勝手に利用されたら誰だって怒る、俺だって怒る
前回のあらすじ
初めてアイアンガイアの皆を尊敬しました。
「初めてかよ!」
「って言うかこれ、ヴィザルの感想じゃん。」
イビルオーガのメンバーと魔獣を全員倒したサリア達はゲストルに近づいた。
「くそっ!ただのくそ雑魚弱小クランのくせに!」
「ちょっと、くそ雑魚がプラスされてるんだけど。」
エレキナがツッコミをしながらゲストルに魔法攻撃をしようとしていた。
「初めて皆さんを尊敬の眼差しで見ましたよ。」
「だろ。」
「あら、今まで私達をどういうふうに見ていたの?」
「変態だらけの借金クラン。」
「心外ね。」
「いや、あってる。見ろ、サリアを。」
ケンに言われてサリアを見ると、
「とりあえず、お前らを倒して国に渡せばクエスト報酬だけじゃなくマスターズの出場権はもちろん、国から金一封、もしかしたら超有名になってメンバーも大金もガッポガッポに!そしたら、借金全額返済のうえに私達は億万長者!」
目が$になっていた。
「えぇ。」
「もうツッコミはしないぞ。」
呆れた目でサリアを見るヴィザル達、そんなこと知らずにサリアはゲストルに近づいている。ゲストルはその場から逃げようと走った瞬間、結晶がゲストルを覆って拘束した。
「?」
サリア達が周りを見ると屋根の上に一人の男が立っていた。男は眼鏡をかけ、知的そうに見えた。
「ゲストル・オブクズ及びイビルオーガのメンバー全員を国家反逆及び危険物製造の罪で拘束する。」
「え?あの人誰ですか?」
いきなり現れた男にヴィザルが困惑しているとサリア達の後ろからジルフレイムが現れた。
「あんた達って本当にこういう厄介事の時にはいつもいるよね。」
「ジルフレイム、どういうことだ?なんで、お前がシルバーホークの連中と一緒にいる?」
「え!?シルバーホーク!?」
「ヴィザルも知ってるか。」
「はい!オリュンティア公国でも有名なクランですよ!凶悪な犯罪者の逮捕を主にクエスト活動している正義のクラン!でも、なんでここに?」
ヴィザルが質問するとジルフレイムの後ろからきたトカゲ頭の男が答えた。
「シルバーホークにクエストがきたんだ。ここで魔獣を作っている連中がいるから逮捕しろってな。」
「それに私達、マジックガーディアンにも要請がきたのよ。ここにいる犯罪者を逮捕しろってね。」
二人の説明にサリアは疑問を持った。
「ちょっと待って。このクエストってフレアガルドから直々のクエストのはず。なんで、あんた達が?」
「私達に要請したのそのフレアガルドさんよ。」
「同じく。」
「あの野郎~!」
「待て、サリア。とりあえず、落ち着け。」
怒るサリアをケンがなだめていた。ヴィザルがその光景を見ながら周りを見るといつの間にかイビルオーガのメンバーや魔獣が結晶に捕まっていた。
「凄い。」
ヴィザルが驚いていると眼鏡をかけた男が近づいてきた。
「大体の事情はわかった。大方、フレアガルドさんは君達を利用して証拠を掴み、イビルオーガを一網打尽にする筋書きだったんだろう。君も大変だな。」
「はい。実感しています。」
「私はジャック・ヘイルダム。シルバーホークのメンバーだ。これからもよろしく。」
「あ、はい。」
ヴィザルはジャックと握手を交わした。
「それと、君のクランに露出狂が現れたという噂は本当か?」
「・・・」
ヴィザルは笑顔のまま、何も言わなかった。
すると、犬の獣人がジャックの方に駆け寄った。
「ジャック、来てくれ。」
「わかった。」
二人そのままどこかへ行った。
「あ、僕達もヴァンガスさん達の方に行かないと。」
ヴィザルは暴れるサリアを落ち着かせた後、ヴァンガス達のもとへ向かっていった。
ヴァンガス達のところに行くと彼らの目の前には四散した魔獣の死骸があった。
「さすが、アイアンガイアの皆さん。」
「いや、小さいのは俺達だが、このデカいのは俺達じゃねぇ。」
「え?」
「それがこけてヤバいと思ったらいつの間にかこうなってた。」
ヴァンガスの証言を聞いたジャックは他のメンバーにも確認した。
「今のは本当か?」
「さぁ、少なくとも俺達が来た時にはこうなっていた。」
ジャック達はそのことを気にしながらも魔獣の処理とイビルオーガの連行を進めていた。
サリア達もフレアガルドに不満を言いながら帰路についた。エレキナばかりを撮影しているフィルディオを無視しながら。
次回予告
次回予告って一種のネタバレだと思います。
「メタいって!」
「その次回予告すらしてねぇじゃねぇか!」
「これ、前回の返しみたいね。」