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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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洗脳する敵は厄介

前回のあらすじ

バイオ◯ザードがやりたい!


「勝手にやって、勝手に殺られてください。」

サリア達と別れたヴィザルとマキナは城の中を走っていた。


「本当にこの先にエウリアさんがいるの?」

「・・・はい。動きがなければこの先です。」


二人がその部屋に入るとそこにはジクサルが座っていた。ジクサルは二人を見ると静かに笑いながら立ち上がった。


「やはりゴルゴナの娘を取り戻しに来たか。」

「ゴルゴナ?」

「あの女の今の呼び方だ。この国の昔話に出てくる哀れな女のことだ。」


ジクサルはそう言うと円状のカッターを取り出して構えた。ヴィザルとマキナもそれに合わせて構えた。


「これはチャクラム。暗器の一つ。俺は暗器使い。」

「・・・行きましょう、マスター。」

「うん。この人はなんとしても倒さないと。」


しばらく沈黙が続く中、先に仕掛けたのはマキナだった。マキナは両手からレーザーを放って攻撃した。ジクサルはそれを避け、チャクラムを投げて攻撃した。ヴィザルはその隙をついて走り出し、剣を振り上げた。


「甘い。」


ジクサルはそう言って煙幕を張った。ヴィザルは剣で払いながら下がった。そこにジクサルが腕を伸ばして首を掴もうとした。ヴィザルは腕を蹴り上げて回避した。


「やっぱり一筋縄じゃいかないや。」


ヴィザルは距離を取って再び剣を構えた。マキナも再びレーザーを放とうとした瞬間、体が動かなくなったのだ。


「・・・糸。」

「ご名答。」


そう、マキナの体には極細の糸が絡みついていたのだ。ジクサルは動けなくなったマキナに向かってチャクラムを投げた。


「危ない!」


ヴィザルはとっさにマキナのところへと駆け寄る。そこにジクサルは煙玉を投げて煙幕を張った。ヴィザルはなんとかチャクラムを弾き、糸を切った。その時、煙の中から腕が伸び、ヴィザルの首を掴んだ。


「しまった!」

「さぁ、お前も我が人形になれ。」


ジクサルはヴィザルの目を見ながらマキナに向かってチャクラムを投げてきた。マキナはそれを避けレーザーを放った。ジクサルはヴィザルから離れたがヴィザルの様子がおかしい。彼の目には光がなく虚ろになっていたのだ。


「・・・マスター。」

「さぁ、殺せ。」


ジクサルがそう命令した瞬間にヴィザルはマキナに向かって剣を振り下ろして攻撃してきた。


「・・・洗脳を解くには強い衝撃が必要。」

「それをさせると思うか?」


マキナはなんとかヴィザルの洗脳を解こうとするとジクサルがナイフを投げてきた。マキナはそれを避けるとヴィザルが剣を突き刺そうとしてきた。


「・・・」

「諦めろ。」


ヴィザルの後ろからジクサルが援護しながらマキナを追い詰めていく。するとマキナはミサイルを生成した。


「まさか、俺ごと仲間を殺す気か?」


ジクサルが下がるとマキナはミサイルを発射した。そのミサイルはヴィザルの目の前までくるとヴィザルは剣で切り払った。その瞬間、ミサイルから煙が発生した。


「我と同じ戦法か。」


ジクサルはすぐに風魔法で煙幕を払うとマキナは電撃を放ってヴィザルを気絶させていた。


「・・・すみません、マスター。」

「なかなか厄介なれば。」


気絶して倒れるヴィザルをマキナが抱えているとジクサルが指を鳴らした。その瞬間、部屋に大勢の人達が入ってきた。全員、目が光っておらずジクサルに洗脳されていた。


「殺れ。」


ジクサルが命令した瞬間、洗脳された人達が一斉にマキナに襲いかかってきた。マキナは電撃でなんとか気絶させたりしているがその隙をつかれて、腕にナイフを受けた。


「貴様、元から人形か?」


マキナの腕を見たジクサルが聞いた。マキナの腕からは血ではなく配線が見えたのだった。


「・・・はい。私はアンドロイド、ゼウス・エクス・マキナ。」

「そうか。なら洗脳は効かんな。」


そう言ってジクサルは右手にチャクラム、左手にライフルを持ってマキナに向かってきた。マキナも対抗しようとするが洗脳された人達が邪魔で上手く動けない。そこに、ジクサルがチャクラムを投げて攻撃した。チャクラムはマキナの頬を掠り、近くにいた人達を切り裂いた。


「・・・非道。」

「それがどうした?我は元暗殺クランのメンバー。人の命など簡単に消せる。」

「・・・私は人ではありません。命が分かりません。しかし、マスターが大切にしているモノを私は大切にしたいです。」


マキナはジクサルを睨みながら電撃を放った。ジクサルは人を盾にして防いだ後、煙幕を張った。マキナは煙幕を払うとジクサルは消えていた。


「・・・サーモグラフィモード、オン。」


マキナが周りを見ながら探していると倒れている一人に向かってレーザーを放った。するとその人は瞬時に避けジクサルに戻った。


「何故、バレた。」

「・・・体温の上昇を確認。あなただけ高いと判断。」

「温度を見たと?」


ジクサルはチャクラムを投げた後、ライフル射撃を行ったがマキナはバリアを張って全て防いだ。


「何!?」

「・・・そろそろ起きてください、マスター。」

「!」


ジクサルがとっさに周りを見るもヴィザルは見当たらない。すると、ジクサルの後ろで倒れている人達の下からヴィザルが現れた。


「!」

「ありがとう、マキナ。」


ヴィザルはすく様、ジクサルに詰め寄りライフルを蹴って破壊した。ジクサルもすぐにチャクラムで攻撃するがマキナがレーザーでチャクラムを破壊した。


「・・・お帰りなさい、マスター。」

「ただいま、マキナ。」


二人はジクサルを睨み付けたまま走り出した。ジクサルを糸を出して二人を捕まえようとしたがマキナが電撃で焼き尽くした。


「行くよ、マキナ!」

「・・・了解、マスター!」


二人は足に雷を纏うとそのまま雷でジクサルを貫いた。


「・・・「《雷神王之槍(ケラウノス)》!」」


二人の合体技は見事ジクサルに大ダメージを与えた。


「まだだ。我がやられるわけには━━━」


ジクサルはすぐに振り向くと二人は再び同じ技を繰り出そうとしていた。


「2連撃、だと!」

「人の命を━━━」

「・・・好き勝手にはさせないです!」


二人は再び雷神王之槍(ケラウノス)をジクサルに命中させた。そして、ジクサルは口から煙を吐きながら倒れた。


「・・・やりました、マスター。」


二人はハイタッチを交わして部屋を出て行った。


この勝利が後に運命を大きく変えることになる。

次回予告

またまたエレキナ達の出番です。


「これ、順番逆じゃない?」

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