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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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新しい世界の扉

前回のあらすじ

ヴィザルが入院。


「ヴィザル君、お尻出して!」

「嫌です!」

 ヴィザルが入院している頃

 バルドは…

 セーラー服を着ていた。


 時は遡って数時間前

 バルドは1人レジェンドネスト内にある闘技場で素振りをしていた。そこにインドライガがやってくる。


「あまり無理するなバルド。」

「はい。ですがヴィザルがあそこまで強くなっているのに俺はまだまだだと痛感させられました。」

「そんなに気に病むことじゃない。サリアとオリヴィエから聞いたが…ヴィザルの奴留学している間にテロリスト倒してヴォルネスト帝国の革命でタルタロスを倒してグレイアストロンと決闘してヴリドラシルとヴァルボロと交戦して学園に侵入した暗殺者を倒してウェルテル社長との決闘に勝利して女体化して無理矢理結婚させられそうになった少女を救出してオリヴィエ達とハーレム婚して新婚旅行先でトイランドの革命に巻き込まれたらしい。」

「どんな留学生活だ!?なんでそんな次々とトラブルやら革命に巻き込まれてんだ!俺なんて魔人とドラゴン退治ぐらいしかしてないぞ…」

(それでも十分凄い方なんだが。)


 ヴィザルの波瀾万丈な留学生活に驚くバルド。それでもヴィザルには負けられないと特訓する。しかし、今のヴィザルを超えられるか分からない不安が邪魔をする。それを察知したインドライガがアドバイスしてくれた。


「バルド。魔法は俺やリーカンシーから学んだ。だったら剣術も別の人から学んでみたらどうだ?例えばケンとかどうだ。」

「•••確かに。あの人なら剣術も魔法も一流。戦闘の経験が豊富だから新しい自分が見つかるかも。」

「思い立ったらすぐ行動してみろ。」

「はい!」


 バルドは決めるとすぐにケンに会いに行った。


「なるほど。それで俺のところに。」

「ご指導ご鞭撻よろしくお願いします!」

「いいが…俺、これから依頼に行くから修行はそれが終わってからだ。」

「いや…その依頼、俺も行きます!」

「待て。さすがにこれはお前にはキツいぞ。」

「いえ!それこそ俺が望んでいた物です!今まで可能性の殻を破れずにいた自分を変えるチャンスです!どうか!」


 頭を下げるバルドにケンは断り難くなっていた。


「じゃあ、来てもいいが後悔するなよ。」

「はい!」


 そして、今に至る

 バルドは今モミモミパブクラブにいる。ヒラヒラのスカートからしっかり筋肉が付いた太腿が見える。バルドが周りをキョロキョロ見回す。チャイナ姿のケンが堂々と接客している。


「なんでだよ!」

「だから言ったろ。お前にはキツいって。」

「違う!俺が想像してたのと全然違う!」

「大丈夫ですよ。慣れたら楽しいです。」


 肩を落としているバルドにヘルマが励ます。


(いや…冷静になれバルド。ここにはケンさんとヘルマ以外知り合いがいない。ならばさっさと終わらせて修行に移ればいいだけだ。)


 バルドは心機一転、ちゃんと仕事をしようと入ってきた客に元気良く挨拶した。


「いらっしゃいませ!」

「•••バルド、お前何してんだ?」

「ちくしょー!」


 ギガストロが驚いた顔で見る。客はギガストロだった。互いを見ている間、無言の時間が続く。そして、バルドは膝を着いて項垂れ叫んだ。


「なんでギガストロさんがいるの?」

「客として来た。お前こそなんでここで働いてんだ?」

「そ、それは…」

「入院しているヴィザルの代わりだ。」


 言葉を詰まらせたバルドの代わりにケンが答えてくれた。納得してくれたのかギガストロはそれ以上聞かずケンに案内され席に座る。そこにヘルマが来て接客した。


「いらっしゃいませ!ご注文は?」

「いつもの。」

「かしこまりました!」


 そう言って奥の部屋へと消えて行く2人を指差すバルド。目を丸くしてケンを見る。ケンは知らないフリして接客をした。


「なんなんだあれ…」

「仕方ないわよ。ヘルマちゃんは当店人気ナンバー1なんだから。」


 何も言ってくれないケンの代わりにボピーが説明してくれた。バルドにタブレットを見せる。


「ほらっ。ここに人気トップ10の子達が載ってるわよ。」


 バルドが人気嬢をジーと見る。7位にヴィザルがいた。


「なんでだ!?なんであいつがいるんだよ!?」

「ヴィザルちゃん、結構人気よ。でも大丈夫。お兄さんのあなたならヴィザルちゃんを超えることが出来るわ。」

「こんなんで超えたくない!」


 頭を抱えて嘆くバルドに誰かが近寄ってハンカチを渡してくれた。バルドはそれを受け取る。渡してくれた相手を見ると自分と同じセーラー服を着ている銀髪の美少女(?)がいた。バルドがタブレットと顔を交互に見る。人気ナンバー4のクリスだった。


「あ、あなたは…」

「クリスです!やっぱり最初は戸惑いますよね。私もそうでした。でも、慣れたら楽しいですよ!ヴィザルさんも最初はそうでした。」


 ニコッと笑うクリスに一目惚れしてしまう。しかし、忘れてはいけない。ここで働いているのは全員男だ。それでもバルドはクリスの笑顔に惹かれた。


「頑張っていきましょう!」

「は、はい。」


 バルドは空返事する。でも、クリスと一緒に働いているとなんだか自分の知らない新しい世界が見えてきそうだった。バルドは一生懸命働いた。それを見たケンは優しく微笑んだ。


 そして、翌日


「いらっしゃいませー!」

「ケン!お前バルドに何をした!?」

『••••黙秘します。』


 クラン内でもセーラー服姿で接客しているバルドについてケンに数時間問い詰めるインドライガがいた。

次回予告

ウズメが何かに悩んでいる。


「私って…」

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