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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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最終決戦

前回のあらすじ

サリアはアルティネの敵を討った。


「アルティネ、お前とはまたお酒を飲み交わしたかった。」

「まだ死んでないし、そもそも私はお酒飲めないから。」

サリアとジャックが謎の男達を倒しているところをモニターで見ている男がいた。魔聖七天王(セブン)のガッチェスだった。


(くそっ!これでシャドウは全滅かよ!仕方ない、こうなったらインドライガになんとか勝ってもらうしかねぇなぁ。)


ガッチェスは苦虫を噛みながらモニターを操作してインドライガを見た。


トロイタワーの屋上にインドライガがいた。するとそこにヴィザルが現れた。インドライガはヴィザルを見るとすぐに警戒し構えた。ヴィザルもすぐ、構えたが剣はないためにボクシングのファイティングポーズをとっていた。

すると、今度はサリアが現れた。彼女を見ると握り拳を作り真剣な顔をしていた。サリアはそのままヴィザルのところまで近づいてきた。


『おっと!ここで最後の勝負が始まろうとしています!絶対王者レジェンドドラゴンマスターのインドライガ・ペンドラグーン選手に挑むのは今大会の大注目の台風の目、アイアンガイア!そのマスターのサリア・へラクロス選手と数々の戦いを生き抜いたヴィザル・オルディダンテ選手です!』

『凄い、楽しみです!皆さん、頑張って下さい!』


ホルンとアテリナが興奮して実況していると今度はジャックが現れてヴィザルの横に立った。


「?」

「私も君達に勝ってもらいたいと思ってね。今だけ協力する。」


ヴィザル達と一緒に戦うつもりのジャックにヴィザルは疑問を持ったがサリアは何も言わずにインドライガに向かって構えた。


「来い。俺は君達の過小評価は一切しない。全力で相手する。」


そう言うとインドライガは右手から雷の光線を発射した。三人はそれを避けた後、各々の魔法で攻撃をした。インドライガは攻撃をシールドを張って防ぎながら追尾型の光線を放った。


「面倒だな。」


サリアは炎の刀で光線を弾き、ヴィザルは瓦礫を蹴って光線を防ぎ、ジャックはクリスタルを作って守っていた。


「さすがだな。」


すると、インドライガは高く飛んだ後に唱え始めると彼の体はみるみるうちに黒い包帯みたいなモノに包まれた。


「・・・顕現せよ、アヌビス!」


インドライガは全身が黒く禍々しいオーラを放つと右手に持っている先に天秤が付いた杖を振るった。その時、現れた無数の黒い人魂が三人に向かって襲ってきた。

三人はさっきと同じ方法で防ごうとすると人魂は直前で大爆発した。


「《冥界の懺悔》。」

「うおっ!」

「がはっ!」

「なっ!」


爆発に巻き込まれてしまい、三人はぶっ飛んでしまった。インドライガは再び杖を振るうと今度は地面から多数のミイラが現れた。


「やっぱり、強いな。」


サリアは向かってくるミイラを炎で焼き払いながらインドライガに炎の球で攻撃した。

しかし、インドライガは人魂でそれを防いだ。そのままその人魂をサリアに向けて放った。サリアは炎魔法で人魂を相殺して下がった。

その時、インドライガの体に異変が起きた。纏っていたアヌビスが消えインドライガは墜落してしまったのだ。


「!?」

「?」

「え、何?」

「何だ!?」

『な、ななな、何が起きたのでしょうか!?いきなりインドライガ・ペンドラグーン選手が倒れてしまったー!一体、何が起きたのか私達には一切分かりません!』

『?』

『・・・』


実況のホルンやアテリナも何が起こったのか分かっていなかった。インドライガは直ぐ様立ち上がり再び唱えると今度は純白の翼を持った神々しい姿になった。


「・・・顕現せよ、ラファエル!」


インドライガは2匹の蛇がついている杖を振り上げると周りに無数の炎の剣が現れた。インドライガはそのまま杖を振り下ろすと炎の剣は三人に向かって襲ってきた。


「《神之熱(カドゥケウス)》。」


放たれた炎の剣は軌道を変えたり、速さを変えたりして三人に攻撃しているため三人は避けるのが精一杯だった。その時、またインドライガは大ダメージを受けラファエルが消えてしまった。


『え~!何が起こったんでしょうか!?またまたインドライガ・ペンドラグーン選手が倒れてしまった!一体何が起きているんだー!』

(・・・おかしい。しかし、あの三人の誰でもない。なら、一体誰だ?)

「え、何が起きてんだ?」

「明らかにおかしい。」


インドライガは何が起きたのか全く分かっていない三人を見たあと、また唱え始めた。すると、今度は黄金に輝き両手には三本に分かれた槍状の刃が柄の上下に一つずつ付いた金剛杵と呼ばれる法具を持っていた。


「・・・顕現せよ、インドラ!」


インドライガが叫んだ瞬間、トロイタワーの周りが金色に光り半透明の金色の壁が現れた。


「これで邪魔は入らない。」

「やっぱりあんたに誰かが攻撃していたと?」

「あぁ、そうだ。そいつはおそらく君達ではない。それにもし君達なら私がまだ未熟者だっただけだ。」

(確かにインドライガさんを攻撃したのは私達ではないはず。なら、この大会にはアイアンガイアに優勝させたくない者とレジェンドドラゴンに優勝させたくない者がいるということになる。)


ジャックは今までのことからいろいろ考察したが結局は答えが出なかった。その間にインドライガは金剛杵を振り回して雷を発生させた。


「《帝釈天(インドラ)(いかづち)》。」


放たれた雷は轟音と共に三人に向かって攻撃してきた。サリアは真っ先に雷を避けながらインドライガの右側から炎で攻撃した。

右目がやられているためインドライガは反応に少し遅れ、サリアの炎を魔法で防げず、右腕で防いだ。

その隙に今度はヴィザルがインドライガの左側から風魔法で攻撃してきた。サリアに気をとられたインドライガは防がずに避けた。


「いいコンビネーションだ!」

「そりゃどうも。」


すると、インドライガは高く飛び上がり金剛杵をくっ付けて弓にした。そして、虹色の矢を作ると弓にセットして三人に向かって放った。


「これが全身全霊の一撃だ。《虹天竜(インドラ)の矢》!」


インドライガが放った矢は虹色に光り真っ直ぐ三人に向かった。サリアとヴィザルは避けたがジャックはクリスタルで盾を作って風の槍でインドライガを攻撃した。


「無茶だ!避けろ!」

「いや、これでいい。私の役目はここまでだ。勝て、アイアンガイア!」


虹色の矢はクリスタルを貫き、ジャックの体に穴を空けた。

「あとな、任せた。」

《ジャック・ヘイルダム リタイア》


ジャックは爆発して退場してしまった。しかし、彼が放った槍はインドライガの翼を穿ち、インドライガは墜落していった。


「・・・行くぞ、ヴィザル!」

「はい!」


サリアとヴィザルは同時に飛び出した。インドライガも負けじと再度虹の矢をセットして着地した。

しかし、着地した瞬間に左足に激痛がはしった。


(しまった!俺としたことが足の怪我を忘れてた!)


インドライガはギルガとの戦いで負った傷を忘れていたために着地した瞬間、痛みでバランスを崩してしまった。


((今だ!))


インドライガがバランスを崩したことで生まれた隙をサリアとヴィザルは見逃さなかった。インドライガはバランスを崩しながらも虹天竜(インドラ)の矢を放った。

しかし、矢は二人の間をすり抜けてしまった。インドライガは弓を2つの金剛杵に戻して雷を放った。

雷は二人に直撃したが二人は怯むことなく真っ直ぐ走った。そして、サリアは右腕に炎を、ヴィザルは左足に風を纏ってインドライガを攻撃した。


「いっけぇー!《ハーキュリーフレイム》!」

「《アーススピアキック》!」


二人の技は見事インドライガに命中した。インドライガは倒れる直前、静かに笑っていた。

《インドライガ・ペンドラグーン リタイア》


インドライガは爆発して退場した。


『け、決着~!ラスト・ワン・オデュッセイアを制して第50回マスターズ優勝したのはアイアンガイア~!最後の息を飲む激烈な戦いは必見ですねぇ~。』

『はい!ワクワクドキドキでした!』

『おめでとうございます。』

『では、表彰式と閉会式を行いますのでもうしばらくお待ちください。』


こうして、長いようで短かったマスターズは幕を閉じることになった。

次回予告

謎を残したままマスターズ編終わりで~す


「軽いな。」

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