何万人に一人しかいないとかいう設定は後にいっぱい出てくるから信じるな
前回のあらすじ
やらせはせん!やらせはせんぞ!!
「還れ。」
ネハンと対峙するヴィザル達。ジルフレイムはアテリナをフォルスとフィルディオの後ろに下がらせ周りにパペットフォルス達を護衛に着けた。
「これで一応、形勢逆転かな?」
「さぁ。あいつ、まだ隠しているみたいだからねぇ。」
ヨルズは警戒しながらヴィザル達と一緒に下がった。すると、リグリオンが一気に距離を詰めて襲いかかってきた。ヨルズはとっさに向けて剣を真一文字に凪払うがリグリオンは一切避けず、胸に真一文字に傷ができた。そしてそのまま鋭い爪でヨルズが持っている剣を真っ二つにした。
「な!?早くなった!」
「俺は特殊体質なんだよ。」
「特殊体質?」
「ある条件になると身体能力や魔力が劇的に上昇する体質を持った人達の総称よ。多くは先天性なんだけどたまに後天的に得ることもあるの。約1000万人に1人の割合よ。私も今まで2,3人しかみたことないわ。」
「それって後になる度にいっぱい増えてその設定何なのってことになるやつですよね。」
「それは言ってはいけないやつよ。」
リグリオンから離れて壁の裏に隠れたヨルズがリグリオンが言っていた特殊体質について説明した。ヴィザルがリグリオンをチラッと見ると胸の傷は付いたままだが出血は完全に止まっていた。
「俺の傷が付くほど強くなる特殊体質と魔人の再生力、この二つの力が合わされば俺は無敵になれるのだ!」
「自分で無敵とか言っちゃったよ。」
「あれは負けフラグだな。」
ヴィザル達の奥でフォルスとフィルディオがボソッと呟いた。ヴィザルはその発言に同意するかのようにウンウンと頷いた。
「ヴィザル、その剣貸して。」
「え?」
「いいから。」
「う、うん。」
ヴィザルが行こうとするとヨルズがヴィザルに手を伸ばして剣を貸すように頼んだ。ヴィザルは頷いて剣を貸すとヨルズは構えた瞬間、リグリオンに一気に接近した。リグリオンは再び鋭い爪で剣を真っ二つにしようとしたがヨルズはそれを受け流し、剣の側面でリグリオンを殴った。
「切ってダメなら殴ればいいじゃない!」
「だったら剣でする必要なくない。」
「・・・確かに。」
「今気付いた!」
ヨルズとバルドがリグリオンと戦っている。その様子を見ていたネハンのところに大量のパペットフォルスと剣を拾ったヴィザルが向かってきた。
「フンッ。たかが小僧がこの俺に勝てると思っているのが腹立たしい。忘れてないだろうな?俺も魔人化していることによぉ!」
ネハンが叫ぶと全身が真っ黒になり体も大きくなった。そして、鬼のような角が生え腕が何倍も太くなっていた。
「あれは・・・EXレッド◯ング!」
「待ってヴィザル!それはまずい!」
魔人化したネハンは腕の一振でパペットフォルス達を吹っ飛ばした。そのまま腕を振り下ろすと地面に沿って衝撃波が走ってきた。ヴィザルはなんとか避けるがパペットフォルス達は次々と吹っ飛ばされ消えて行った。
「すばしっこいだけじゃあ俺には勝てんぞ!」
ネハンは衝撃波の他に口から火炎、魔法で作り出した鉄の槍でヴィザルを攻撃した。ヴィザルは槍を剣で弾き、火炎は風を巻き起こして防いだ。
「チッ。頭の回転は早いようだな。」
ネハンは舌打ちすると両腕から炎を出して纏い拳型の炎を殴るような動作で撃ち出した。ヴィザルは下がった後、周りにいたパペットフォルス達を前に出して炎を防いだ。
「え?ちょっとヴィザル!?」
「意外と容赦ないですよね。」
フォルスはツッコミながらもパペットフォルス達を召還し続けた。ヴィザルも下がって体勢を整えると再び剣を構え、ネハンと対峙した。
次回予告
急・展・開
「大したことないでしょ。」
「ひどい!」




