個性的過ぎる意見投書が多いのは学園あるある
前回のあらすじ
久しぶりの王様ゲーム
「次こそは!」
「まだやるんですか!?」
「さぁ、始めよう。定例会議。」
生徒会室にアイリス達高等部生徒会だけではなく中等部と初等部の生徒会全員が集まっている。彼女達の後ろには眼鏡をかけた先生もいる。
「今日の会議の内容は…ヴィザル君を性教育の一環として…」
「「「却下。」」」
アイリスが言い切る前にヘルフィリー達が却下した。
「あれ!?まだ全部言ってないけど!」
「大方、ヴィザルを使って男に慣れさせるために裸の親睦会を開きましょうって魂胆だろ。」
「ウグッ!」
「さすがにそれはアウトです会長。」
ヘルフィリー達に却下されアイリスは意気消沈する。気を取り直して会議を続ける。
「今回もみんなの声を聞くとしよう。」
アイリスが㋱と書かれた箱を出す。この箱は生徒達の声を聞くために天草メダカが提案、設置した箱である。決して某漫画を真似たわけではない。
「まずは…”ヴィザル君と結婚したいのですがどうしたらいいのでしょうか?“…これはウルシア案件だな。」
「止めてください会長。」
ウルシアが手を伸ばして止める。それから何度も投書を見るもほとんどがヴィザルと結婚したいだった。
「ヴィザル君、モテモテだね〜。」
「ま、まぁ…これで男性に対する免疫が出来たのであれば短期留学は成功と言えますが…」
ヘルフィリーが複雑な心境を語る。実際、ヴィザルのおかげで男性に対して恐怖心を抱く者は減っていた。けど、逆に性を知らない無垢な少女達がヴィザルを男性の基準にしてしまった場合のことも考えると手を挙げて喜びにくい。
「私もヴィザル先輩と結婚してみたいです!」
「シャロン、それは後にしてくれ。」
「仕方ない。ヴィザル君にはちょっと大変だが結婚体験交流会を開くとしよう。次は…部費を上げてほしい…か。他にもいくつかあるな。 イシリス、出番だ。」
「ふぁ〜い。」
アイリスがイシリスに予算を聞く。イシリスは欠伸しながらもすぐに今年の予算案をアイリスに提出する。
「これなら全ての部活に10%上乗せ出来るな。」
「今年はテロリストによる被害が軽微でしたので修繕費が去年より37%削減できたのが大きいですね。」
「修学旅行の費用が全てウェルテル氏が負担してくれたのも大きい。」
部費に関する投書も片付き次の投書に移る。
「え〜と…“オリヴィエさん達と結婚してから毎日結婚を迫られます。どうすればいいでしょうか?”…みんなと結婚すればいい。」
「会長!?」
あっさり終わらせたアイリスにウルシアがツッコむ。
「待ってください会長。ヴィザル君の気持ちも考えましょう。いきなりハーレム婚はやはり無理があるのでは?」
「そんなことないわ。」
「当事者は静粛に。」
結婚指輪をキラキラさせながらご満悦のグリムを黙らせ会議に戻る。
「とにかくこれはあまりヴィザル君に言い寄らないように掲示板で注意喚起しましょう。」
「「「えぇ~!」」」
ウルシアの提案にシャロン達がブーイングする。ウルシアはアイリスを殴ってみんなを黙らせた。そんな中、ミカゲがウルシアの提案に賛成した。
「ウルシア先輩の言う通りです。彼が来てからはみんな浮かれています。この際、接近禁止令を出しましょう。」
「え〜、ちょっと強引過ぎないかなぁ?」
「どちらかというと私もウルシア先輩とミカゲに賛成よ。」
ミカゲに続きアリアも賛成する。
「男が来たから何なのよ。そもそも私は共学に反対なんだから。」
「確かに君達の意見も分かる。けど、だからこそ男に慣れる必要があるのだ。女だけで生きていける世界はもうほとんど無い。だったら次の時代に慣れ進んで行くのが今必要なことだ。」
アリア達の意見を聞いたアイリスが説得する。珍しく良いこと言うみたいな顔でみんな見ている。
「と、いうことで明日みんなでドキドキ!ヴィザル君で性教育!を始めガフッ!」
黙ってアイリスを殴り飛ばすヘルフィリー。
「却下です。」
「それは進み過ぎです会長。」
アイリスの代わりにヘルフィリーが箱から投書を出す。旧校舎の取り壊し、テロリスト対策、ヤバイスギによる花粉症対策、街灯や看板の修復…いろいろな投書をこなしていく。
ヘルフィリーがこれで最後にしようとした時、起き上がったアイリスがヘルフィリーの前に出る。
「最後は私がやる!」
「変なのは止めてください会長。」
「分かっている!」
アイリスが箱から最後の投書を出す。みんなその投書を見る。
“出番が欲しいです。どうすればいいですか?”
「•••ヴィザル君と結婚…かな?」
「会長!?」
こうして、生徒会定例会議は終了したのであった。
次回予告
ヴィザルの下駄箱に謎の手紙が!
「こ、これは…!」




