12年越しの再会
前回のあらすじ
ピグノボグが意外と強かった。
「あれ本当に某漫画のヒャッハー枠よ。」
「その例えは止めてください。」
「ヒャッハー枠ってなんだ?」
王室に向かう途中
「なんで俺を投げ飛ばした?」
「あなたが知る必要はないわ。」
窓ガラスの破片が刺さったままのヴァンガスとフェニシア三姉妹を連れてカリスティが走っていた。
「あそこが王室です。」
「なんだ?もう開いてるじゃねぇか。」
「サリアがいるわ。」
「リグラフさんもいました!」
「じゃああなた達三人が行きなさい。」
「?」
カリスティがそう言うのでメディッサが不思議そうに聞いてきた。
「どういう意味ですか?」
「どうやら邪魔者がたくさん来そうだから私とKYはここで足止めするわ。」
「おい、KYってなんだ!?」
カリスティが振り向くと後ろから兵士達がわんさかとやってきた。カリスティはヴァンガスを止めると二人で向かってくる兵士達を相手取った。
メディッサが心配そうに見ているとエウリアがメディッサの肩を叩いた。
「安心しなさい。あぁ見えて結構強いんだから。」
「う、うん。」
そう返事するとメディッサはエウリアと一緒にステリナの後を追って王室に入っていった。
そして、今に至る。
「これはこれは。皆さんお揃いで。」
ピグノボグがニッコリと笑いながらステリナ達に話しかける。
「ピグノボグ様、本当のことを教えてください。」
「ん?何かね?」
「お父様を殺害したのはピグノボグ様ですか?」
「なんと!そのようなことを一体誰が?」
「妹達です。」
ステリナは後ろにいるエウリアとメディッサの方をチラッと見て答えた。ピグノボグはそれを知るとニッコリと笑ったまま話をした。
「なんとお労しいことでしょう。ステリナ様はそのような世迷い言に唆されてしまったのですね。」
「ふざけるな!さっき貴様は白状しただろ!自分が殺したとな!」
「おや?そのような証拠がどこに?」
「何!?」
リグラフが叫んだがピグノボグは慌てることなく白々しい態度をとっていた。
「さぁ、ステリナ様。お考えください。今まで大切に育ててきた私と今会ったばかりの国家転覆を目論むテロリスト、どちらの言い分を信じますか?」
「そ、それは・・・」
ピグノボグはニッコリとしたままステリナに選択を迫ってきた。ステリナは両手に持っている剣をどちらに向けるべきか分からずにいた。
その様子を見たピグノボグはそのままステリナに指示を出した。
「さぁ、ステリナ様。憎き犯罪者をその手で葬り父上の仇を討つのです!」
「・・・」
「待ってお姉ちゃん!」
ステリナはピグノボグの言う通りに剣をサリア達に向けようとした。メディッサ達が止めようとするがステリナは剣をサリア達に向けた。
それを見たピグノボグは勝ちを確信し笑っていた。
その時、どこからか声が聞こえてきた。
「私が異国から持ち込んだ猛毒をホルキュに少しずつ摂取させて衰弱死させた。」
「!」
それを聞いたステリナはピグノボグの方を向いた。ピグノボグは何のことか分からずに周りを見ているとサリアが右手に何かを持っていた。
「な、なんだそれは!?」
「ん?ボイスレコーダー。」
「なんだと!?」
「ピグノボグ様、今のはあなたの声ですよね?」
「そ、それは・・・」
ステリナに睨まれたピグノボグは慌ててサリアが持っているボイスレコーダーを破壊しようと魔法を放ったがサリアはあっさりとそれを防いだ。
「だから言ったじゃん。三流犯罪者って。そんな簡単にペラペラ喋るものじゃないよ。今時、何が証拠になるか分からないからねぇ。」
「き、貴様!」
「さぁて、ステリナちゃんだっけ?どっちの言葉を信じるだ?」
サリアがそう聞くとステリナは迷わずに剣をピグノボグに向けた。
「もちろん、今まで大切に育ててきたピグノボグです。」
「す、ステリナァ!」
ピグノボグがサリア達に向かって再び魔法で攻撃しようとした瞬間、後ろから声が聞こえた。
「・・・それは本当ですか?」
「!」
ピグノボグが振り向くとそこには玉座に座っていたケトリアが涙を流しながらピグノボグを睨んで聞いていた。
(ば、馬鹿な!何故動いている!ま、まさかジクサルが殺られたというのか!?)
「あれぇ、どうしたの?さっきまでの余裕はどこいった?」
サリアがここぞとばかりにピグノボグを煽り始めた。ピグノボグがサリアを攻撃しようと振り向くとそこにはエウリアが放った火球と剣を構えて向かってくるステリナがいた。
「お父様の仇!」
「ま、待て!いい条件が━━━」
ピグノボグが何かを言い終える前に二人の攻撃がピグノボグをぶっ飛ばした。ピグノボグはそのまま落下し気絶した。
「もしかして、ステリナ、エウリア!?」
「お母様!」
「メディッサも!」
二人を見たケトリアは涙を流したまま玉座から倒れた。それでも、二人に近寄ろうとした。それを見たステリナとエウリアは素早くケトリアを支えた。そこにメディッサも加わり三人でケトリアを抱え上げた。
「夢みたい!また、家族と会えるなんて。」
「お母様。」
「初めてちゃんとお母さんに会えた。」
「ママ!」
三人とも涙を流しながらケトリアに抱き付いた。サリアとリグラフはその様子を静かに見ていた。
「おっしゃあ!ほとんど片付けたぜ!」
するとそこにヴァンガスが現れた。
「あん?なんだよ。もう終わってんのか。折角俺が入ってやろうと━━━」
泣いているエウリア達のところに行こうとしたヴァンガスをサリアは窓の外に投げ飛ばした。
次回予告
フェニシア革命編完結
「・・・の予定。」
「しっかりしろ、作者!」




