばれた男がケンを見た瞬間、笑顔で彼に近づいて握手を求めた。ケンもそれに応じ握手した。

「久しぶりだな、ケン。」

「お久しぶりです、サロモスさん。」

「相変わらず謙虚な奴だ。昔のように呼び捨てでいい。」

二人のやり取りに困惑する周りの人達。

「先生。彼を知ってるのですか?」

「あぁ、彼はケン・アレスザード。12,3年前までオリュンティア公国護衛騎士団団長を務めた私の上司だ。」

「元だ。元上司。」

ケンの驚きの過去に全員言葉を失った。

「えぇ~!」

「Σ(Д゜;/)/~!」

「だから、ヴィザル。どう聞こえるんだそれ?」

「いやいやいやいや、今まで聞いたこと無いですけど!」

「言ってなかったからな。」

「私も初めて知りました。」

「あの、ケンさんって今いくつですか?」

「30歳だ。」

「ってことは18歳の頃に護衛騎士団団長してたんですか!」

「そうだな。ケンは若干16歳で最年少護衛騎士団団長を務めた男だ。昔は私も彼の部下として共に戦った。」

「なんか後付けみたいな設定ですね。」

「設定言うな。」

ケンのことを知ったブラダマンテはケンに深々と頭を下げた。

「はじめまして!私はシャルロットマーニュ学園第3学年騎士科、ブラダマンテ・フーリオンと言います!よ、よろしくお願いします!」

「あぁ、よろしく。それと、そんなに畏まるな。今の俺はアイアンガイアの副マスターってだけだ。」

ケンのことを知った他の生徒も少しずつ集まってきた。

「なんで、あんな凄い人がアイアンガイアにいるんだ?」

「凄い人に会っちゃった。」

いつの間にか周りには生徒や先生でいっぱいになった。

「あの、ところでケンさんは何しにここに来たんですか?」

「ヴィザル君!凄い人だよ!そんなんで大丈夫なの!?」

「大丈夫だ。そんなの気にしない。俺達はヴィザルの迎えに来た。」

「僕の迎えですか?」

「あぁ、新しいクエストだ。」

「え!?」

ヴィザルはケン達と一緒にアイアンガイアの本部に帰った。

次回予告

サリア、破産


「何があった!?」

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