表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
406/406

アヴァロン

前回のあらすじ

特に無し!


「あるだろ!」

 ケンと勇薙が皇都の郊外にある教会にいた。麻陣教会に潜入するために入信しに来たのだ。メンバーと思われる覆面姿の集団に案内される。


「これ、上手く行ってるのでしょうか?」

「今は行ってると思っておけ。」


 2人は洞窟の手前で待つように指示された。洞窟の入口には人工で出来た壁があり分厚い扉には厳重に鍵が掛けられていた。2人は洞窟の中へ入るように言われ中に入る。すると、韓龍が手を振って待っていた。


「何故あなたが!?」

「え?面白そうだから入ってみた。」


 韓龍の回答に勇薙は言葉を失う。韓龍も加わり洞窟の奥へと案内される。案内されたのは控室みたいな部屋だった。椅子とテーブルがあるだけのシンプルな内装の部屋。2人が部屋に入ると韓龍達は出て行った。


「とりあえず潜入成功ですかね?」

「一応いつでも戦闘出来るように構えていろ。」

「分かりました。」


 ケンがスマホを取り出すも圏外だった。それを確かめるとイヤホンみたいな物を耳に装着した。


(聞こえるか?)

(感度良好。)

(便利な物を持ってるな。)


 ケンの声に応答したのはフレアガルドだった。ケンと同じ物を耳に着けている。それは着けた者同士がテレパシー魔法で通話が出来るという優れモノだった。


(それでどう?)

(拠点と思われる洞窟には入ったが内部はまだ分からん。)

(OKOK。こっちも他の拠点に魔王関連がないか調べたらそっちに向かう。)


 フレアガルドはテレパシーを切る。そこに月読が来て聞く。


「本当にそのアウラって子は勇薙達が行ったところにいるの?」

「それは間違いない。俺が彼女に着けた首輪は俺が魔法で作った首輪だ。だから、魔力で今どこにいるか分かる。」

「意外と多才ですね。」

「でなきゃ魔聖七天王(セブンは務まらねぇ。」


 フレアガルドが麻陣教会の支部に入ると一瞬でメンバーを凍らせた。そのまま内部を探る。その流れるような作業に月読達は唖然としている。


「魔王についての資料はないか。」

「あれがオリュンティア公国で最強と謳われた魔導師の1人…」


 フレアガルドは情報がないと判断するとサリアに連絡した。サリアにもテレパシー通信機を渡してある。


「サリア、そっちはどうなってる?」

『万辛麺が上手いです。』

「お前は何してるんだー!?」


 フレアガルドが叫ぶ。サリア達は真っ赤なスープのラーメンを食べていた。一緒にいるヘルマや因幡達はあまりの辛さにダウンしている。


『おい!麻陣教会はどうした!?』

「もうとっくに全滅させてるよ。」

『情報はどうした!?』

「魔王についての情報はないよ。ただ麻陣教会を仕切ってる栄楽は教会内じゃアヴァロンと呼ばれてるみたいだ。」

『それ大事な情報じゃねぇか!?』


 フレアガルドが情報を求める。ウズメが支部から取ってきた資料をサリアに渡し水を飲み干す。そこに白刃が水を出す。


「アヴァロンは教会では天国という意味で使われてる。栄楽は自分こそが天国だと言ってる頭おかしい奴だな。」

 

 サリアが内容を話している時、突然窓ガラスが割れ仮面を着けた集団が襲ってきた。サリアはすぐに万辛麺のスープを飲み干し迎撃した。


「敵襲だ!行くぞ!」

「もうひょっと待ってくらはい。」

「み、水…」

「情けない!」

『その前に呑気に食べてんじゃねぇー!』


 フレアガルドはテレパシーを切る。


「バカのところに敵襲。こっちにもくるぞ。」


 フレアガルドがすぐに外に出る。その瞬間、サリア達を襲った集団と同じ格好の集団が襲ってきた。


「はい。邪魔。」


 それを一瞬で凍らせて全滅されるフレアガルド。戦闘態勢をとっている間に終わったので月読達は呆然としていた。朱鎧が拍手する。


「見事だな。」

「どうも。とにかく、こいつらが何か掴んでいるのは確実だ。後は海神とヴィザルのところだが…」


 フレアガルドがテレパシーで連絡する。


「そっちはどうなってる?」

「襲撃者を倒しました。」


 海神が答える。その前にはエレキナ達に倒された襲撃者達が転んでいた。エウリアが杖でツンツンして起きるのを待っている。こちらも大した被害はないようだ。


『それで何か分かったか?』

「発足したのが20年前。表向きは天国に行くためのセミナーなど怪しい事業程度ですが裏では魔王崇拝を目的とした研究や儀式が行われているようです。それと、歴代のリーダーはアヴァロンと呼ばれ仮面を常に着けているようです。」

『OKサンキュー。サリアより役に立つぜ。』

「恐縮です。」


 フレアガルドがテレパシーを切った。最後にヴィザルに連絡する。


「そっちの準備どうだ?」

『ちょっと待ってください!もう少しで…』

「まだ終わってないのか?」

『UNO!よっしゃあ!一抜け!』

「何UNOしてんだお前らー!」


 フレアガルドが叫ぶ。ヴィザル達は準備が終わり暇だからガルムが持ってきたUNOをやっていた。フレアガルドが状況を聞く。


「いつでも突入出来ます。」

「UNOって言ってない!」

「言いましたー!UNOって言いましたー!」

『後ろまだUNOしてるじゃねぇか!?全然突入準備出来てねぇじゃねぇか!』


 フレアガルドの叫びがヴィザルの頭を揺らす。結局、オリヴィエが最下位になってUNOは終わった。


「いつでも行けますよ。」

『本当だろうなぁ!?こっちは襲撃者が出て一瞬で終わらせたぞ!』

「何のピンチにもなってない。」

『俺の合図でそこ打ち抜いて突入!アウラ助けて麻陣教会全滅させる!それでいいな!』

「OKです!」


 ヴィザルが返事するとフレアガルドはテレパシーを切った。ヴィザルは後ろにいるオリヴィエやガルム、ヴァンガスに天寺、ジルフレイム…そして何故かいるアテリナを見る。


「みんな、準備はいい?」

「待って。何故姫様が?」

「出番が欲しいです!」

「なぁ。あの姫様、逞しすぎないか?」


 ガルムがアテリナを指差す。ヴィザルとオリヴィエを空を見てガルムの質問を聞かなかったことにする。そこに劉龍が玄聖と安武を連れて来た。


「いつでも突入出来るぞ!」

「とにかく!サリアさんからの情報で麻陣教会のリーダーはアヴァロン!仮面を着けている奴だと分かった!」

「まぁ、知らん顔は全員ボコればいい。」


 ヴァンガスが指を鳴らす。みんな行く気満々だ。アテリナさえジルフレイムの制止を無視して行こうとする。


「フレアガルドさんが合図したら全員でドーンとやってバーンだ!」

「すみません!全く分かりません!」

「よっしゃあ!それで行くぜ!」

「分かるんですか!?」


 天寺がびっくりして見る。アウラ救出作戦決行まであと…


(まぁ、失敗するんだけどね。)

次回予告

遂に麻陣教会とバトル!


「すぐ終わると思う。」

「嘘!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ