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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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姉妹百合に男は不要

前回のあらすじ

やっぱりバイオ◯ザードっぽい。


「止めなさい。」

現在、メディッサはカリスティと二人でケトリアがいると思われる王の間に向かっていた。


「えっと、ここを真っ直ぐであってるのよね?」

「はい。確かにこの先です。」


二人が走っていると窓から一人の少女が急襲してきた。カリスティはバリアを張って防いだが二人は後ろにある部屋にぶっ飛ばされてしまった。


「いきなり大層なご挨拶ね。」


カリスティは立ち上がってその少女を見ると驚愕した。その少女はエウリアやメディッサと瓜二つだったのだ。


「ねぇ、もしかしてあなたがステリナちゃん?」

「気安くちゃん付けするな。」


そう。彼女がエウリアとメディッサの姉であるステリナ・フェニシアなのだ。ステリナは両手に細長い剣を構えるとカリスティに向かって走り出した。


「あら、長女は結構積極的ね。」

「黙れ!」

「私はカリスティ。仲良くしたいわね。」

「私には必要ない!」


ステリナは両手の剣でカリスティを攻撃したがカリスティは防御魔法を上手く使って剣を防いでいた。

すると、カリスティの後ろにまた少女が現れた。その少女は紛れもなくエウリアだった。しかし、彼女の目には光がなく虚ろになっていた。


「お、お姉ちゃん!」

「あら、エウリアちゃん。もしかして洗脳されてるかしら?」


メディッサはエウリアに駆け寄ろうとするとエウリアは炎魔法でメディッサを攻撃した。カリスティはとっさにメディッサの前にバリアを張ったために魔法はメディッサには当たらなかった。


「余所見をするな!」


しかし、その隙をつかれてステリナはカリスティに向かって剣を振り下ろした。カリスティはなんとか下がって避けたが彼女の服が縦に裂かれてしまった。


「あら、そんなに私の裸が見たいのかなぁ?」

「ふざけるな!」

「お姉ちゃん!私だよ、メディッサだよ!」


メディッサが必死に語りかけるがエウリアは反応せず魔法攻撃を続けた。カリスティはステリナの攻撃を避けながらメディッサの隣に立った。ステリナもエウリアの隣に立った。


「いいの?折角出会えた妹さんがそんな姿になっているのよ。」

「国に仇なす逆賊を成敗するためだ。」

「違うよ、お姉ちゃん!私達は━━━」


メディッサが弁明しようとするとカリスティが止めた。


「ここまで教育されたら普通の説得じゃ無理よ。なら、まずはエウリアの洗脳を解くことから始めましょう。」


そう言ってカリスティは周りに魔法の球を生成すると二人に向かって放った。ステリナとエウリアは球を弾いたり防いだりしていた。その間にカリスティはメディッサを下げらせた後、彼女の周りにバリアを張った。


「なんだ?一人で私達を相手にするつもりか?」

「えぇ、あなたなら大丈夫みたいだから。」

「嘗めるな!」


ステリナは突っ込み、エウリアは魔法で攻撃してきた。しかし、カリスティはエウリアの魔法を自分の魔法で相殺しながらステリナの攻撃を避けている。


「な、何故当たらない!?」

「誰がエウリアに魔法を教えたと思っているの?」

「まさか!?」

「そう、ケンよ!」

「お前じゃないんかい!」


カリスティの発言にステリナはずっこけながらツッコミを入れた。カリスティは不満そうに話を続けた。


「私だって魔法を教えたわ。でもエウリアは一向に使ってくれないのよ。折角、服が透けて見える魔法とか服を透明化させる魔法とか教えてあげたのに。」

「そんな卑猥魔法、誰が使うかぁ!」

「私よ。」

「やっぱりお前かよ!」

「実際に今使ってるわ。」

「え?」

「今も服が透けて見える魔法であなたを見ているわ。胸に可愛いホクロがいるじゃない。」

「!」


カリスティのセクハラ発言にステリナは顔を真っ赤に赤らめて剣を手放して座り込んだ。その隙にカリスティはエウリアに接近した。そして、攻撃しようとするエウリアをハグした。


「・・・!」

「強い衝撃で解けるみたいだけどエウリアには可哀想だからこれで解けてくれるといいんだけど。」


エウリアはカリスティの胸の中で暴れていたがしばらくすると動きが止まった。カリスティが離してみると眠ったエウリアが少しずつ目を開けた。


「カ、カリスティ。」

「おはよう、エウリア。」

「・・・何企んでんだー!」


目を開けたエウリアは自分がカリスティに抱かれていることに気付き、彼女にアッパーをかました。勢いよくぶっ飛んだカリスティはメディッサの前に倒れた。


「カリスティさーん!」

「危うくR18になるところだったわね。」

「何なのだ、お前達は。」


ステリナが聞くがエウリアはそのまま答えずにカリスティの顔を踏んづけた。


「何企んでるの?」

「お姉ちゃん!カリスティさんはお姉ちゃんの洗脳を解こうとしただけです!」

「他に方法なかったの?」

「あ、お姉ちゃん!これ、受け取って!」


メディッサが杖を投げるとエウリアは受け取り杖をステリナに向けた。


「そういえば私達が何か聞いてたわね。私達はアイアンガイア。ある国で一番強くて問題だらけのクランよ!」

「お姉ちゃん、最後いらないと思う。」


エウリアがそう答えるとステリナは再び剣を持ってエウリアに突撃した。


「負けてたまるかぁ!」

「悪いわね。私、超天才なの。」


エウリアがそう言った瞬間、ステリナの周りから光の刃が現れて、彼女を切り倒した。


「な、なんだ?」


倒れるステリナにエウリアとメディッサが近づいた。そして、二人は同時にステリナに抱き付いた。


「!」

「初めてお姉ちゃんに会えた!」

「やっぱり家族が欲しかった。」

「お前達。」


起き上がったカリスティが見てみると三人は抱きしめたまま涙を流していた。カリスティもその様子を見ていると後ろの扉を破壊してヴァンガスが現れた。


「敵どこだー!ってエウリアとその妹じゃねぇか!なんだ、何やって━━━」


ヴァンガスが三人に近づこうとした瞬間、カリスティはヴァンガスを窓の外に投げ飛ばした。

次回予告

やっとサリアの出番。


「本当に長かった。」

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