お偉いさんは夜遊びが好き
前回のあらすじ
久しぶりのモミモミパブクラブでテンション爆上がりです。
「そんなに好きだったっけ?」
今、モミモミパブクラブは静寂に包まれた。
コスプレしたヴィザル達の前にはアテリナとジルフレイムがいるのだ。
(なんでよりにもよってお姫様なの!?)
(何?あの姫、こんな趣味あったの!?)
サリア達が戸惑っている中、アテリナがキラキラした目で店内を見渡した。
「ここが喫茶店。」
「違いますよ。」
アテリナの発言にサリアが真っ先に訂正した。サリア達はそのままアテリナの後ろにいるジルフレイムをアテリナから離した後、耳打ちで聞いた。
「おい、何姫様をこんないかがわしい店に連れてきてんだ変態。」
「私だってこんな店だと思わなかったのよ!アテリナがお忍びでキャバクラに行きたいっていいだしたのよ!」
「あの子何歳!?なんでキャバクラ行きたいって言ってんの!?」
「どうやらミョルニオスさんの話に興味持ったみたいなの。」
「おい、あのジジイ!」
呆れるジルフレイム。ミョルニオスをジジイ呼ばわりするヴァンガス。若干引いているサリア達。
ジルフレイムはそのまま話を続けた。
「それでアテリナ様がキャバクラ行きたいってだだごねだして仕方なく安全そうな店を選んだのよ。」
「この店のどこが安全なんだ?」
「男しか働いてないと聞いたからマシと思ったのよ。」
「そもそもなんで喫茶店?」
「11歳の女の子にキャバクラの説明が出来ると思う?」
サリア達がジルフレイムの説明を聞いているとアテリナが席についてはしゃいでいた。アテリナを案内したボピーは飲み物の準備のためにその場から去って行った。
「みんな、こっちこっち!」
「仕方ない。こうなったらなんとかあのお姫様にはここがヤバい店だとバレないようにしないと。」
「ヤバい店って言わないでください。」
サリア達がアテリナの周りに座るとアテリナはハイテンションではしゃぎ始めた。
「アイアンガイアのみんながいるしここはなんかゲームがしたい!」
「ゲーム?ゲームってどんなゲーム?」
「なんでもいいよ!」
「なんでもって言われてもなぁ。」
「じゃあ、王様ゲームなんてどうですか?」
アテリナの要求にサリア達が悩んでいると何処からか現れたフィルディオが提案してきた。
「いつの間に!」
「ねぇ、王様ゲームって何?」
「王様ゲームってのは日本という異世界の国で流行っているらしいゲームでルールは人数分のくじを引いて王様と書かれたくじを当てた人が番号を用いて様々な命令を指示するって感じです。」
「へぇ、面白そう。」
アテリナがキラキラした目でやりたいと言ったためサリア達は王様ゲームをすることになった。ちなみに、フィルディオはくじを持つ係になった。
「「王様だーれだ!」」
「私ね。」
最初に王様になったのはカリスティだった。カリスティは王様のくじを持って立つと邪悪な笑みをこぼした。
「そうねぇ。5番は下着姿になってくれないかしら?」
「!」
カリスティの命令に一同はこのゲームの本質を知った。そう、王様ゲームとは堂々とセクハラができるゲームなのだ。
「まずいぞ。このゲーム、下手したら姫様に危害が及ぶぞ。」
「なんとか姫様を王様にして無難にいくしかない。」
サリア達がひそひそ話しながらアテリナを見ると下着姿で恥ずかしがっているアテリナがいた。
(((姫様かよぉ~!)))
「なんで一番に姫様に当たるの!?」
「まずいぞ。ジルフレイムがものすごい顔でこっち見てる。次下手したら全員打ち首だぞ。」
ヴィザル達がひそひそ話をしているとフィルディオがくじを回収していた。
「次行きますよ~。」
(こうなったら姫様を王様にさせるか王様になって姫様に有利な命令を出すかだ。)
「「王様だーれだ!」」
「よっしゃあ!俺だ!」
話に参加せず、空気の読めないヴァンガスが王様のくじを持って高らかに宣言した。それを見たウィザル達は手を合わせて祈った。
「頼むぞ。」
「せめてマシな命令をしろよ。」
「8番は俺と服を交換しろ!」
「何考えてんだ!」
ヴァンガスの命令にヴィザル達がツッコミを入れた。そのままヴィザル達は輪になって再び会議を始めた。
「あのバカはもう駄目だ。ここはなんとか俺達で挽回するぞ。」
「わかってます。ところで8番って誰ですか?」
「え?」
ヴィザル達がおそるおそる振り向くとブカブカの全身タイツを着て赤面しているアテリナと彼女の下着を持って絶望しながら立っているヴァンガスがいた。
(((姫様かよぉ~!)))
「なんでまた姫様!」
「ヤバいよ。ジルが鬼の形相になってる。」
エウリアが指差すとそこには般若のように睨むジルフレイムがいた。彼女に睨まれたヴィザル達はゆっくりと顔を背けた。
「・・・」
「あ、これ死刑かな?」
「まだ諦めるな!」
「次行きますよ~。」
「ちょっと待て!」
ケンの制止も空しくフィルディオは王様ゲームを進めた。フィルディオがくじを出すとヴァンガス達に取られないようにウィザル達が真っ先に飛び出た。
「もうやけだ!」
「「王様だーれだ!」」
「あら、私だわ。」
次に王様のくじを引いたのはエレンだった。エレンはアテリナをチラッと見ると衣装を乗せた台車を持って来ていつの間にか置いてあるコートを手にした。
「それじゃあ、10番はこのコートを着る。」
「エレンさ~ん!」
「さすが接客業No.2!」
「っていうかあのコートはどこにあった?」
ヴィザル達が喜んでいると10番のくじを持ったジルフレイムがコートを着ていた。それを見たみんなは黙ってしまった。
「・・・」
「なんでだよ!」
「ここは姫様だろ!?」
「ごめんなさい!」
「見ろ、ジルフレイムが複雑な顔してるぞ。」
ジルフレイムは頭を下げ気まずそうにアテリナをチラッと見ていた。その間にフィルディオはくじを回収し次のゲームの準備をした。
「次行きま~す!」
「「王様だーれだ!」」
「よっしゃあ!私ぃ!」
王様のくじを持っていたのはジルフレイムだった。ジルフレイムはサリアが持っているくじをチラッと見ると指で隠れているが数字の一部が見えていた。
(あの数字は多分3ね。)
「3番は服を姫様へ献上しなさい!」
「ちょっと待て!姫様にってありか?」
「ありよ!さぁ、サリア!その服を姫様に献上しなさい!」
「え?なんで私?」
「何言ってんのよ。あんた3番でしょ!?」
「いや、私8番なんだけど。」
そう言ってサリアは8番のくじを見せた。
「・・・しまったぁ!」
「おい、何警察が他人のくじをカンニングしてんだ!?」
「うるさい!こうなったら誰でもいいわ!3番は姫様に服を献上しなさい!」
ジルフレイムがそう叫ぶとアテリナが涙目で3番のくじをジルフレイムに見せた。それを見たジルフレイムはすぐさまコートを脱いで土下座した。
「・・・」
「・・・」
(((姫様かよぉ~!)))
「この場合どうすんだ?」
「現状維持で。」
ヴィザル達が二人を見ているとフィルディオがくじを回収して準備していた。なんとかしないといけない状況で焦っているウィザル達を見てフィルディオが提案した。
「じゃあ、これを最後にしましょうか?」
「賛成!」
「それじゃあ、行くぞ!」
「「王様だーれだ!」」
ヴィザル達が気合いを入れてくじを低くと遂にアテリナが王様のくじを引いたのだ。
「おぉ!」
「さすが姫様!」
「さぁ、王様。ご命令を!」
サリア達がノリノリで言っているとアテリナは衣装が乗っている台車のところに行くと何故かホイップクリームを持ち出した。
「王様、いや姫様命令よ。1番から12番は衣装をこれにしなさい。」
「・・・」
十数分後
「ごめんなさいね。コーヒーやジュースと一緒にケーキの用意していたら遅れちゃったわ。」
コーヒーなどを乗せた台車を押してボピーがやって来るとドヤ顔のアテリナと全裸+ホイップクリームで乳首や局部を隠しているヴィザル達とそれを撮っているフィルディオがいた。
「あら、何があったの?」
「・・・聞かないでください。」
その日からしばらくサリア達は王様ゲームを禁止した。
次回予告
一応推理系をやります。
「大丈夫か?」




