調教は意外と大変
前回のあらすじ
マケナイデ
もう少し
最後まで
走り抜けて♪
「歌わないでください!」
現在、サリア達は竜厩舎にいた。そして、目の前にいる真っ黒な体のワイバーンの調教を頼まれた。
「この子、かなり若いわね。」
「分かるんですか?」
「えぇ、ワイバーンは歳をとると鱗の色素が抜けて白くなるの。だから、あのシルクラグーンというワイバーンは真っ白でしょ。」
「へぇ、でもマケナイデはなんかテレビで見たワイバーンよりも真っ黒でなんか速そう。」
エレキナがマケナイデを見て説明していた。ヴィザルはマケナイデをじっと見ているとマケナイデは鼻息を荒くしてヴィザルを見てきた。
「はい、そうなんです!マケナイデは父であるシルクラグーンの全盛期と同じぐらい、いやそれ以上に才能があるんです!しかし、気性が荒く今まできた調教師はみんな大怪我してしまいまして。そこで、ドラゴンに詳しい龍人のエレキナさんや競竜の常連さんのサリアさんに手伝って欲しいとお願いしました。」
ワイナードが嬉しそうに語った後、ケンにアイアンクローされたままのサリアに頭を下げてお願いしていた。
「その前にこの状況をおかしいと思わないのか!?」
「それ、ここの競竜場の名物になってます。」
「日常茶飯事なんだ。」
しばらくしてアイアンクローから解放されるとサリアは気を取り直して会議を始めた。
「とりあえず、エレキナからいってみる?」
「いいけど。」
最初に挑戦したのはエレキナだった。彼女はマケナイデの前に立つとかかってこい、と挑発した。
「待ってエレキナ!何、挑発してんの!?」
「え?調教って強さを見せつけた方が早いよ。」
「だからってここで戦いを始めようとしないで!」
サリアがエレキナを説得しているとマケナイデはニヤリと笑って火を吹いた。火が命中して真っ黒に焦げる二人。それを見てマケナイデはゲラゲラ笑っている。
「・・・上等だ。やってやらぁ!」
「落ち着けぇ!何、挑発した方が負けてんだ!?」
「は・な・せ!」
「シルクラグーンの子ならもっとおっとりしとけやぁ!」
「サリア、お前もかぁ!」
ケン達はなんとか二人を抑え宥めた。その間もマケナイデは余裕の表情で笑っている。
次に挑戦したのはケンだった。
「お前、偉大な父親の後を継ぎたいとは思わないのか?みんなじゃないかもしれんがそれを望んでいるぞ。」
ケンが説得しているとマケナイデはフッと笑いながら『ぜーんぜんっ。』と書かれたカンペを出してきた。
「どっから出したそのカンペ!?」
『今時、その訴え方は古いってww』
「とりあえず、尻尾ぐらいは落とそう。」
「ケンさん!?」
「嘘だろ、おい!」
ケンはバースロット戦で見せた光の刀を出してマケナイデを斬ろうとしたためヴィザル達はあわててケンを取り抑えた。
「ケンがあそこまで怒るとは。」
「日常茶飯事だね。」
「誰のせいだと思ってます?」
ケンの頑張りも空しくマケナイデはやる気を出す気配はない。今度はヴァンガスが挑戦することになった。
「大丈夫か?」
「任せろ。あぁいう奴にはそれなりの褒美がいるんだよ。」
「確かに一理ある。」
「けど、褒美って何?」
サリア達が心配する中、ヴァンガスはマケナイデの前に立った。そして、後ろにいるエレキナを指差した。
「おい!お前が1位取る度にこの女がヤらせくれる契約ならどうだ!」
「ふざけるなぁ!」
『もう少し肉付きのいい女なら考えてやる。』
「待てや!なんで今までで一番効果があるんだよ!?」
「エレキナ、肉付きがよくなれ。」
「んでもって結局私かよ!」
エレキナが全力で拒否しているとカリスティがワイバーンに変身していた。そして、担当している調教師にお願いしていた。
「私が出るわ。」
「カリスティー!」
「てめえは黙ってろ!」
サリアがカリスティを殴っていたらいつの間にか現れたフィルディオが写真を撮りながら他の調教師達にある写真を渡していた。
「これが裏で出回っているエレキナさんの全裸露出徘徊写真です。1枚、1000レクスです。」
「お前はいきなり出てきて何やってんだー!」
エレキナはフィルディオに飛び蹴りをした。フィルディオは綺麗に円を描いて飛んでいった。その際、枚散った写真を見るとあの時カリスティが撮った写真もあった。
「・・・」
「・・・」
「カリスティ。」
「私、家に帰って天才!志村○物園見ないといけないから帰るわ。」
そーっと逃げようとするカリスティをエレキナが捕まえ、ひん剥いている間にフィルディオがマケナイデにエレキナの全裸露出徘徊写真を見せていた。
「どうですか?」
『ギリ合格点。』
「評価すんなぁ!」
サリア達がフィルディオを殴り倒したエレキナを抑えている間にクロアが挑戦した。
「なぁ?どうすればやる気出してくれるんだ?」
『毎日、松阪牛1頭食べたい。』
「贅沢過ぎんだろ!ってか、なんで松阪牛!?」
「足元見やがって。」
クロアはワイナードに用意できるか聞いたがもちろん無理と言われた。次に挑戦したのはエウリアだった。
エウリアはマケナイデの前に立つと紐に吊るした五円玉を見せた。
「あなたはだんだんお利口さんにな~る。」
「まさかの催眠術!?」
サリア達が驚いている。エウリアは真剣に五円玉をゆらゆらと振っているがマケナイデはあくびをしながらカンペを出した。
『つまんない。』
「何よ!折角いい機会だからやってみたのに~!」
「エウリア、アウト。」
じたばたと暴れるエウリアを引き下げらせてカリスティが登場した。ボンデージ姿のSM嬢の格好で。
「・・・アウト~!」
「何よ?調教って言うんだからそれに相応しい格好になっただけよ。」
「完全にR18の格好なんだよ!BPOが黙ってないぞ!」
『その格好であの龍人を調教して。』
「任せて。」
「カリスティ!」
カリスティはエレキナにバックドロップボムされて気絶したため、今度はマキナが挑戦した。
「大丈夫よね、マキナ?」
「・・・お任せください。ドラゴンの好みを検索、最適解を導きました。」
「おぉ!さすが、マキナ!」
サリアが褒めているとマキナは何処からか車を出してきた。
「・・・車?」
「・・・はい、車です。」
「これをどうすんの?食わせるの?」
「・・・この世にはドラゴンカーセ○クスというジャンルがあり一定のドラゴンは車で自慰するとあるサイトに書かれてました。」
そう言ってマキナはパソコンを取り出し、そのサイトを見せた。もちろん、これは明らかにR18だった。
「マキナ~!もう完全にアウトだよ!BPOに怒られる~!」
「・・・?」
「マキナ、それは駄目だ!見て、あのマケナイデすらドン引きしてんだよ!」
ヴィザルがマケナイデを指差しているとマケナイデは目を丸くして顔をひきつらせていた。ちなみに、マキナ以外のその場にいたワイナード達もドン引きしていた。
その後、車を片付けるとヴィザルが挑戦した。
「マケナイデさん、お父さんが素晴らしいドラゴンでその血を受け継いでいるんです。少し頑張ってみてもいいんじゃないでしょうか?」
ヴィザルが優しくマケナイデに語りかける。マケナイデはヴィザルの言葉を聞いた後、微笑みながらカンペを出した。
『あの龍人とヤらせてくれたら考える。』
「ちっくしょー!」
ヴィザル、玉砕。
結局、月1で松阪牛を食べさせることと調教の際はエレキナがカリスティが着ていたボンデージ姿で参加することを条件にちゃんと調教を受け、競竜に参加することになった。
「ちっくしょー!」
「落ち着け、エレキナ。」
次回予告
ある店でさらに性癖が歪むヴィザルのお話です。
「嫌な予感しかしないんですが。」