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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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作画崩壊の度合いで疲れが分かる

前回のあらすじ

潜入とかスパイ物みたいでワクワクする。


「やってることは不法侵入ですけどね。」

ヴォルジャーノ城に潜入する日の昼頃


「私も行かせてください!」


メディッサがリグラフ達にお願いしていた。彼女はエウリアが落としていった杖を握りしめ、リグラフを見つめていた。


「ダメです。メディッサ様はこの国の未来を担う大事な方です。お願いです。モシコ達と一緒にここで待ってください。」

「いやです!初めてお姉ちゃんと会って、お姉ちゃんは私を助けてくれたのに私は何も出来なかったの!だから、今度は私がお姉ちゃんを助けたい!」


メディッサの意思は強く是が非でもついて行こうとしている。リグラフが悩んでいるとサリアが彼の肩に手を置いた。


「一緒に連れて行きましょう。私も分かるんです。家族を失う哀しみが。しかも、今まで会ったことのない姉ですから、彼女の気持ちを尊重してはいかがでしょうか?もちろん私達も全力で守ります。」

「・・・分かりました。但し、無理はなさらずにお願いします。」


リグラフは説得を諦め、メディッサと同じ目線に屈んで優しく彼女に語りかけた。


「はい!」


こうして、メディッサも潜入チームに加わった。

そのメディッサは今、


「どうしましょう。みんなとはぐれてしまいました。」

「大丈夫よ。私がついてるから。」

「うん!よろしくお願いします、カリスティお姉様!」


涎を垂らしているカリスティと二人っきりだった。



一方、ケンとジャリパーはある部屋に入り込んだ。扉を閉めて部屋を探してみるが誰もいない。


「この部屋には誰もいないみたいだな。」

「あぁ、誰か来た。」


ケンがジャリパーに静かにするよう指示すると扉の向こうから足音が聞こえてきた。


「ヤバい。早く隠れないと。」

「だから、なんでダンボール?」


二人はそのままダンボールを被って隠れた。部屋に入ってきたのはオリュンティア公国でエウリアを誘拐しようとしたヌィルゴーだった。


ダンボールに近づくヌィルゴー。

そのままダンボールを取る。

飛び退くジャリパー。


「何故バレた!?」

「怪し過ぎるだろ。」

「良かったよ。まともな奴がいて。」


ジャリパーが驚いているとケンがダンボールから出てきた。


「お前、あの時の強そうな奴じゃん。」

「悪いが見た以上ここで倒れてもらうぞ。」

「やれるものならやってみろ。」


ヌィルゴーは右手を前に出した。ケンがダンボールを投げるとダンボールはぐしゃぐしゃに潰れてしまった。


「それは空間に干渉する魔法か?」

「その通り。俺は空間を歪ませ、崩し、壊す魔法を持っている。その名も歪曲魔法ディスト!」


そう言ってヌィルゴーは手を前に出した。


「俺の魔法は人体だって自由に破壊できるぜ。」


ヌィルゴーが得意気に語っているとケンが消えた。ヌィルゴーが驚いているとケンはヌィルゴーの視界から外れて彼の腹に蹴りを入れた。


「!?」


ヌィルゴーは後ろに飛ばされながらも再び右手を前に出そうとするとジャリパーがヌィルゴーの足にナイフを投げて刺した。


「!」

「俺様を忘れるな。」

「お前の魔法は手を出した先の範囲しか効果がない。そうだろ?」


ケンはそう言うと素早く動き、ヌィルゴーに狙いを絞らせないようにして蹴りやパンチでヌィルゴーを攻撃した。ジャリパーもヌィルゴーの死角に入ってナイフで攻撃した。


「くそ!だったら見せてやる、俺の奥の手を!」


ヌィルゴーは叫びながら下がった後、胸の前で手を叩いて鳴らした。二人は警戒したが何か起こった様子はない。すると、ケンはジャリパーの違和感に気づいた。


「ジャリパー、お前の顔のパーツの位置がずれてる、それと目があり得んほどでかくなってる。」

「え?あれ、ケンさんも顔が崩れてる。指も増えてる!」

「!?」


ジャリパーに言われてケンが手を見ると確かに左手の小指の隣に見たことない指が生えていた。


「なんじゃこりゃー!」

「わかったか?俺の恐ろしさ。これが俺の究極魔法。作画崩壊魔法ディストイージー!」

「それやっちゃダメだろ!」


右腕が左腕より大きくなっているケンがツッコミを入れた。ジャリパーは目が異常に大きくなり、困惑している。


「完全にヤバい技じゃねぇか!」

「俺にかかればキャベツもこの通り。」


そう言ってヌィルゴーは黄緑色の球体を出した。


「どこから出したそれ!?」

「喰らえ、キャベツ爆弾!」

「それ武器なの!?」


ヌィルゴーが投げたキャベツは二人の前に落ちた瞬間、大爆発を起こした。二人はなんとか避けたが体の構造が変わっているため、上手く動けなかった。


「どうだ?思い通りに動けないだろ?ちなみに俺の場合はこの通り傷が完全に消えた。」


ヌィルゴーの体を見てみると確かにケンから受けた痣やナイフの切り傷などが綺麗に消えていた。


「それ卑怯だろ!?」

「なんでもありだな。」


ジャリパーが文句を言っているとヌィルゴーは手を前に出した。ケンはジャリパーを抱えて避けるが左足が在らぬ方向に曲がっていた。


「おい、大丈夫か!?」

「大丈夫だ。どうやらこれも作画崩壊らしいな。」

「このままグロいほどめちゃくちゃにしてやる。」


ケンが再びヌィルゴーを見るとヌィルゴーが二人に増えていた。ちなみに、増えた方のヌィルゴーはかんたん作画になっていた。


「本当になんでもありだな、作画崩壊。」


ケンが驚きつつも呆れていると二人のヌィルゴーはいつの間にか持っている拳銃で二人を撃ち始めた。


「ちくしょう、作画崩壊で上手く動けん。」

「どうすんだよ?」

「ならば、こっちも利用するだけだ。」

「何を?」


ジャリパーが聞くがケンは無視してヌィルゴーの前に出て突っ込んで行った。


「血迷ったか!?」


ヌィルゴーはケンに向かって乱射しているがケンには当たらない。


「なんで当たらない!?」

「作画崩壊だからだろ?」

「作画崩壊そんなに便利な言葉じゃねぇぞ!」


ケンはそのまま突っ込んでかんたん作画の方のヌィルゴーを殴り飛ばした。しかも、作画崩壊で伸びた腕で。


「てめえ、作画崩壊を利用したのか!?」

「俺は勝つためならなんでも使うぜ。」


ケンはそう言って伸びた腕に光を纏わせ、ヌィルゴーを貫いた。ヌィルゴーも負けじと貫かれた瞬間にケンの腹に銃弾を撃ち込んだ。


「!」


ヌィルゴーが倒れるとケン達は元に戻っていた。ジャリパーは急いでケンのところに駆け寄った。


「大丈夫か!?」

「大丈夫だ、ほらっ。」

「あれ、傷は?」

「作画崩壊で治ったんだろ。」

「マジかよ。」


二人は気絶しているヌィルゴーを縛りあげるとそのまま部屋を出て行った。







「ケン、まだ指が6本だぞ。」

「おい、作画班!」

次回予告

別行動をとっていたヘルマとシグレ姉妹。そこにボルダガが意気揚々と現れた。ボルダガの最強の技とは!?


「なんか嫌な予感がします。」

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