独裁国家に革命軍はつきもの
前回のあらすじ
子供を虐めるサリア達。
「それ止めて!印象が悪くなっちゃう!」
あれは俺がまだガキの頃だった…
「あ、そういう長くなりそうなのは省いて要点だけ言ってくれ。」
「てめえ。」
ケンが話し始めるもサリアが途中で区切り省略を求めてきた。
「ここで革命が起きたのは俺がオリュンティア公国護衛騎士団団長を務めた後だから詳しいことは知らん。」
「ならそう言ってくれ。」
ここで何が起きたのか詳しいことは知らなかったのかケンは革命のことは一切話せなかった。その代わり自分が幼い頃の話をざっくりと聞かせてくれた。
要約するとトイランドの国民アラン•アレスザードの娘アーシャ•アレスザードと日本からの転生者武之内刀一の間に産まれた子供で幼い頃から剣術と魔法の才能があってその才能を買われオリュンティア公国に行っている間に革命が起こり政権が変わったという。
「なんでその時にここに来なかったのよ?」
「いろいろあった。悪いが詳しいことは言えねぇ。」
エウリアが質問するもケンははぐらかした。代わりに茶髪の少年が話し始めた。
「僕は罪木レン。彼女は折神カナ。僕達は反ザース政権を掲げる革命軍アレスザード解放戦線で僕とカナがリーダーなんだ。」
レンは隣で縛られているカナと目を合わせる。
「ザースは全国王アランを革命という名目で暗殺しトイランドを乗っ取ったんだ。」
「そして、妻と娘も殺害し政権を完全に奪うとトイランドを支配していったの。」
「独裁政治か。」
「そう。ザースが政権を握ってからは完全な軍事国家になったわ。大量の武器弾薬を他国から買い占めたり新たな武器を開発したりやりたい放題よ。」
「なんでこの国で軍事国家?玩具の国じゃなくても他に軍事国家に相応しい国ならいくつもあっただろ?」
ヴァンガスの疑問にレンが答える。
「それはこの国にはレオナルドという男が作った最大最強の兵器があると伝えられているからなんだ。」
「なんでよりにもよってこの国?」
エレキナが周りを見ながら疑問を口にする。謎に包まれたレオナルドという人物。彼が作った兵器が何なのか?何故この国に残したのか?疑問は絶えないがそれよりも気になることがあるのでウズメが聞いた。
「彼女は何者なのだ?ただの少女には見えないが。」
カリスティが抱えている少女を見て聞く。みんな、いやケン以外が気になっていたことだ。彼女は何者なのかをレンが教えてくれた。
「彼女こそアーシャ様と武之内様の間に産まれた正当なる後継者ユア•アレスザード様だ!」
レンの回答に驚く。クロアがケンとユアを交互に見る。
「ってことはこの子…ケンの妹!?」
「ってことになるな。」
「「「「似てね〜。」」」」
ケンがサリア達を蹴り飛ばす。確かにケンとは似てないが血は繋がっている。少女が何者かは分かった。しかし、さらなる謎が産まれた。
「じゃあなんでこの子は命を狙われなかったの?」
ヘルマが聞く。その質問にエレキナ達がそういえばと疑問に思った。
「それはレオナルドが作った兵器と関係がある。」
「どこに?何の関係もないでしょ?」
「大有りだよ。なぜならユア様と…ケン様がその兵器の機動スイッチになっているからだ。」
「「「はぁ!?」」」
言っていることが分からず首を傾げるサリア達。
「どういうこと?」
「2人の掌紋が同時に認証された時に初めてその兵器が機動すると伝えられているんだ。」
「生体認証魔法か。」
「それってエウリアの時と同じパターンじゃない?」
「確かに。ワンパターンね。」
「メタいです。」
いろいろと分かった。これからどうすればいいのかもなんとなく分かってきた。サリア達はレン達の縄を解く。
「まずは僕達のアジトに案内します。」
「ヴィザルの新婚旅行を冷やかしにきたのに面倒事に巻き込まれたじゃん。」
「新婚旅行って言えば…このお姫様フェルに似てるよね?」
クロアが口にしたことでみんな確かに似てるなぁと顔を覗き込んだ。すると、レンが振り返った。
「あの、そのフェルって人を知ってるんですか?」
「まぁね。」
サリアが答えるとレンは黙ってしまった。気になったサリアが聞く。
「それがどうした?」
「実は…今日ユア様と似た少女がザースの手下に捕まったと報告がありまして…」
「もしかしてこんな感じの子?」
サリアがスマホでフェルトリーネの写真を見せる。すると、レンが頷いた。報告したという子供も一緒に頷いている。
「•••」
「あいつも面倒事に巻き込まれていたのね。」
いつものことで呆れるというよりか同情するサリア達。そのヴィザル達のところでも危険が迫っていた。
次回予告
フェルトリーネを捜すヴィザル達のところにもザースの魔の手が…
「僕と殺り合いたければ世界最強の処刑人か超古代殲滅兵器を連れてこい!」
「もういいからそれ。」




