ストーキングの動機なんて好きだからが多い
前回のあらすじ
じっちゃんの名にかけて!
「それ違う探偵漫画。」
サリア達が事務所にいる間
「なんか、アイドルのレッスンってきつくない?」
「きついですよ。」
サリア達はパニア達と一緒にアイドルのレッスンを受けていた。理由はサリアがアイドルの練習が簡単そうとほざいていたからである。
「サリアがふざけたこと言わなかったらこんなことにはならなかったのに!」
「悪かった。」
「はい、そこ!口を動かす暇があるなら体を動かしなさい!」
BPO47の一人に叱責されたサリア達はさらにキツい練習をさせられていた。その間、ウィザル達は事務所の周りを見回っていた。
「さすがに昼間だとストーカーも出ないか。」
「とりあえずは今夜待つしかないな。」
ヴィザル達はそう言って事務所の中に入って行った。その様子を全身真っ黒の人物が覗いていた。
その夜、一人の人影が事務所の入口の前に近づいてきた。すると、いきなり光が灯り、その人影を照らした。人影が腕で光を遮りながら見るとそこには赤い蝶ネクタイと青いジャケット、半ズボンに眼鏡をかけたサリアが立っていた。その後ろでウィザル達が冷たい視線をサリアに向けていた。
「やっぱりきたか、ストーカー!」
サリアが蝶ネクタイを持って指差しているとその人影は急いでその場を離れようとした。
「待て!逃がさないぞ!」
サリアが追いかけようとするとケンが後ろから足に雷を纏ってサリアを蹴った。
「ボールを相手のゴールにシュート!」
蹴られたサリアは勢い良く飛びながら人影の後頭部に命中した。
「超エキサイティング!」
「ケンさんもストレス貯まってますね。」
ケンを心配しながらウィザル達が気絶している人影を見ると全身真っ黒で何も着ていない女性だった。
「え?これって段々どんな人か分かるようになるやつじゃないの?」
「何言っているんですか?この全身真っ黒がハウニャ族の特徴ですよ。」
「これ完全に犯○さんじゃねぇか!完全に黒タイツの変態だぞ!」
「しかも、これって全裸ってことよね?どういう民族なのよ?」
気絶しているハウニャ族の女性にツッコミ入れた後、彼女を縛って尋問する準備を進めていた。ちなみに、同じように気絶しているサリアはほっといたままだった。
「う、う~ん。」
しばらくして彼女が目を覚ますと自分が縛られていることに気付いた。そして、目の前にはマネージャーやウィザル達がいることにも気付いた。
「え、え!?」
「やっと起きたか。警察に引き渡す前に何故ストーカーしたのか言ってもらうぞ。」
「ま、待ってください!ストーカーは私じゃないです!」
「そんなもの、誰が信じるか。」
サリアが女性を睨んでいるとヴァンガスが何か思い出したかのように喋り始めた。
「なぁ、確か監視カメラに写ってたのって体格は男だったよな?」
「え?」
「そう、そうです!」
サリア達が再び監視カメラの映像を見ると確かに写っていたのはどう見ても男だった。
「ほらっ、私じゃないでしょ!?」
「じゃあ何?ストーカーは二人いたのか?」
「なんでそうなってしまうんですか!?」
「じゃああんたは誰?」
「私はハウニャ族のフェレネって言います。そこに写っているのは私の兄のガラマハです。」
「犯人判明したー!ってかあんたの兄かい!」
フェレネがあっさり白状(?)したことでストーカーは彼女の兄であるガラマハってハウニャ族の男と言うことがわかった。
「それで何故ストーカーをしているんだ?開発とかで土地を奪われたならアイドルをストーキングする必要はないはずだが?」
「はい。兄はBPO47というアイドルグループのパニアって女の子のファンになって近づきたいと思ったみたいです。」
ガラマハの動機を知った瞬間、一同はずっこけた。動機が普通のストーカーにある動機だからだったからだ。
「普通のストーカーじゃねぇか!」
「開拓とか関係なかった!」
「と言うかその開発とかはいいのか!?」
「えぇ、最初はみんな反対していたんですが今となってはその恩恵にあずかっています。」
「もう開拓問題解決してんのかい!」
さっきまで開発やらその反対運動やら考えていたサリア達は拍子抜けしていた。その後、縄を解いてもらったフェレネはガラマハのことをサリア達に話し始めた。
要約するとガラマハは長老の息子で島の開発によって自分達の生活が脅かされると反対していたが国が最低限の生活の保障と充実した設備などの提供によって長老達が渋々納得した。その中の一つにテレビがありガラマハはそこに写っているパニアに一目惚れしたということだった。
「・・・よくいる変態ストーカーじゃん。」
「本当にただのストーカーだ。」
「それでその変態迷惑ストーカーの妹はこれからどうするんだ?」
「名前で呼んでください。不名誉過ぎます。」
「それでどうするつもりだ?」
ケンが聞くとフェレネは一回頷くとハッキリと答えた。
「兄の暴走を止めたい!これ以上皆さんに迷惑をかけるわけにはいきません!」
「よく言った!」
フェレネが答えるサリアが彼女の肩を叩いた。
「ならば、みんなで兄の暴走を止めよう!」
「はい!」
サリアの声にフェレネやエウリア達が賛同する中、パニアは心配そうに見ていた。
「大丈夫でしょうか?」
「大丈夫ですよ。ああ見えてサリアさん達は結構頼りになりますから。それに僕も全力でパニアさんを守りますから。」
パニアの隣でヴィザルがそう言うと彼女は少し頬を染めてニコリと笑った。ヴィザルは彼女の笑顔にドキッとしていた。
「ありがとうございます。」
「は、はい!」
こうして、ガラマハを止めるためにサリア達は動き出すのであった。
次回予告
この話が3話続くとは思わなかった。
「作者ってたまに無計画な時ありますよね?」




