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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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パーティーは盛大に

前回のあらすじ

オリヴィエ、生徒会長就任!


「おめでとう!」

「ありがとう!」

「これで俺達が学園を支配…」

「余計なこと言うな!」

 卒業式が終わった。これでヴィザル達は3年生になり最上級生となる。これからはヴィザル達が後輩を引っ張る番だ。

 まぁ、そんなこと気にしないヴィザル達は卒業式が終わると浮かれていた。無事にオリヴィエが生徒会長になり一安心ってところだ。


「これでオリヴィエも生徒会長か…」

「なぁ、これを祝してパーティーしようぜ。」

「ええな!」

「賛成!」

「じゃあ場所はメタルバンドな。」

「OK。先行ってる。」

「こっちも準備して行くわ。」

「ちょっと待ってください。」


 メタルバンドに向かおうとするガルム達をヴィザルが止める。


「なんでうち!?」

「なんでって…お前がハーレムにならないようにだよ。」

「やっぱり根に持ってる!」


 ヴィザルが逃げようとするもすぐに捕まり連れて行かれる。途中、買い物に行っていたレギン達と合流しメタルバンドに着いたヴィザル達。早速中に入るとボンデージ姿で吊るされているウズメ達と蝋燭と鞭を持っているカリスティがいた。


「•••」

「あら、ヴィザルじゃない。お友達もいるのね。ちょっと待ってね。」

「待てヴィザル!これはこいつのお巫山戯に巻き込まれただけで…」


 必死に弁明するエレキナを無視して奥に向かう。オリヴィエがカリスティ達に呆れながら扉を開ける。そこには際どいランジェリー姿のサリアとアルティネがいた。


「どう?あんたより私の方が似合うでしょ?」

「くそ…私じゃダメなのか…」

「だから、言ったでしょ?これは…」


 アルティネとオリヴィエの目が合う。アルティネが汗を掻く。オリヴィエが蔑む。そのまま扉を閉める。


「待ってオリヴィエ!違うの!」

「マスターもはっちゃけたい時がありますもの。私は大丈夫ですわ。」

「大丈夫じゃないから!これはランジェリーモデルの依頼をどちらが受けるか勝負しただけだから!」


 慌てて弁明するもオリヴィエの蔑む目は変わらない。そのまま助けを求めるエレキナを無視してパーティーの準備を進めた。そこにクロアとマキナが帰ってきた。


「なんだ?今からパーティーか?」

「ええ。オリヴィエさんが生徒会長になったのと無事3年生になった祝いとして。」


 ヴィザルが説明するも後ろにいるボンデージ姿で吊るされているウズメ達と蝋燭と鞭を持っているカリスティとランジェリー姿でオリヴィエに擦り寄るアルティネが気になり過ぎて話が入らない。


「よくこの状況で進めれるな。」


 買った料理を並べたり飾り付けしているガルム達。吊るされたウズメ達が飾りの一部になっている。準備が終わりパーティーが始まる。始まりの合図をヴィザルが担当する。


「え〜…オリヴィエさんの生徒会長決定と僕達の進学の無事を祝って…乾杯!」

「「「乾杯!」」」


 みんなでジュースを飲みお菓子を食べる。ケン達がオリヴィエに称賛の言葉を贈る。アルティネも贈るがオリヴィエは若干引いている。アルティネは涙を流し跪く。


「折角のパーティーだしなんかゲームやろうぜ!」

「ならいいのがあります。」


 ガルムが提案する。それに乗ったレギンがヴィザル達に画面が着いた機械を渡す。その機械にはボタンが1つだけあった。


「ルールは簡単。合図と共にボタンを押します。画面に数字が出ます。そして、オリヴィエが数字を言って命令する。命令られた数字の人はそれに従うというゲームです。」

「「•••それ、王様ゲームじゃねぇか!」」

「いえ、オリヴィエ様ゲームです。」


 レギンが言うゲーム…つまり常にオリヴィエが王様の王様ゲームだ。過去、何度も王様ゲームに振り回されたヴィザルとサリアが別のゲームにしようと提案するも却下された。


「まぁ、数も多いし姫様もいねぇし前よりはマシじゃね。」

「そうね。オリヴィエさんならまともな命令にしてくれるでしょ。」


 ヴァンガスやエウリアが賛同する。仕方なくヴィザル達も賛同した。それを見たレギン達はニヤリと笑う。


(これなら女性といい感じになれる。)

(オリヴィエを常に王様にすればオリヴィエ関係の事故はなくなる。)


 このゲームは予めガルム達が仕組んだもののようで上手くいったとニヤニヤしている。


「じゃあ、やるぞ!」

「ゲームスタート!」


 みんなで一斉にボタンを押す。ヴィザルの番号は11だ。全員の番号が出るとガルムがオリヴィエに命令を出すように言う。


「え、え〜と…8番が最近の失敗した話を1つ言う!」

「俺だ。」


 8番はヴァンガスのようで考える。


「特に無いな。」

「いや、この前の冒険者講習で全然説明出来なかったのは明らかに失敗談でしょ。」


 ガルムが指摘する。ヴァンガスがあ〜と思い出す。一応、失敗談は言ったので次に進む。


「じゃあ、7番のほっぺに13番がキス!」

「きたー!」


 オリヴィエの命令に興奮するガルム達。それを見たソールが引いていた。どうやら、7番はソールのようだ。ソールはチラッとヴィザルを見る。すると3が見えた。


「もしかして、13番ってヴィザル!」

「なんだとー!」

「ダメー!やっぱりダメー!」

「いや、僕3番です。」


 ヴィザルが3と表示された画面を見せる。ホッとするオリヴィエ。じゃあ誰だと見回すソール。そのソールの肩を叩き13と表示された画面を見せるカリスティ。


「さぁ、いらっしゃい…」

「あ、あれ?なんか嫌な予感が…」


 とっさにアルティネがヴィザル達男性陣の目を茨で塞ぐ。ソールの悲鳴がする。凄い気になる。茨がなくなるとツヤツヤになっているカリスティと痙攣しているソールがいた。


「なんでほっぺにキスでこうなってんの?」

「聞かない方がいいわ。」


 アルティネが無理矢理次に進める。オリヴィエはヴィザルが変なことにならないように命令を考える。


「そ、それじゃあ…1番!一発芸!」


 オリヴィエの命令にエルギスが目を丸くする。ガルムがエルギスが持っている機械を覗き見ると1と表示された画面が見えた。


「よーしエルギス!一発芸だ!さっさとやれ!」


 早くやれと急かすガルム達。すると、エルギスはガルムとヴィザルを連れて2人の頭を縦に並べると自分の頭を一番上に置いた。


「一発芸、トーテムポール。」

「「「••••」」」

「•••よし。」

「よくねぇ!てめえ俺達を巻き込みやがったな!」

「これじゃあ僕達までスベった感じになってますよ!」


 ガルムとヴィザルが文句を言う。しかし、オリヴィエの命令通りにしたので次に進んだ。ヴィザルは2番だ。


「じゃあ、2番は…」


 オリヴィエが2番と口にした瞬間、ヴィザルが反応した。それをオリヴィエは見逃さなかった。


「…私のほっぺにキス!」

「マジかよ!」


 オリヴィエの命令にガルム達が反応する。誰だと周りを見る。後ろからクロアがヴィザルの画面を見た。


「2番、ヴィザルじゃん。」

「あ、はい。」

「てめえ!」


 ガルム達がヴィザルを処刑しようとする。それをなんとか耐え凌ぎオリヴィエのところへと向かう。すると、何故かヴァンガスも前に出た。不思議に思っているとヴァンガスが2と表示された画面を見せた。それを見て全員が静かになる。


「•••え?」

「•••な。」

「なんでや!?なんで同じ数字があるんや!?」

「おいレギン!どうなってんだ!?」

「どうやら、不備があったようですね。」


 唖然とするオリヴィエ。ケンとアルティネがヴァンガスを引きずる。ヴァンガスが暴れるのでケンが首を絞めて落とす。


「空気読め。」

「ここはヴィザルがオリヴィエにキスするのが正解よ。」

「ついでにあいつらも抑えた方がよくない?」


 クロアが指差す。その先にはヴィザルのキスを阻止しようとするガルム達をヘルマが抑えていた。アルティネが茨でガルム達を拘束する。その隙にヴィザルが勢いでオリヴィエの頬にキスした。初めてのキスに意外と純情なヴィザルは照れている。オリヴィエはご満悦な表情だ。


「じゃあ次で最後だ!ヴィザルを処刑してやる!」

「これそんなゲームでしたっけ!?」

「オリヴィエ!命令!」


 パーティーも大詰め。ガルムがオリヴィエに叫ぶ。オリヴィエもこれを最後にしようと大胆な命令をくだした。


「じゃあ…10番に全員がキス!」

「あ、あわわわわわわわ…」


 オリヴィエが命令した瞬間、アルティネが泡を吹いて震えた。サリアがアルティネの後ろから画面を見る。


「アルティネじゃん。」

「ちなみに他に10番は?」


 チャーリーが聞くも誰も反応しない。今回は不備はないようだ。逃げるアルティネをサリアとカリスティが捕まえる。


「私、用事を思い出したの!」

「あれれ〜?私よりランジェリーが似合う女がこんなのも出来ないの〜?」

「ランジェリー関係ない!」

「大丈夫よ。ソールちゃんにやったように優しくキスしてあ•げ•る。」

「いや〜!」

「ケン!今月の家賃を…」


 そこにレザニアが入ってくる。彼女は見た。ランジェリー姿で暴れるアルティネをサリアとカリスティが抑えつけガルム達がキスしようとしている光景を。


「ケン、これは一体なんだい?」

「いつも通りです。」


 阿鼻叫喚のメタルバンドを見てそう語るケンであった。

次回予告

春休み突入!


「今度こそ…」

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