大事な時は飲み過ぎるな
前回のあらすじ
エレキナが全裸土下座した。
「そこを選ばないでください!」
ヴィザルが初めてクエストをアイアンガイアのメンバーと一緒にクリアした夜、本部でヴィザルの加入記念パーティーが朝まで盛大に行われた。ちなみに、費用はクエスト報酬からとっていた。
翌日
本部の中はメンバー達が二日酔いで倒れていた。ヴィザル達未成年組とケンはパーティーの後片付けをしていたら、そこに一人の男がやって来た。
「うわぁ、酒臭いな。」
「お久しぶりです、フレアガルドさん。」
「よぉ、ケン。相変わらず苦労しているみたいだな。」
ケンが話している男をヴィザルが見ていると男はヴィザルの元に来た。
「やぁ、会うのははじめましてかな、オルディダンテ君。」
「え、僕のことを知っているんですか?」
「まぁな。」
「ヴィザル。彼はフレアガルド・オールドランド。オリュンティア評議会の最高位、魔聖七天王のうちの一人だ。」
「Σ(Д゜;/)/!」
「顔文字で表現するな。どう聞こえたんだ、今。」
「まぁ、驚く気持ちも分かる。お偉いさんがなんでこんなところに、だろ?」
「全くもってその通りです。」
フレアガルドはそのまま進み、サリアのところに行った。サリアは二日酔いで寝ている。
「サリア、起きろ。クランマスターだろ。シャキッとしろ。シャキッと。」
「うるさい。今、頭が痛いんだ。」
「それは自業自得だ。折角、クエストを持って来てやったのに。」
「報酬はいくら?」
「0」
「ふざけるな。そんなクエスト、絶対にいかんぞ。」
「その代わり、マスターズに推薦してやる。」
「ホントか!?おい、お前ら!寝てないでクエストの準備するぞ!」
「うわぁ、マスターも手のひら返しが凄い。」
「だろ?扱いやすい。」
サリアは二日酔いで倒れているメンバーを全員叩き起こしていた。
サリア達はクエストの場所に向かっていた。
「頭いてぇ~。」
「くらくらする。」
「全く、だらしないぞ!」
「あの、特大ブーメランが刺さってますよ。」
「いつものことよ。すぐに慣れるわよ。」
「それで、クエストの内容は何?」
「確か、フレアガルドが言うには魔獣が目撃されたからその調査をしろだって。それと、今回は他のクランと合同でするらしい。」
サリア達が歩いている時、ヴィザルはケンに質問していた。
「そういえば、マスターズって毎年行われているオリュンティアの祭りですよね。」
「そうだ。毎年、8組のクランが年によって違う競技を競い合い、1位を決める祭りだ。」
「僕も毎年テレビで見てます!もしかしたら、出れるんですか!?」
「現状厳しいな。」
「え?」
「マスターズに出場するには、クランメンバーが10人以上、去年のクエストクリア数が100件以上、そして魔聖七天王の推薦が4人以上じゃないといけない。俺達の場合、去年のクエスト数は一応、クリアはしている。が、メンバーが足りない上に毎年推薦してくれるのがミョルニオス爺さんだけだからな。」
「なるほど、だからサリアさんはあんなに張り切っているんですね。」
「そうだ。あいつの夢の一つにマスターズ優勝があるからな。昔はアイアンガイアも出場していたけど優勝なかったし、先代マスターが死んでからはメンバーも減ってこの通り夢物語になっていたんだが、お前が加入してフレアガルドさんが推薦してくれるとなれば夢が現実になるかもしれないと思っているんだ。」
「そうなんですね。・・・あれ?今、僕達のクランってメンバーが9人ですよね。出場条件に当てはまらないんじゃ。」
「それが、サリアの奴、お前が連れて来たアンドロイドをメンバーに加えたぞ。」
「いつの間にそんなことしてたんですか!?」
「ついでにお前の加入申請もしておいた。」
「あ、ありがとうございます。」
「いや~、楽しそうですねぇ、サリアさん。」
「そうですねってなんでいるんですか、フィルディオさん!?」
いきなり現れたフィルディオにヴィザルは驚いていた。
「フィルってお呼びくださいよ。いや~、アイアンガイアがマスターズに出場するかもとなれば取材しないわけにはいかないでしょ。」
「本当に耳聡いな。」
「それでは!」
フィルディオはそのままサリアの取材に行った。
次回予告
いろいろ起こるよ。
「雑!」