表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
359/406

プラモデルの男

前回のあらすじ

怪盗カシオペアの素顔(?)


「そそそ、そんなわけないでしょ!」

 ヴィザルは驚愕していた。目の前に怪盗カシオペアの格好をしたヒスイがいるのだ。カシオペアは自分の顔を触り仮面がないのに気付くと顔を手で覆った。すると、一瞬でサリアの顔になった。そして、次々とオリヴィエやフェルトリーネといったヴィザルの知り合いに顔を変えていった。


「!?」

「これが変装魔法よ。怪盗が自分の顔でするわけないでしょ。」

「な、なるほど…」

(なんで僕の知り合いに変装してるんだろう…?)


 なんか違和感があるが一応納得したヴィザル。いろいろと聞きたいことがあるので質問しようとした瞬間、街の方で爆発音がした。


 今から数十分前

 少女をサリアの部屋に移動させたケンは自分の部屋で一息ついていた。一緒にいるヴァンガスとヘルマがケンの行動に不審感を持っている。ケンに何があったのか聞こうとした瞬間、外に気配を察知した。


「おい、ケン。」

「分かってる。」


 ケンがドアに近付く。それと同時刻、少女を寝かせているサリアの部屋でも同じことが起きていた。サリアに何があったのか聞こうとしたカリスティがいち早く外の気配に気付き警戒した。

 サリアとケンが扉を開けようとした瞬間、ケンが振り向き裏拳をした。その瞬間、バチッという音と共に壁が焦げたのだ。


「マジかよ。一応殺傷力が低い麻痺魔法弾を使用しているとはいえあれを素手で弾くか普通。」


 狙撃した男バンダイが驚く。ケンが狙撃地点と思われる建物の屋上を睨んでいると部屋にロボットみたいな玩具がぞろぞろと入ってきた。


「わーお、団体様のお着きだ〜。」


 サリアの部屋にも同じ玩具がぞろぞろと入ってくる。玩具達はビームサーベルを取り出すと一斉に襲ってきた。それをサリア達は迎え撃つ。しかし、数が多い。仕方ないのでマキナが窓を破壊して逃走した。

 それと同じタイミングでケン達も窓から出てきた。下に停めてあるレンタカーに乗って逃げる。サリアと少女、エウリア、カリスティ、クロア、マキナが乗ったレンタカーに向かって玩具達が飛びながらビームライフルを撃つ。ケンやヴァンガス、ヘルマにエレキナ、ウズメが乗ったレンタカーにも玩具達が攻撃を仕掛ける。


「ヴァンガス、運転頼んだぞ。」

「え?おい!?」


 ケンが運転をヴァンガスに任せるとレンタカーから飛び降りた。玩具達はヴァンガスが運転するレンタカーを追う。ケンは1人になると後ろを向いて睨んだ。


「さっさと出てこい。狙いは俺だろ。」

「分かって1人になったか。」


 ケンの前にバンダイが現れる。バンダイはビームサーベルを生成して向ける。ケン刀をいつでも抜けるように構える。


「何者だ?」

「まぁ…名乗らずに襲うのも品がないか。バンダイと呼んでくれケン•アレスザード。」

「やはり俺を知って襲ってきたか。」


 バンダイはニヤリと笑うと背中に隠していたショットガンをぶっ放す。ケンは地面を迫り上がらせて盾にする。そこをビームサーベルで貫いた。しかし、そこにケンはいない。バンダイが上を向くと刀を構えたケンが一刀両断してきた。バンダイは下がって避けるもショットガンが真っ二つになった。


(接近戦は不利か。)


 バンダイは下がりながらビームライフルやバズーカを生成しては撃ちまくる。ケンは避けたり弾いたりしながらバンダイに接近する。すると、バンダイは背中にブースターと翼を生成して飛んだ。


「なるほど、そういう芸当もあるのか。」

「驚いたか?これが俺の魔法、プラモデル魔法。様々なプラモデルを装備して操ることが出来る。例えば…」


 バンダイは両手を広げる。すると、背中に新たにフィン・ファンネルが生成された。それを展開してケンを攻撃する。


「おい、それ許可取ったのか?」

「許可?なんのことだ?」

「それはアウトだろ!」


 明らかにアウトな装備で攻撃してくるバンダイ。さらに、バンダイは両手にバスターライフルを装備した。それを合わせて光線を撃つ。


「どうなっても知らねぇぞ!」


 ケンは避けながら斬撃を飛ばしてフィン・ファンネルを撃墜する。バンダイはさらに高く飛んで攻撃する。するとケンは左手に風魔法を纏い溜める。


「お、刀だけじゃないんだな。」

「一芸だけじゃやっていけんからな。」


 ケンは風魔法を溜めるとそれをレーザーのようにしてバンダイに向けて発射した。


「《破嵐万縄》」


 放たれたレーザーは真っ直ぐバンダイに向かって飛ぶ。バンダイは間一髪でレーザーを避けた。ニヤリと笑ってケンを見下ろす。その時、レーザーがバンダイのブースターを貫いた。なんだ!と思って振り向くと避けたレーザーが曲がっていたのだ。


「追尾弾かよ。」


 バンダイは城の近くの公園に落下する。ケンも追って公園に入る。バンダイはブースターを消して立ち上がる。


「やるじゃねぇか。嘗めてるつもりはなかったが気ぃ引き締めてやらねぇと任務遂行不可能だな。」


 バンダイはガトリングガンを生成して連射して撃つ。ケンは全ての弾丸を弾きながら突撃する。バンダイはないを捨てると両手にビームサーベルを生成した。2人の一撃がぶつかり合い拮抗する。すると、バンダイの股間から機械の腕が伸びビームサーベルを生成してケンを攻撃した。


「悪いな。俺は四刀流なのだよ。」

「不安しかない四刀流だな。」


 ケンは深呼吸して再び接近する。バンダイも4つのビームサーベルと胸や腹部から発射するビーム、さらに、生成したファンネルを使ってケンを攻撃する。それでもケンは止まらない。斬撃を飛ばしてファンネルを破壊し機械の腕も斬り落とす。さらに蹴りで腹部の砲口を破壊する。


「マジかよ…だが…」


 バンダイはビームサーベルを捨てると右腕を金色に光らせた。


「俺のこの手が真っ赤に燃える!勝利を掴めと轟叫ぶ!爆熱!ゴッド…」

「言わせねぇよ!」


 バンダイが必殺技を放つ前にケンが拳で右腕の装備を破壊した。バンダイは下がって再び飛ぶとカプセル状の電磁波発生装置を投下してワイヤーを檻の様に展開、ケンを包囲した。さらにワイヤーから高熱磁場が発生しケンの動きを止めた。


「これで…いや、まだ足りんだろう。」


 バンダイはさらに大型兵装ユニットを装備してミサイルやビームを発射した。その瞬間、ケンが電磁波発生装置を一瞬で細切れにした。


「!?」

「これならまだラダマンティスの方が厄介だった。」


 ケンは刀に光魔法を纏わせると勢いよく振り切った。光の刀はさらに伸び光線もミサイルも全てぶった切って大型兵装ユニットごとバンダイを切った。


輝太刀(カガヤキノタチ)


 破壊され大爆発を起こす大型兵装ユニット。目を白くして気絶したまま吹き飛び湖に落下するバンダイ。ケンは刀を納めるとサリア達を捜しに街の方へと走っていった。

次回予告

バンダイと交戦しているケンと別行動しているサリア達。そこに新たな刺客が…


「今更そこら辺の殺し屋程度なら楽勝!」

「実際そうよね。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ