誰かのために強くなれる
前回のあらすじ
ドトールが行方不明
「よし、これでこの小説は安泰だ!」
「まだあんた達がいるわよ。」
サリアとアルティネがドトールと戦っている時、ヴィザルとオリヴィエは勇薙と対峙していた。ちなみに、オリヴィエはヴィザルの腕をまだ組んでいる。
「オリヴィエさん。」
「何?」
「そろそろ離れよう。」
「え~。」
二人のやりとりを見ている勇薙は反応に困っていた。すると、勇薙はおそるおそる雷の刃を放った。二人はそれを避けた。ヴィザルがオリヴィエをお姫様抱っこしながら。
「大胆!」
「ちょっと黙ってて!」
オリヴィエは赤面している。ヴィザルはお姫様抱っこしたまま勇薙の攻撃から避けている。
「凄い動き!」
勇薙はアクロバットに避けるヴィザルに驚いていた。ヴィザルはそのまま壁の後ろに隠れた。
「オリヴィエさん。今は共闘しましょう。話は後でお願いします。」
「うん!会場はどこにしようかしら?」
「誰か助けて!」
ヴィザルが叫んだら勇薙が雷で龍を作って攻撃してきた。
「《雷龍》」
勇薙が放った龍はそのまま壁を貫いて二人を襲った。ヴィザルは剣で龍を両断して下がった。オリヴィエは雷を放って龍の攻撃を防いだ。
防がれたのを見た勇薙はオリヴィエには雷龍を増やして放ち、ヴィザルには雷と炎を合わせた渦を放った。
「《冥獄炎龍》!」
渦は天井や柱を破壊してヴィザルに命中した。ヴィザルは吹っ飛ばされてしまい、瓦礫の下敷きになってしまった。
「や、ヤバい!」
ヴィザルはなんとか抜け出そうとするが足が挟まっているためなかなか抜け出せない。そこに勇薙は雷の刀を生成してヴィザルに向けて飛ばした。
「!」
その時、オリヴィエがヴィザルの前に立ち刀を受けたのだ。胸に刺さった刀が消えるとオリヴィエは倒れてしまった。ヴィザルはなんとか手を伸ばしてオリヴィエの手を掴んだ。
「オリヴィエ・・・さん。」
「良かった、無事で。はじめて好きになった人は絶対守りたい、から。頑張ってね、ヴィザルく・・・ん。」
《オリヴィエ・アストライカ リタイア》
オリヴィエが退場したのを見た勇薙は複雑な心境だった。
「なんかこれ、完全に俺が悪役なんだけど。」
勇薙はこの状況で攻撃していいのか迷っていたら瓦礫を破壊したヴィザルが立ち上がっていた。
「ありがとう、オリヴィエさん。僕は負けない。必ず生き残る。」
ヴィザルは剣を勇薙に向けて息を整えた。そして、一気に走り出して勇薙の目の前にまで近づいた。
「!」
勇薙は刀でヴィザルの剣を防ぎ、下がったらすぐに雷龍を放って牽制した。しかし、ヴィザルは一切迷うことなく突っ込み、雷龍を凪払った。
「な、なんでいきなりこんなに強くなってるの!?」
「多分、愛です!」
「何故そこで愛ッ!?」
勇薙は下がりながらも雷龍や炎の刀などで攻撃しているが、ヴィザルは受け流しながら距離を詰め勇薙と切り合いになりつばぜり合いになった。
その時、ヴィザルの剣が折れてしまった。
「な!?」
「もらった!」
勇薙が刀で袈裟斬りしようとしたがヴィザルはとっさに避け、擦った程度に抑えた。
「悪いけどここで決める!」
そう言って勇薙は刀に雷を纏わせ、構えた。そして、彼はラスト・ワン・オデュッセイアの中盤でフリーラを真っ二つにした大技を放った。
「《雷薙叢雲剣》!」
勇薙が刀をフルスイングすると轟音とともに床が抉れ、周りの柱や壁は切れ崩れていった。しかし、ヴィザルは一切臆することなく走り出した。
「!」
勇薙が驚いているとヴィザルは足に風を纏わせて雷を切り裂いた。
「まさか、これを切り裂いただと!」
さらに、勇薙が驚いているとヴィザルは跳んだ後、足の風を赤くさせて勇薙を蹴り貫いた。
「《アーススピアキック》」
「な!?」
《勇薙 進一 リタイア》
勇薙が退場した。その時の爆発を背中にヴィザルは立ち上がり右腕を高らかに挙げた。
「ありがとう、オリヴィエさん。」
ヴィザルが上に向かおうとした瞬間、天井が崩れ戦っているインドライガとトールバスターが現れた。
次回予告
ライバル対決が決着!
「一応この小説の主人公って僕ですよね?」