説明口調は読者のため
前回のあらすじ
サリアの夢は儚く消えました。
「まだだ!まだ、消えてないはず!」
「諦めてください。消えてないのは借金です。」
「ぐはぁっ!」
サリア達が帰路についていた頃、オリュンティア城 魔聖七天王会議室
「今回の一件でイビルオーガは解体。クランマスターのゲストル・オブクズは逮捕。いい結果になった。」
魔聖七天王の一人であるフレアガルド・オールドランドが報告していた。
「とりあえず、約束通り俺はアイアンガイアをマスターズに推薦する。」
「俺は反対だ。」
そこに一人の男がフレアガルドに反対した。反対したのは同じ魔聖七天王のメンバーであるガッチェス・ドクラマルチスである。
「お前達もわかってるだろう。あのクランは問題ばかり起こしている迷惑クランだ。アイアンガイアも今すぐイビルオーガを同じく解体するべきだ!」
「しかし、今回のように活躍しているクランじゃ。解体するのはしのびない。」
次に口を開けたのはミョルニオス・サンダーマン。毎年行っているマスターズ推薦で唯一、アイアンガイアを推薦してくれる優しいおじいちゃん。
「ミョルニオスじいさんは人が善すぎる。アイアンガイアも犯罪者の集まりだ。お前達もそう思うだろう。」
「そうね。でも、可愛いじゃない。」
「は!?」
ガッチェスの意見に反対したのはアルトディーナ・スワンシェリー。魔聖七天王の紅一点で露出度の高い服に妖艶な身体に豊満な胸ととにかくエロい。
「可愛いだけじゃ反対する理由にならねぇだろ?」
「でも、イビルオーガのような重罪は犯してないんだから大丈夫よ。」
「だったら、バルウェイン卿はどう思います!?」
ガッチェスはある男に質問した。その男は魔聖七天王の中で一番権力を持つオリュンティア公国護衛騎士団団長兼 魔聖七天王最高統治責任者、バルウェイン・フーリオンだ。
「確かにアイアンガイアは問題をよく起こしている。しかし、どれも今回のように解体するほどのモノではない。それに、ケン・アレスザードがいる。一線を越えることはないだろう。」
「な・・・」
バルウェインの発言でガッチェスは言葉を失った。
「それより、今回のマスターズ推薦を始める。」
「やっとか。」
バルウェインのマスターズ推薦の話になって言葉を発したのはロキエル・ヘラマダイト。紫色の髪につり目のヤンキーみたいな男である。
「誰がヤンキーだ。」
すみません。
「とにかく、今回もさっさと終わらせようぜ。」
「そうだな。起きろ、ネフティウス。」
「ん。ふわぁ~。」
そして、バルウェインに起こされあくびをしたのが魔聖七天王最後の一人、ネフティウス・エリオンズ。若干10歳で魔聖七天王に選ばれた才覚ある少年だ。
「何?やっと始めるの?」
「そうだ。」
「じゃあ、いつも通り俺が進行するわ。」
そう言ってフレアガルドが立ち上がった。
「まずは、レジェンドドラゴン。マスターはインドライガ・ペンドラグーン。現在の構成人数は116人。去年のクエストクリア数は573件。オリュンティア公国で一番の規模とクエストクリア数を誇っています。」
「全く問題ない。」
魔聖七天王は全員、手を挙げ賛成した。
「次にオールドマギア。マスターはバースロット・ヨルムガンド。現在の構成人数は87人。去年のクエストクリア数は409件。80年以上続く最も古い歴史のあるクランです。」
また、全員が手を挙げ賛成した。
「次はシルバーホーク。マスターはトールバスター・スティンガー。現在の構成人数は30人。去年のクエストクリア数は298件。主にマジックガーディアンとの連係による凶悪事件の捜査などを担当しています。」
また、全員賛成した。
「次はエンジェルフォース。マスターはアルティネ・セレミス。現在の構成人数は55人。去年のクエストクリア数は333件。女性のみで構成されたクランでみんな可愛いです。」
「フレアガルド、お前の感想が入ってる。」
バルウェインがツッコミを入れたが全員賛成した。
「次はワイルドビースト。マスターはギルガ・フェンリオン。現在の構成人数は61人。去年のクエストクリア数は438件。獣人のみで構成されたクランで危険度の高いクエストやモンスター討伐などどんなクエストでも受けるクランです。」
これにも全員賛成した。
それからいくつかのクランの説明が行われた。
しばらくして
「結局、確定したのは最初の5つだけか。」
「いつも通りだな。」
「では、2回目のマスターズ推薦は後日ということで。」
「異議無し。」
こうして、今年最初のマスターズ推薦会議は終わった。
「・・・絶対、アイアンガイアは潰す。」
次回予告
・・・特に無し
「嘘でしょ!」