地下室はホラーゲームのお約束
前回のあらすじ
著作権は恐ろしい。
「さっさと訴えられてください。」
ヴォルジャーノ城地下室入口前、そこに男が座っていた。
「まったく、ヌィルゴーもボルダガもやられやがって。しかも、ボルダガに関しては誰かわからん奴にやられてるじゃねぇか。」
男は呆れながら城全体を見回していた。
「俺の千里眼魔法さえあればこの城の中は全て分かる。もうすぐ、ここに女が来るな。」
男がそう言った瞬間、目の前の扉が破壊されそこからエレキナが現れた。
「俺の相手はお前か。言っておくが俺は千里眼魔法の持ち主。どんな攻撃だろうと見切って━━━」
男が言い終わる前にエレキナは男を殴って倒した。
「わぁーぉ。名前が分かる前に退場しちゃったよ。」
エレキナの後ろからフィルディオがひょっこり現れた。
「フィル、本当にこの先に地下室があるの?」
「はい。ここに堂々と地下室って書いてありますよ。」
フィルディオが指差すと扉には確かに地下室って書いてあった。
「えぇ。」
エレキナは扉を破壊すると地下に続く階段があった。エレキナは後から来たリグラフの仲間達と一緒に奥へと進んで行った。
「そういえば、あんたら誰?」
「確かにいろいろあって自己紹介してませんでしたね。私はトルヤンです。」
「コチュジャン?」
「全然違いますよね?」
「聞くのめんどくさいから後は省略ね。」
「嘘だろ!?」
こうして、トリヤン以外は名前不明のまま奥に進んで行った。
「自己紹介させてください!」
「うるさい、モブ。」
「ひどい!」
しばらく進んでいると広い場所に出た。そこは大きい柱が一定間隔で並べられていて奥には大きい扉もあった。
「何ですかここは?」
「こんなとこ、見たことも聞いたこともない。」
エレキナ達がおそるおそる進んでいると後ろから足音が聞こえてきた。エレキナ達が急いで隠れていると足音は大きくなっている。
(こっちに近づいている。なら。)
エレキナは先手必勝と言わんばかりに足音の主に向かって炎魔法を放った。
「うわぁ!タンマ、タンマ!」
足音の主はクロアだった。クロアは炎魔法を避けたが倒れてしりもちをついてしまった。
「何やってんの?」
「迷子になってました!」
「えぇ。」
エレキナは仕方なくクロアと一緒に奥の扉に向かって進んで行った。すると、また足音が聞こえてきた。
エレキナ達はまたすぐに隠れた。
「誰か来た。」
「また先手必勝でいくか?」
「いや、一応確認しよう。」
エレキナの隣にいるクロアが足音が聞こえた方向に光魔法で照らした瞬間、右腕がチェーンソーになっている人型の化け物がいた。
「・・・」
「・・・」
エレキナ達は言葉を失った。化け物はチェーンソーを鳴らしながらこちらに近づいて来ている。しかし、こちらに気付く様子はなくそのまま奥の扉に向かっている。
「なんとかなった。」
「何ですかあれ?」
「私が知るわけないじゃん。」
「でもあの様子だと目は良くないんじゃない?」
「そうね。音をたてずに行きましょう。」
エレキナ達はそーっと気付かれないように歩いているとフィルディオがくしゃみした。
「・・・」
「・・・すみません。」
その瞬間、化け物はチェーンソーを振り上げながらこちらに向かってきた。
「ぎゃああああああああああ!」
全速力で逃げるエレキナ達。
「ふざけるな!何お約束をしてんのよ!」
「すみません!」
「これってバイオ◯ザードとかによくある展開じゃない?」
「今、それいります!?」
エレキナ達は化け物から逃げながら奥の扉に向かっていた。扉に近づいていくとエレキナが口から真っ赤な破壊光線を放って扉を破壊した。
エレキナ達が扉の向こうに行くとそこは何かの研究室みたいに謎のカプセルがずらりと並んでいた。
「何これ?」
「まんまバイオ◯ザードじゃん。」
「とにかく隠れましょう!」
トルヤンに言われてエレキナ達はカプセルの後ろに隠れた。すると、化け物も部屋に入ってきた。化け物はチェーンソーを振り上げながらエレキナ達を探している。
エレキナ達は音をたてないように口を抑えていた。
しばらくすると化け物は探すのを諦めたのか研究室の奥の扉を破壊して去って行った。
「た、助かった~。」
「なんだよ、あの怪物?」
「明らかに人間じゃないよね?」
「どうやらこの国はヤバい物を作っているみたいですよ。」
フィルディオがカプセルを撮りながらそう言った。エレキナ達もカプセルを見てみるとそこには明らかに人とは違う生物が保存されていた。
その姿はまさに
「これは、魔獣。」
次回予告
次はヴィザルとマキナの出番です。
「え、いいところで終わったのに?」




