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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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魔神と魔王

前回のあらすじ

ついに本物の魔族が登場。


「本当にヤバい奴が出てきた。」

ヴァルボロは去って行った。その姿が見えなくなるまでヴィザル達は見ていた。


「・・・なんか怒涛の展開だったね。」

「う、うん・・・」


いきなり現れ去って行ったヴァルボロに何も出来なかったヴィザル達。そんな中、ヨルズはせっせと気絶しているネハン達を拘束していた。


「みんな、あいつのことは後よ。まずはこのことを報告に行くよ。」


ヨルズは拘束している間、ジルフレイムは回収していたスマホで仲間を呼んでいた。


「そういえば、フォルス兄さんのパペットパーティーってあんなにいっぱい出せましたっけ?」

「あぁ、それはこれのおかげだよ。」


そう言ってフォルスはヴィザルにビンを見せた。


「何ですか、これ?」

「なんか魔力を底上げする薬みたい。」


フォルスが曖昧な説明をしているとジルフレイムがそのビンを取り上げた。そして、そのビンをジーっと見るとフォルスの顔を鷲掴みにした。


「フォルス君、これはブラーストって言ってね。法律で使用が禁止された奴よ。」

「・・・全然知りませんでした。」

「これ、どこにあったの?」

「この街のあちこちにそんな薬を作っている所がありましたよ。」


ジルフレイムが質問するとフォルスの代わりにフィルディオが答えた。彼は写真をジルフレイムに渡した。ジルフレイムが見るとブラーストの他に使用が禁止されている薬が大量に並べられていた。


「麻薬だらけの街ね。これも報告しないと。」


ジルフレイムは写真を持ったまま再び連絡した。その様子を見ていたヴィザルのところにヨルズがやってきた。


「さっきはありがと~!」


ヨルズはヴィザルに抱き付くと過剰なスキンシップを始めた。ヴィザルがまた始まったと言わんばかりの表情をしているとアテリナを連れたバルドがやってきた。


「姉さん、スリスリするのは後にしてアテリナ様を帰しに行きますよ。」

「わかってる。」


ヨルズはヴィザルから離れるとアテリナと一緒にジルフレイムのところに向かった。ヴィザルも付いて行こうとするとバルドが隣に並んだ。


「ヴィザル、強くなったみたいだな。」

「ありがとうございます。」


ヴィザルとバルドは会話しながらやってきた迎えの馬車の方に歩いて行った。



あれから3日後

ニルガーナの復興、ネハン達の罪状の洗い出し、クエストの報告など忙しかった日々が終わりヴィザルはやっとメタルバンドに帰った。


「ただいま~。」

「お帰り!」


ヴィザルが帰るとサリア達が迎えてくれた。しかし、元気良く挨拶した割には目の下に隈が出来ていたりどこか空元気に見えた。


「・・・何があったんですか?」

「昨日、遊園地でバイトしている途中でテロリストが襲ってきて一日中交戦してたからあまり寝てないの。」

「本当に何があったんですか!?見たい!その現場を見たかった!」


自分がいないうちに起きた事件が気になったがヴィザルはサリア達に自分がヨルズ達と受けたクエストのことを話した。


「マジで?マジで魔神とかでたの?」

「マジで魔神・・・ぷっ。」


サリアはつい吹いたクロアの頭を叩くとヴィザルから詳しい話を聞いた。


「・・・って感じで勝てないと直感してしまいました。」

「それが普通だ。魔神は一国の軍隊でも倒すのが難しいって言われる奴らだ。」

「・・・」

「どうしたの、サリア?」


ヴィザルからヴァルボロのことを聞いたサリアは何か思い当たる節があるのか考えていた。


「サリアが真面目に考えるなんてらしくないよ。」

「だまらっしゃい。」

(まさかあいつってわけじゃないと思うけど・・・)


サリアは考えるのやめたのか背もたれに体重をのせてダラ~ンとした。


「まぁ、ケンの言う通り、魔神は相当強い。インドライガでも勝てるかどうかがわからない奴よ。生きてるだけでラッキーね。」

「それより魔王の復活の方がヤバいでしょ。」

「でも大丈夫なんじゃないですか?」

「いつの間に!?」


エウリアが魔王と発言すると彼女の後ろからフィルディオが現れた。


「大丈夫ってどういうこと?」

「だって魔王が復活したと言っても今まで通り平和なんですから心配するだけ無駄ですよ。」

「珍しいな。フィルがそう言うとは。」

「僕は魔王よりサリアさんの方がネタになると思っていますので。」

「やめてくれない。」


サリアは少し顔を赤らめながらフィルディオの顔にアイアンクローをした。その日はヴィザルが帰ってきたこともあり、ちょっとしたパーティーを開いたのだった。


後日、アテリナを危険な目にあわせたとしてバルウェインに怒られるジルフレイムだった。

次回予告

久しぶりの日常回


「やっと終わる。」

「時々休んでたから終わるのが遅くなったんだろ?」

「言わないで。」

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