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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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何人寄っても猿の知恵

前回のあらすじ

サリア、やらかす。


「本当に大変でした。」

「ごめん。」

現在、ヴィザル達は悩んでいた。

「じゃあ、今の状況を振り返よう。まず、トロイタワーの中にはトールバスターとインドライガ。周辺には無数の地雷。そこを突破して中に入らないとあの二人にやられて終わりだ。」

「っていうか、あんた解除できないの?」

「無理!」

「ハッキリ言っちゃった。」

サリア達が悩んでいるとヴィザルが手を挙げた。

「お、ヴィザル。何か案があるのか?」

「とりあえず、ここにいる人達を橋にしましょう。」

「待ちなさい。何さらっと私達を生け贄にしようとしてんのよ!」

ヴィザルの提案にアルティネが真っ先に反対した。

「あれで体が残ってんのあんたとこのバカだけよ!そんなことしたら橋になる前に消滅するわ!」

「おい、バカってなんだ。」

アルティネが叫んでいると次はオリヴィエが手を挙げた。

「よし、オリヴィエ。あなたなら大丈夫よ。なんか案を出しなさい。」

「とりあえず、皆さんが地雷を踏んで地雷ごと消えた後に行きましょう。」

「おもいっきりサイコな案が出たー!」

「おい、大丈夫じゃねぇぞ。」

「なんで!?なんで、淑女代表みたいなあなたがそんな過激な案を出すの!?」

「ヴィザル君が無事ならそれでいいの。」

「ヴィザル!あなた、オリヴィエに何をした!?」

「やってません!やったと言えば、告白と土下座だけです!」

「それはそれで何があった!?」

両目からハイライトが消えているオリヴィエのことをヴィザルに問い詰めていた。もちろん、この案も却下となった。

「まぁ、ゆっくり考えよう。時間はあるんだから。」

勇薙がそう言った瞬間、実況からアナウンスが流れてきた。

『え~。今からルールを追加します。参加人数も少なくなって遭遇すること自体がなくなってきたのでここからトロイランドにダメージフィールドが設置されます。ダメージフィールドは少しずつ中央にあるトロイタワーに向かって小さくなって行きます。これに触れると即リタイアとなります。ダメージフィールドはトロイタワーに着いたらそのまま止まりますので皆さん、急いでトロイタワーに向かってくださ~い。ちなみに到達まであと15分でーす。』

「・・・」

その実況を聞いた瞬間、各地で急いでトロイタワーに向かう参加者が増えた。そして、トロイタワーの直前で地雷を踏んでリタイアする者が続出した。

「おい~!いきなりヤバいルール追加されたんだけど!よりによってこの時!前には地雷、後ろから即リタイアのヤバい奴!どうしろと!?」

「なんか、本当にエー○ックスレジェンズみたいになってる。」

「止めて!これ以上、土下座したくない!」

サリアが騒ぎまくっていた。勇薙は今の状況を見てある有名ゲームに例えた。それにもサリアがツッコミを入れていた。

「とりあえず、あの建物を倒して橋にするのはどうだ?」

ドトールが後ろにあるビルを指差した。

「確かに、今までで一番マシね。」

「ヘタレパクリのくせにいい案よ。」

「なんだ、ヘタレパクリって。」

早速、サリア達はビルの一部を破壊した。ビルはトロイタワーの方に倒れた。その瞬間、爆発と共に粉々になった。

「・・・」

「あの地雷どんだけ威力あるのよ!?」

「いや~さすが私。」

「あれ、でもこれでここ、通れるんじゃ。」

「あぁ、私の地雷は爆発した後、すぐに再設置されるから。」

「なんでそんなところだけ高性能なのよ~!」

アルティネがサリアを振りまくっていた。

「じゃあ、アルティネはなんか案があるのか?」

「・・・そうね。じゃあ、これはどう?」

アルティネはそう言って地面から大量の薔薇を出してトロイタワーと繋げた。

「これが即席で作ったローズブリッジよ。さぁ、渡りましょう。」

「・・・行けるかぁー!」

アルティネの提案にサリア達が反対した。

「何あの橋!トゲだらけじゃねぇか!あんな刺々した橋渡りたくねぇよ!何の苦行だ!?」

「何よ。これしきで根をあげちゃって。」

そう言うとアルティネはローズブリッジを歩き始めたがすぐに戻ってきた。

「痛~い!トゲが靴を貫いた~!」

「あんた、バカでしょ。」

「マスターってこんな人でしたっけ?」

涙目で足を抑えるアルティネをサリア達は冷たい目で見ていた。すると、なにやら考えていたドトールがポンッと手を叩いた。

「どうした。なんかいい案でも浮かんだか?」

「そういえば俺って瞬間移動が使えたわ。と、いうことでバイバーイ。」

そう言ってドトールは消えて行った。

「あの野郎~!何先に逃げてんだ~!」

「いや、あれが普通な気がする。」

ドトールがいなくなったことでさらに焦るサリア達。すると、悲鳴と共にリタイアの声が聞こえてきた。サリア達がおそるおそる後ろを振り向くとダメージフィールドらしき赤い半透明の壁が見えてきた。

「ヤバい!なんかヤバいのが来た!」

「どうする、どうする!?」

サリア達があわてていると勇薙が雷でトロイタワーの壁を破壊した。

「どうした、イキリチーター。」

「まともに呼んでください!」

そう言って勇薙は落ちてくる瓦礫の上を渡ってトロイタワーに入って行った。

「・・・あ、あいつ~!先入りやがった!」

「どうします!?もう、あれ目の前ですよ!」

どんどんダメージフィールドが近づいてくる中、サリアはヴィザルの肩を掴んだ。

「ヴィザル、お前が私をおんぶして渡れ。」

「いやだ~!」

「そうしないとあれに消されるぞ!」

サリアが必死に説得(?)したおかげでしぶしぶヴィザルはサリアをおんぶした。そして、おもいっきり走り出した。

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」

ヴィザルが叫びながら走る。走った後に爆発がくるほど早く走った。そして、ダメージフィールドがくる直前でなんとかトロイタワーに入ることができた。

「し、死ぬかと思った。」

「良くやった、ヴィザル。」

二人はぜぇぜぇ言いながら仰向けになっていた。

「サリアさんは乗っていただけですよね?」

「・・・」

「答えてください。」

こうして、ヴィザルとサリアはなんとかリタイアせずに済んだ。

ちなみに、アルティネとオリヴィエは痛いのを我慢しながらローズブリッジを渡ってトロイタワーに入って行った。

次回予告

やっと終盤戦開始


「本当にやっとです。」

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