戦いは数だよ兄貴!
前回のあらすじ
俺も昔、わけわからん因縁付けられてたわ・・・
「作者の体験談とかどうでもいいんだけど。」
「ひどくね!?」
今、ヴィザルの前には魔薬で魔人となったリグリオンと目付きの悪い犬獣人が立ちはだかっていた。
「俺の名はアガルバ。さっきから目付きの悪い犬獣人扱いに苛立ってたんだよ。」
そう言って目付きの悪い・・・アガルバもみるみるうちに姿が変化した。全身の毛が鋭い針みたいになり顔も狂暴な狼みたいになった。
「さぁ、俺達 四天聖に勝てるかな?」
「もちろん、勝つつもりで行きますよ。」
「ヴィザル、気をつけなさい!」
「わかってます!」
ヴィザルはヨルズにそう言うと一気に二人の懐に詰め寄り剣を振り上げた。アガルバはジャンプしてかわしリグリオンは横に反れた後二人同時にヴィザルを攻撃した。ヴィザルはアガルバの咆哮とリグリオンの風の刃を避けると炎の刃を複数飛ばした。
「へぇ。魔法もそこそこできんだ。」
「でも、その程度なら問題無い。」
リグリオンは両腕から鋭い爪を伸ばし、アガルバは全身の毛を逆立てた。また、騒ぎを聞き付けた仲間も集まりヴィザルはさらに劣勢になってしまった。
一方、ネハンと対峙していたバルドは先手必勝と言わんばかりに距離を詰めて凪払った。ネハンはそれを下がって避けると黒い狼を召還してバルドを攻撃した。バルドは狼の攻撃を避けながら全部切り裂いて倒した。
「意外とすばしっこいな。」
「悪いけどさっさと終わらせるぞ。」
バルドが一気に詰めよろうとした瞬間、バルドの後ろから男が襲ってきた。バルドは男に気づいて避けると男はネハンの隣に並んだ。
「俺は四天聖の一人、サーマルだ。覚えておきな。」
「影が薄い能力か?」
「それ、ひどくない!?折角金髪にしたのに!?」
「ホントだ。」
「ネハン様!?」
サーマルが涙目でネハンにツッコミ入れているとバルドが二人に向かって走り出した。ネハンは右手の指から黒い鞭を作り出してバルドを攻撃した。
「悪いがここを見たからにはもう生かして返さん。」
ネハンはバルドを捕まえようとしていたがバルドは避けながら接近した。そこに全身に赤い紋様が表れたサーマルが殴ってきた。
「魔人化した俺の力、とくと味わうがいい!」
「魔人化も地味だな。」
「ひでぇ!」
バルドはサーマルの攻撃をジャンプして避け、頭に足かけてさらに高くジャンプした。
「俺を踏み台にしたぁ!」
バルドは高くジャンプするとそのままネハンに向かって剣を振り下ろした。ネハンは掌から黒い光弾を放って攻撃したがバルドは剣を振り下ろしたまま光弾を弾きながら迫った。
「もらった!」
「何をだ?」
バルドは剣を振り下ろした。しかし、ネハンはその剣を片手で受け止めた。そして、そのままバルドを投げ飛ばした。
「これでもだめか。」
「剣術の腕は確かなようだが世の中剣術だけじゃあ敵わない相手もいる。例えば魔人とかな。」
ネハンは再び黒い光弾を放って攻撃した。バルドはそれを避けると後ろから魔人化していたサーマルが複数に増えて襲ってきた。
「!」
「驚いたか?これが俺の魔人としての能力だ!さすがのお前も数の暴力には敵わんだろ!?」
増えたサーマルにバルドは苦戦させられてしまった。そこにネハンの攻撃も相まって徐々に押され始めた。
その時、何処からか地響きが聞こえてきた。ネハン達が辺りを警戒していると扉や窓、壁や屋根の空いた穴から大量のパペットフォルスが現れた。
「な、なんだこいつら!?」
「これってフォルスの・・・」
いきなり現れたパペットフォルス達は数に任せてネハン達を攻撃したり捕まっているヨルズ達の鎖を外したりしていた。
「応援にきましたよ、バルド兄さん。」
「フォルス!」
バルドがキョロキョロと見回していると入口からフォルスとフィルディオがひょっこり覗いていた。
「やっと来たか、愚弟。」
「愚弟って、折角助けに来たのに・・・」
「遅い!でも助かったぜ。」
「フフン。やっぱり数には数でしょ!行け、パペットパーティーレクイエム!」
無数に召還されたパペットフォルス達によって身動きがとれなくなっていたアガルバとサーマルはそれぞれヴィザルとバルドの攻撃を受けて倒された。
「ぐはっ!」
「がっ、はっ!」
「これであと二人!」
解放されたヨルズ達はヴィザルとバルドの後ろに回った。ヨルズは倒れているネハンの手下が持っていた剣を取り服を剥いで着替え他の服をジルフレイムとアテリナに渡してヴィザルとバルドの間に立った。
「サンキュー。さすが私の弟達。」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。さぁ、ここから反撃といきましょう!」
「はい!」
並んだヴィザル達は再びネハンと対峙した。
次回予告
いよいよ、魔神の街編も大詰め!
「頑張ってねー。」
「お前が一番頑張れ、作者!」




