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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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女の子を追いかけている怪しい奴はだいたい悪い奴

前回のあらすじ

だんだんきな臭くなってきました!


「なんか嬉しそう。」

 ヴィザル達が別れて観光している頃、サリア達もホビーチップに着いていた。


「まじで子供多くね?」

「多いわね。」


 首都ホビーチップに着いたサリア達は玩具と一緒に遊ぶ子供達の多さに驚いていた。


「子供が多いのもそうだが…なんか大人少なくねぇか?」


 ヴァンガスが気になったことを言う。確かに子供は多いが大人はほとんどいない。ちらほらと親子がいるがほとんどは子供だけである。


「移住したい国No.1ってホームページには載ってるけど。」

 

 クロアがスマホを見ている。カリスティとヘルマも後ろからスマホを覗く。


「確かに一度この国に来てから帰りたくないって言ってる子は多いみたいね。」

「まぁ、納得は出来ますが…」

「そんなことより早くヴィザル達を捜すよ!」


 サリアがヴィザル達を捜しに行く。その後ろをケンが着いていく。エウリア達はヴィザル捜しよりも観光を優先したためサリア達とは別行動になった。

 サリアとケンはラジコン地区でヴィザル達を捜している。と言っても捜しているのはサリアだけでケンはサリアが面倒なことをしないか見張っていた。


「面倒事は勘弁してくれよサリア。」

「大丈夫だって。」


 サリアは川に並んで停泊しているラジコンボートを見ている。すると、突然マント姿の少女がサリアの前を通りラジコンボートに乗って逃げていった。その後ろをいかにも怪しい奴らがラジコンボートに乗って追いかけていった。


「何あれ…」


 サリアがポカンとしているとケンが残ったラジコンボートに乗ってサリアの手を引っ張った。


「え!?何!?」

「しっかり捕まれ。」


 ケンがラジコンボートを走らす。


「なぁケン…どっちにつくつもり?」

「少女。」

「やっぱり。」


 ケンは水路を猛スピードで走らせると少女を追いかけている奴らを発見した。


「サリア、頼む。」

「はいはい。まぁ、女の子を助けるのはヒーローの務めだね。」


 サリアは炎で弓矢を作ると1番後ろにいる追手に放った。しかし、炎の矢は当たる直前に見えないバリアに弾かれた。


「アンチマジックシールド!」


 サリアが驚く。ボートに乗っている追手はサリアに狙いをつけると魔法弾を放ってきた。ケンはなんとかしてボートを反らすもいくつか命中した。


「あちっ!…やってくれたな。」

「まくるぞ。」


 ケンは男達から離れ脇道へと入っていく。サリアが不思議に思っていると水路橋に出た。ケンがチラッと下を見るとドンピシャで少女と追手がいた。追手の攻撃が少女のボートに命中し煙をあげている。


「見つけた。」

「マジで。」


 ケンは前方に風魔法を放つとボートを乗せてジャンプした。ボートはそのまま少女と追手の間に着水した。追手は再びサリアに魔法弾を放つが今度は喰らわないとサリアは全て燃やした。


「サリア、運転頼む。」

「え!?」


 ケンが立ち上がるのと入れ替わりでサリアが操縦桿を握る。ケンは刀を生成すると居合抜きで先頭の追手に斬撃を放った。追手は再びアンチマジックシールドを張るも飛ばした斬撃は魔法じゃないためボートのエンジンに命中する。追手はバランスを崩し後ろにいる追手達にもぶつかり沈んでいった。


「よっしゃー!」


 サリアが喜びながら少女が乗るボートに近付く。声をかけても反応しないためさらに近付くと気絶していた。


「あれ?まずくない?」

「まずいな。」


 ケンが見る先をサリアも見る。すると、そこは道が無く滝になっていた。


「ちょっとー!?」


 サリアが慌てて少女を助けようとする。するとケンが水路を凍らせて動きを止めた。そのまま少女を路地裏へと運ぶ。


「大丈夫なの?」

「問題無いだろ。」


 ケンが様子を見るためマントを脱がすと下着しか着けてなかった。ケンはそっと元に戻す。


「エレキナみたいな露出狂の変態?」

「いや、追手から逃げるために脱いだのだろう。」

「その前に私が露出狂というレッテルを剥がしてくれ。」


 いつの間にか後ろにいたエレキナにサリアが驚く。


「よく分かったな。」

「あんだけドンパチやってたら気付く。サリアは面倒事、厄介事に巻き込まれる運命の星に産まれたのだから。」


 サリアが口角をピキピキあげて複雑な表情をする。ケンが少女に自分の上着を着させて抱える。このままほっといて行くわけにはいかないので宿泊しているホテルへと向かった。その様子を遠くからスナイパーライフルで覗いている男がいた。


 一方、ザース城ではザースが優雅に食事していた。そこにトイフォース戦士の男が入ってくる。男はザースの後ろまでくると敬礼して報告した。


「報告します。」

「なんだ?」

「ユア姫を見つけました。」

「よくやった。」

「しかし、追跡途中観光客の妨害で失敗、ユア姫はその観光客と共にいるとのことです。」


 報告を聞き終えたザースはチラッと男を見る。


「観光客?何者だ?」

「バンダイから送られた顔写真と検問所の監視カメラと合わせた結果、サリア・へラクロス、エレキナ・レダニウス、ケン•アレスザードと判明しました。」

「アレスザードだと…」


 ケンの名前を聞いたザースは目を丸くした。ケンが映っている映像をまじまじと見る。


「こいつまさか…」

「はい。おそらくは…」

「これも運命か。よし、バンダイに伝えろ。アレスザードを生け捕りにしろ。あとは好きにするといい。」

「了解しました。」


 男はお辞儀すると部屋を出た。


「やっとだ。やっと手に入る。稀代の芸術家レオナルドが残した最大最強の作品が。」


 ザースは1人残った部屋で高笑いをした。

次回予告

ヴィザルを拐ったのは誰だ!?


「さぁ、みんなも考えてみよー!」

「こんな解答不可能なクイズなかなかないですよ。」

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