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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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指紋や自白は証拠あるある

前回のあらすじ

容疑者集合。


「それよりヘルフィリー先輩が反対派に驚きました。」

「まだ言ってる!」

 気づくのが遅かった。ガラス板がヴィザル達の真上から落ちてくる。ヴィザル達が避けようとした瞬間、知朱が蜘蛛糸を張ってガラス板を止めた。


「あ、ありがとうございます。」

「なんや、これがシャルニが言ってた脅迫かいな。」


 ガラス板をコンコン叩きながら脅迫状のことを言う。どうやら、同じクラスのシャルニからヴィザルが脅迫状を送られてきて自分が疑われていると聞いていたらしく興味半分でヴィザルに近づいてきたらしい。


「あ〜、多分シャルニは犯人じゃないよ。シャルニは冒険科だしそもそも学園新聞取らないから。」


 知朱が手を振ってシャルニ説を否定する。それを陰からラーミャが見ている。ヴィザルがチラッと見るもすぐ隠れたためヴィザルは気づかなかった。

 そのまま買い物を済ませて帰寮する。徐々に解散して行き最後はオリヴィエと2人きりになった。すると、そこにサリアが来た。


「ヴィザル〜。」

「サリアさん?」

「脅迫状のこと聞いたよ。私も一緒に行くから。」


 3人は寮に入り靴を脱ぐ。ヴィザルが下駄箱を開けて靴を入れようとした時、あの時と同じ封筒があった。また脅迫状かと開ける。


“私は知ラない”


「•••これ脅迫状?」


 内容が理解できず首を傾げるヴィザル達。それからは特に何もなく次の朝を迎えることが出来た。

 翌日、登校するとアイリスがこっちこっちと手招きした。ヴィザルがアイリスの後ろを着いて生徒会室に入ると誰かいた。


「会長…と…」

「やぁ、ミカゲ。」


 居たのは生徒会初等部のミカゲだった。ミカゲが不思議そうにアイリスとヴィザルを見る。


「単刀直入に言うぞ。脅迫状送ったのミカゲだろ。」


 アイリスに言われ図星だったのかギクッと分かるぐらいミカゲが反応した。


「な、ななななななななんですかか、か会長!?」

「分かりやすく動揺してる。」

「脅迫状見て新たに分かったのはこれは計画的ではなくその場の思い付き、衝動的ってやつだ。だから文字に使われた学園新聞が発行された日より後のゴミを調べてみたらビンゴってわけだ。」

「で、でもそれだけでは証拠になりませんよね?しょ、証拠です!私が犯人というなら証拠を出してください!」

「分かりやすい犯人ムーブ。」

「脅迫状にミカゲの指紋が残ってるぞ。」


 アイリスが脅迫状に着いているいくつかの指紋を見せるとミカゲは黙ってしまった。


「脅迫状に着いた指紋はヴィザルとシャルニとグリムとオリヴィエと私と君だけ。しかも君の指紋はヴィザルの指紋よりも下にある。これはヴィザルより先に触ったという動かぬ証拠だ。」


 これ以上は言い逃れ出来ないと察したミカゲは影になって扉の隙間から逃走した。


「あ、逃げた。」

「可哀想に。」


 2人は逃げたミカゲを哀れむ。そのミカゲは逃げようとそているところをグリムに捕まった。周りにはオリヴィエ達もいる。


「グ、グリム先輩…」

「ミカゲちゃん、ちょっとお話しようね。」


 ヴィザルとアイリスがミカゲを捜していると近くの部室からミカゲの叫び声がした。”魔道具開発部“と書かれた扉を開けると椅子に拘束されたミカゲがオリヴィエ達に拷問される一歩手前だった。


「待ってください!」

「なんでヴィザル君に脅迫状を送って危害を加えようとしたのかな?」

「違います!確かに脅迫状は送りましたけどヴィザル先輩に危害なんて加えていません!」


 ミカゲが脅迫状の件を自白する。しかし、それだけで他は知らないと言う。ミカゲが必死に弁明しているとリリエスタが注射器を持ってきた。


「リリー、それ効果はどうなの?」

「問題ありませんわグリム先輩。全身から体液を垂れ流し痙攣はしましたがちゃんと自白は確認しましたわ。」

「ならよし。」

「良くないですよね!?副作用エグくないですか!?」


 注射しようとするリリエスタを止めてミカゲの前に出るヴィザル。アイリスがその光景を頬を赤く染めて見ているとヘルフィリーとシャルニがやってきた。


「ここにいたのか。」

「おっ、ヘル。どうだった?」

「会長の言う通りでした。」


 ヘルフィリーはアイリスに言われ報告する。


「まず植木鉢の件は野生のエレメタルキャットが偶然落としてしまったもの。倒れた木は根本が腐っていたから。剣は部活動していた生徒が素振り中に誤って手を離してしまった結果起きたもの。矢も朝練中に的を外した矢が偶然ヴィザルに向かったもの。最後にガラス板は固定していた金具が錆びて壊れたから落ちた。」

「ってことは…」

「全部偶然。脅迫状と一切関係無し。」


 全容が分かり事件も解決。これでホッとしたヴィザル達。シャルニがミカゲの前に来て頭を拳でグリグリする。


「ミカゲ、気持ちは分かるがそれは淑女がやっていい行為ではない。そんなことするとみんなに迷惑がかかるだろ。」

「ごめんなさぁ〜い!」


 泣きながら謝る。


「それでなんで今更脅迫状?」

「だって…ヴィザル先輩が来てから学校がおかしくなったからいなくなれば元に戻ると思って。」

「「それは分かる。」」


 ミカゲの動機にヘルフィリーとシャルニが頷いて同意する。解放されたミカゲは改めてヴィザルに頭を下げて謝罪した。


「まぁ、大丈夫ですよ。あれぐらいじゃ簡単には死にませんから。もし僕を殺したいのであれば世界最強の処刑人か超古代殲滅兵器を連れてくるべきですね。」

「そうそう。」


 オリヴィエが首を振って同意する。さすがにそこまでするのかとアイリス達は若干引いていた。

 こうして、脅迫状から始まった事件はあっさりと幕を下ろした。ちなみに、ミカゲはあの後反省文を原稿用紙5枚分を書く罰が与えられた。

次回予告

私のエレガントな1日を教えてあげますわ!


「結構です。」

「そんなぁ!」

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