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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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敵の話は普通聞かない

前回のあらすじ


とっとこ~、走るよフォルス君~。


「変な替え歌を止めてください。」

チーム2

現在、ヴィザルとバルドの二人は襲いかかってきた魔人達を片っ端から倒していた。


「あれから腕は上げているようだな、ヴィザル!」

「もちろんです!」


二人は背中合わせでお互いを庇いつつ目前の魔人を相手にしていた。二人は剣術の鍛練を怠ったことはなく、ただ突撃してけるだけの魔人に手こずることはなかった。


「全然手応えがないな!てめえら、ちょっとアクティブなゾンビかよ!?」

「アクティブなゾンビって何!?」


魔人を粗方片付けた二人は剣をしまうとその場から離れようとした。すると、いきなり上から何者かが殴りかかってきた。二人はとっさに避けるとそこには赤い肌の2本角の男がいた。


「鬼人か。」

「鬼人?」

「龍人やエルフと同じく昔からいたが今じゃ数が減っている種族だ。」

「ほぅ。意外と博識だな。そうだ。俺は鬼人、鮮血のヤジュラだ!」


バルドの説明が正解していたようでヤジュラと名乗った男はニヤリと笑い自己紹介した。そして、ヨルズが持っていた剣を二人に見せた。


「それって姉さんの。」

「その通り。ヨルズ・オルディダンテとその部下とアテリナ姫は俺達の手中にある。大人しくしていれば・・・」


ヤジュラが脅そうとした瞬間、ヴィザルが黙って斬りかかってきた。


「危ねぇ!いきなり何しやがる!?」

「え?だって敵じゃん。敵なら速攻で倒す。」

「待て!人の話を聞け!抵抗するとお前らの姉や王女の命が・・・」

「チェリオー!」

「だから、人の話を聞けえぇ!」


ヴィザルはヤジュラの話を無視したまま剣を振りまくっていた。ヤジュラは何回か避けた後、全身を鱗のようなもので覆いヴィザルの剣を受け止めた。


「!」

「親から習わなかったのか、人の話は最後まで聞けと。」

「習ったけどどこからどう見ても人じゃないよね?」

「屁理屈か!?」

「まさか、魔人。」


豹変したヤジュラを見たバルドは一瞬で察知した。ヤジュラの体は元から大きかったがさらに大きくなり全身が鱗で覆われ頭部の角も大きくなっていた。


「まさか、魔薬か?」

「そうだ。もう魔薬はここまで発展した。新たな魔薬は自分で自由に魔人に変身できるようになる。」

「じゃあさっきの魔人は?」

「あれは失敗作だ。」


そう言ってヤジュラは倒れている魔人を掴んで投げてきた。


「俺達はこれとは違う。完成された魔薬によって本物の魔人になったのだよ!」

「そこまで魔人になりたいのか?」

「あぁ、なりたいね。魔人は人間より遥かにフィジカル、魔力、全てが上にある。これさえあれば誰にも負けない。」


そう言って笑いながらヤジュラは角から雷を放って攻撃をした。二人は下がって避けるとヴィザルは炎魔法で反撃した。炎はヤジュラに命中したが効いていなかった。


「言っただろう。全て人間より上だと。その程度の魔法じゃ俺には効かねぇよ。」


ヤジュラは猛スピードで近づき硬くなった拳で殴ってきた。それをバルドが剣で受け止めた。そこに、ヴィザルが剣を投げた。剣はヤジュラの顔に当たったが一切傷がつかなかった。


「無駄だ!どんな攻撃も魔人となった俺には効かねぇ!」


ヤジュラは口から光線を放った。ヴィザルはされを避けてヤジュラの下に潜り込んだ。そして、ヤジュラの股間向けてアッパーをかました。


「!」

「ひ、ひでぇ・・・」


さすがに金的攻撃には耐えれなかったのか声にならない叫び声をあげたままヤジュラは前のめりに倒れ踞った。ヤジュラがなんとか顔を上げると剣を持ったヴィザルとバルドが立っていた。


「金的のところだけ同情する。けど姉さんのところは吐いてもらうぞ。」


それからしばらく金属音とヤジュラの悲鳴が響いていたのだった。

次回予告

ネハンのアジトに突撃!


「頑張って、バルド兄さん!」

「・・・」

「待って!黙って耳引っ張らないで!」

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