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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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カッコいい奴は何をしてもカッコいい

前回のあらすじ

愛は世界を救う


「大袈裟です。」

トロイタワーの屋上に二人の男が立っていた。インドライガとトールバスターだ。

「来たか、トールバスター。」

「決着を着けるぞ、インドライガ。」

二人が目を合わせて少しの間、沈黙が続いた。そして、二人同時に飛び出し、お互いに魔法で作った剣がぶつかり合った。

『おっと!早速、インドライガ・ペンドラグーン選手とトールバスター・スティンガー選手がぶつかり合った!先程は魔王、エレキナ・レダニウス選手を討伐するために手を組んだライバル同士がここでとうとう雌雄を決する時がきたー!』

両者力は拮抗しているのかつばぜり合いになりしばらくにらみ合いが続いた。すると、そこにジャックが現れた。

「マスター!」

ジャックが叫ぶもトールバスターには聞こえていない。そのまま二人は剣を弾き合った後、飛び出した。

空中戦が始まるとインドライガが雷で攻撃を始めた。トールバスターもシールドで防ぎ、風魔法で作った鷹をインドライガに向けて飛ばした。

「やっぱり一筋縄ではいかないな。」

インドライガはまた何か唱え始めた。すると、彼の周りの風が荒れ、上空には大きな積乱雲が発生した。

「・・・顕現せよ、ルドラ!」

インドライガは全身が暗褐色になり頭から牛のような角が生えた。そして、インドライガは黒い弓矢を作るとそれをトールバスターに向けて放った。その瞬間、積乱雲が矢にまとわり、矢はまるで台風のようにトールバスターへと向かった。

「《暴嵐之矢(モンスーン)》!」

暴風雨を纏って向かってくる矢に対してトールバスターは冷静に両手を前に出して鷹を風で作った。

「雄々しき鷹よ。自由の翼よ。その正義の心を持って猛々しく貫け!《ホークバスター》!」

トールバスターが放った鷹はエメラルドに輝きながらインドライガの矢と正面からぶつかり合った。その瞬間、爆発と共に積乱雲が吹っ飛び雲一つない青い空が顔を出した。

「さすがだな、トールバスター。」

インドライガは自分の技が破られたにも関わらず、楽しそうに笑っていた。それはトールバスターも同じだった。

そして、二人は同時に飛び出してお互いの拳をぶつけた。そのままインドライガが押し勝ち、トールバスターはトロイタワーを貫きながら落ちていった。

そして、二人はヴィザルの前に現れた。

「うわっ!」

ヴィザルは巻き込まれないように下がるとジャックが上から下りてきた。ヴィザルはとっさに構えるがジャックはヴィザルをチラッと見た後、すぐに二人の方に向かった。

「あれはヤバい。とりあえず、サリアさんと合流しないと。」

ヴィザルはすぐそこから離れようとすると後ろにトールバスターが吹っ飛ばされてきた。ヴィザルが振り向くと空いた穴からインドライガが現れた。

「トールバスター、足は狙わないのか。」

よく見るとインドライガの左足には抉られたような傷があった。

「知ってるだろ。俺がそういう戦い方が嫌いなこと。それに、そんな傷を負っても一切言い訳せずに戦い抜くお前に失礼だろ。」

「そうだった。愚問だったな。」

そう言うとインドライガは下がった。そして、再び唱え始めると頭に雄々しい一本角が生え、周りに5色の人魂みたいなモノを纏った神々しい姿になった。

「・・・顕現せよ、麒麟!」

インドライガはそのまま上に飛んで行った。トールバスターもインドライガを追って飛びたった。

二人が向き合った瞬間、同時に槍を生成した。インドライガはその槍に5色の人魂みたいなモノを纏わせ、トールバスターは純白の翼を真っ赤に燃え上がらせ一気に飛び出した。

「《五行天槍》!」

「《フェニックスシルバースティンガー》!」

2つの技がぶつかり合い激しい閃光が発生した。そして、閃光が止むと顔の右半分を抉られたインドライガと右半身を失ったトールバスターがいた。

「参った。」

《トールバスター・スティンガー リタイア》

爆発して退場するトールバスター。インドライガがその様子を見ることなく呟いた。

「やっぱり、お前は永遠のライバルだよ。」

インドライガは呟くとトロイタワーの屋上に向かって行った。

次回予告

サリアとアルティネに魔の手が忍び寄る。


「いかがわしく聞こえるのは私だけ?」

「はい。」

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