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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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洗脳や催眠はいろいろ便利

前回のあらすじ

感動の再会系ってこんな感じなのかなぁ。


「分かりません。」

エウリアとメディッサが感動の再会をしている時、いきなり爆発音が響いてきた。


「なんだ!?」

「ヘルメイスだ!ヘルメイスが侵入してきた!」

「なんだと!」

「折角の感動する場面だっていうのに水を差しやがって空気を読め!」

「サリア、そこじゃない。」


リグラフ達が真っ先に向かおうとするとオリュンティア公国でエウリアを襲ってきたマント姿の男達が襲いかかってきた。


「あいつら、あの時の!」

「なんでここがバレたんだ!?」

「今はそれよりも応戦が先だ!」


リグラフ達に続いてサリア達も戦闘態勢に入った。リグラフは剣を抜くとすぐに向かってくるヘルメイスを一掃した。サリアも炎魔法でリグラフを援護しながらヘルメイスを倒していた。


「忝ない!」

「いいってことよ。」


ヴィザルやケン達も前線で戦っているとヘルメイスの一人がエウリアとメディッサに向かって行った。


「しまった!」


リグラフは二人の元に向かおうとしたがヘルメイスに邪魔されて行けなかった。そんな時でもサリア達は冷静だった。


「安心しな。うちのエウリアは━━━」


サリアが言い終わる前にヘルメイスはエウリアに吹っ飛ばされた。リグラフが見るとメディッサの前で杖を掲げ得意顔になっているエウリアがいた。


「━━うちで一番のお転婆娘だ!」

「その説明おかしくない?」

「お姉ちゃん、凄い。」

「ここは任せなさい!お姉ちゃんになったからにはちゃんと守ってあげる!」


エウリアは杖を振って風を発生させるとメディッサの周りに風の壁を作った。


「エウリア様、凄い。」

「ヒサメ、ボーっとしない!行くよ!」

「はい!」


双子の少女は詠唱した瞬間、煙が二人を包み忍装束を纏っていた。


「忍者!なんで忍者!?」

「我、コサメ。」

「我、ヒサメ。」

「「我らシグレ、いざ参る!」」


二人は目にも止まらぬ早さでヘルメイスに向かうと魔法で雨を降らせた。その雨はヘルメイスに当たる時に鋭くなって貫いた。


「「忍法、《乱れ雨》!」」


二人の攻撃はヘルメイスに大ダメージを与えていた。そこにサリアにナイフを突き立てた男が突撃してヘルメイスの首を切り裂いた。


「てめえら、全員このジャリパー様が相手してやる!」

「冷静になれ、ジャリパー!」


リグラフの制止を聞かずにジャリパーが突撃するとヘルメイスの奥から円状のカッターが飛んできた。ジャリパーはそれを避けたがカッターはくるくると回転しながらブーメランのように戻って来てジャリパーの脇腹を切った。


「!」

「ヒサメ!」

「うん!」


ヒサメはすぐに水魔法で盾張るとコサメがジャリパーを抱えて距離を取った。


「あの中に強いやつもいるみたいだな。」


ヴァンガスが奥の方を睨んだ後、そこに向かってアルカディア・バーンを放った。命中し爆発するとそこから一人の男が現れた。


「来たか!」

「・・・」

「あの男はあの時の!」


リグラフが男を睨む。その男はリグラフの話でケトリア達を襲った男だった。ヴァンガスはその男に風魔法で攻撃するが男は避けながらヴァンガスに近づき彼の首を掴んだ。


「てめえ、離せ!」

「お前も我が人形になるがよい。」


男はヴァンガスの目を見た瞬間、ヴァンガスは倒れてしまった。


「ヴァンガス!」


サリアが倒れたヴァンガスを心配して叫んだ。するとヴァンガスはゆっくりと立ち上がった。しかし、様子がおかしい。ヴァンガスは立ち上がるとゆっくりとこっちを向いた。その目には光がなく虚ろになっていた。


「どういうこと?なんか様子が変。」

「・・・」

「殺せ。」


男が命令した瞬間、ヴァンガスはサリア達に向かってアルカディア・バーンを放った。


「おい、どうした!?」

「サリアに不満があるの!?」

「違うだろ!あれは洗脳されてる。」

「うわっ、エロ本向きの技じゃん。」

「今それどころじゃねぇだろ!」


サリア達がアルカディア・バーンを避けた後、ヴァンガスは風や炎の魔法でサリア達を攻撃した。そして、そのままサリア達に向かって突撃してきた。


「仲間を攻撃できるか?仲間を殺せるか?仲間に殺されるがいい。」


ヴァンガスは鋭い爪をたてて向かってくる。すると、ケンはヴァンガスの顔面におもいっきり拳を入れた。


「なっ。」


横を通り吹っ飛ぶヴァンガスを見て男は驚いている。ちなみに、リグラフ達も驚いている。


「仲間を殺すことはできない。が、仲間を殴るなら俺達にとっては日常茶飯事だ。」


ケンは指を鳴らしながら男を見ている。後ろではジャリパーの治療をしているモシコ達がヴィザルと話していた。


「日常茶飯事で暴力を振るっているんですか?」

「そうですね。日常茶飯事です。特にサリアさん。」

「そんなところにエウリア様がいるのですか?」

「エウリアさんは大丈夫です。・・・多分。」

「多分って何よ。」


ヴィザルのところにメディッサを守りながらエウリアがやってきた。そこに向かっているヘルメイスはエレキナやカリスティ達が食い止めている。

その間、ケンは男と戦っている。男は円状のカッターを2つ飛ばして攻撃しているがケンは光の刀で上手く捌いていた。


「厄介。」


すると、男は煙玉を出して爆発させた。煙が部屋に充満する中、ケンは向かってくる男の腕を抑え投げ飛ばした。

煙が晴れるとケンが投げ飛ばしたのは戦っていた男とは違っていた。


「何!?」


ケンはとっさに後ろを見るとエウリア達に向かっているマント姿の男がいた。


「危ない!」


モシコが叫ぶとヴィザルとエレキナが男を取り抑えマントを剥がした。しかし、その男もケンが戦っていた男ではなかった。


「あれ?」

「こいつも違う!」

「じゃあ、あいつはどこ?」


ヴィザル達が探しているとケンはとっさに投げ飛ばした男を見た。その瞬間、男は円状のカッターをケンに向けて飛ばした。ケンはとっさに避けるが腕を切られ、負傷した。


「変装魔法か!」


ケンは男を攻撃するが避けられ、男はそのままエウリア達に向かって走り出した。ヘルマが前に出るが男は再び煙玉で煙幕をはり、姿を消した。


「また!」

「エウリア!」


サリアが叫んだ瞬間、エウリアとメディッサの後ろに男が現れた。リグラフが二人に駆け寄るが虚ろな目をしたヘルマが後ろから羽交い締めにした。


「しまった!」

「お姉ちゃん!」

「任せなさいって言ったよね。」


男は二人を捕まえようとするとエウリアは風魔法でメディッサを吹っ飛ばした。その先にはサリアがいた。


「おっと。」


サリアはメディッサを抱っこするとすぐにコサメとヒサメの後ろに向かった。二人はメディッサを守るように立ち、カリスティはサリアの周りに光の壁を張った。


「不覚。」


男はエウリアを捕まえると煙幕を張って逃げた。


「エウリアさん!」

「お姉ちゃん!」


ヴィザル達は急いで煙幕を払ったがエウリアと男の姿はもうなかった。

次回予告

誘拐されたエウリア。囚われのお姫様を救出するためにサリア達は城に向かった。


「エウリアってお姫様って感じしないよな。」

「うるさい、うるさい、うるさーい!」

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