どの世界にも貧富の差はある
前回のあらすじ
フォルスはぼっち
「そんなこと・・・ないはず・・・」
「さすがヴィザルさんのお兄さん。」
チーム1
「本当にこの格好で大丈夫なの?」
ヨルズ達は地味な格好で潜入していた。ジルフレイムは心配そうに聞いたがヨルズは平気と答えてニルガーナの中を歩いている。
中は活気がなかった。体育座りで項垂れている男、栄養失調で動かない男、ボロボロの服を着て虚ろな目をしている女、中には廃墟で固まっている子供達もいた。
「ひどい・・・」
「これが現実。全ての国の人が幸せになれるわけじゃない。裕福な人もいれば貧困な人もいる。これが格差社会よ。どう、勉強になった?」
「・・・」
アテリナは初めて見る光景に言葉を失っていた。今までオリュンティア城から出たことない彼女はみんなが裕福な暮らしをしていると思っていた。そのため、今見ている状況に信じられずにいた。
「これが現実・・・私、何も知らないでいたんだ・・・」
「どうする?ここで引き返す?」
「・・・いえ、私は王女になります。王女になってこんな思いをする人達を減らしたい!」
「よし、その意気よ。」
ヨルズはアテリナの頭を触って励ました。そんな彼女達のやり取りを陰から見ている男がいた。
ニルガーナ中央、元ニルガーナ市長邸
そこには数人の男達がいた。リーダーらしき髭面の大男、眼鏡をかけた傷だらけの男、目付きの悪い犬獣人の男、赤い肌の2本角の男、そしてヨルズ達を見ていた男もいた。
「そいつは本当か?」
「あぁ、はっきり聞いた。王女だとな。」
「怪しくないか?ただの下見か、おふざけ観光か、もしくは俺達の計画がバレたのか・・・」
「最後のはあり得ないだろう。もしバレたなら王女なんてよこさず、普通に軍隊を向かわせるはず。」
「しかし、あの女の隣にはヨルズがいる。」
「ヨルズ・・・って誰だ?」
髭面の大男がそう言うと周りの男達はずっこけた。
「知らないのですか?ヨルズ・オルディダンテ。オルディダンテ公爵の娘で隣国シャイナでは有名な冒険者ですよ。」
「知らん。」
「ネハン様、とにかくその女共を捕らえましょう。」
「そうだな。方法は任せる。生かして捕らえろリグリオン。」
「了解しました。」
ネハンと呼ばれた髭面の大男はリグリオンという眼鏡をかけた傷だらけの男に指示した。
次回予告
ヨルズ活躍回
「俺の活躍は?」
「しばらく後です。」
「まじか・・・」




