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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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エッチな命令があるのは王様ゲームあるある

前回のあらすじ

ストーカーは捕まりました。


「無期懲役でお願いします。」

「そんなぁ!」

 空き教室

 そこにヴィザル、オリヴィエ、リリエスタ、フェルトリーネ、アイリス、アルミナ、サリア、そしてアテリナがいた。電気を消し蝋燭が並べられた机の周りに座っている。何が始まるのだろうと思っているとアテリナがスッと立ち上がった。


「•••王様ゲーム〜!」

「「「イエーイ!」」」


 アテリナが高らかにゲームの開始を告げる。それに合わせて喜ぶアイリス達。項垂れるヴィザルとサリア。


「では王様ゲームのルールを…」

「待ってください。その前に何故王様ゲームを?」

「以前やったら意外と楽しかったので。」


 キラッと☆を出して答えたアテリナ。あ、これダメだと諦めるヴィザル。サリアがなんとか別のゲームにしようと提案するも虚しく王様ゲームのルール説明を始めた。


「•••ということです。」

「いや〜、楽しそうだねぇ〜。」


 アイリスがノリノリで番号と王様が書かれた棒が入っている箱を置く。ヴィザルとサリア以外がノリノリで棒を引く。2人も仕方なく棒を引く。


「「「王様だ〜れだ!」」」

「よっしゃあ私!」

「さっきと全然違う!」


 王様を引いたサリアぎ高らかに宣言する。


「さ〜て…何にしようかな〜。決めた!3番が私に焼肉奢れ!」


 サリアがヴィザルの顔見て命令する。しかし、ヴィザルは5番の棒を見せた。


「あれ?ヴィザルじゃないんだ。じゃあ…」


 サリアが誰だとみんなの顔を見るとアテリナが3番と書かれた棒を見せた。


「姫様かよ〜!」

「分かりました!これぐらいなら安いものです!」


 自分の国の姫様に焼肉に奢ってもらうという気まずい空気から始まった王様ゲーム。焼肉を奢る約束をしたので次の王様を決める。


「「「王様だ〜れだ!」」」

「私ですわ。」


 リリエスタが王様と書かれた棒を見せる。リリエスタはどんな命令にしようかなと考える。そして、ヴィザルを見てニヤッと笑った。ヴィザルはリリエスタの顔を見てギョッとする。


「決めましたわ。ヴィザル様、裸になってください!」

「アウト!」


 キラキラした瞳で命令するリリエスタをヴィザルが止めた。


「そういう命令はどちらかというと男がする命令では!?」

「ヴィザル様ならどんな命令でも聞きますわ。」

「そもそも名前は無効だぞリリー。番号だ。」

「では2番!」


 リリエスタがピースしてヴィザルに命令する。しかし、ヴィザルは3番の棒を見せた。リリエスタがあれ?と首を傾げているとアテリナが赤面しながら全裸になった。


「「「姫様かよ〜!」」」


 全裸になったアテリナを見たヴィザルとサリアはリリエスタに詰め寄る。なんとか隠そうとフェルトリーネとアルミナが自分の服をアテリナに被せる。


「なんてことしてくれたんですか。」

「下手したら私達打ち首獄門だぞ。」

「ごめんなさいですわ。」


 涙目になって震えているアテリナをなんとかしようとすぐに王様ゲームを再開する。次はオリヴィエだ。オリヴィエを見てヴィザルとサリアは祈る。


「ではどうぞ王様。ご命令を。」

((姫様に有利な命令、姫様に有利な命令、姫様に有利な命令…))

「では…4番はこの可愛いメイド服を着てください。」

「よっしゃあー!」


 オリヴィエが出したメイド服を見て願っていたサリアはガッツポーズした。その結果、ヴィザルがメイド服を着ることになった。


「なんでだよ!?なんでそこは姫様じゃないんだよ!?」


 何も言わず愕然とするヴィザルと項垂れるサリア。当の本人であるオリヴィエはメイド姿のヴィザルを見て徐ろにスマホを取り出し写真を撮り始めた。


「いいかも…」

「よくないですよ。」

「女の子ヴィザルンを見たからこのヴィザルンもありだね。」

「撮影禁止です!」


 ヴィザルはすぐにオリヴィエとフェルトリーネのスマホを取り上げようとするもアイリスが間に入って無理矢理王様ゲームを再開させた。


「「「王様だ〜れだ!」」」

「よし!私だ!」


 アイリスが高らかに挙げる。すると、服を脱いでボンデージ姿になった。


「1番は私を鞭でシバいてくれ!」

「「アウトだろ!」」


 興奮しているアイリスにヴィザルとサリアがツッコむ。すると、アテリナがアイリスから鞭をもらうとひざまずかせ鞭でシバき始めた。


「この豚!メスブタ!駄犬!」

「はうぅ!」

「姫様!?」


 どうやら1番はアテリナのようで全裸でボンデージ姿のアイリスをシバいた。このままだとモザイクが必要になるのでヴィザル達が慌てて止める。なんとかしようと王様ゲームを再開する。


「「「王様だ〜れだ!」」」

「よっしゃあまた私!」

「サリアさん、まともな命令お願いします。」

「任せとけ!」


 サリアが立ち上がるとまっすぐ指差して命令した。


「王様が命令する。5番と6番は服を交換しろ!」

(ふふ〜ん。私は服を持ってないがこれなら最悪何かの服を着ることが出来るはず…)


 サリアが決まったと確信している。結果、アイリスとアルミナの服を交換することになった。思い通りにならなかったサリアは両手を着いて叫ぶ。


「サリアさん!?」

「ちっくしょー!」


 キツキツのボンデージを着たアルミナが恥ずかしそうにモジモジしている。対するアイリスは少しブカブカな制服を着て意気消沈していた。


「これで最後にしましょう。これ以上は失うものが大きすぎる。」

「「「賛成。」」」

「行きますよ!」

「「「王様だ〜れだ!」」」


 勢いよく棒を取る。すると、アテリナが王様と書かれた棒をみんなに見せた。これでなんとかなったと思ったヴィザル達は内心喜んでいる。


「では王様!ご命令を!」

「1から7番は服を脱いでひざまずいてください!」

「「「え•••」」」



 廊下を歩くヘルフィリー。すると、ビシバシと何か叩く音が聞こえた。なんだと思い音がする教室の扉を少し開けた。


「ほら!もっといい声で鳴きなさい駄犬共!」

「ブヒ〜!」

「そこはワンでしょ!」


 全裸のヴィザル達に鞭をいれる全裸のアテリナがいた。呆然としたヘルフィリーは何も言わずに扉を閉める。後日、学園で王様ゲームが禁止されるのは言うまでもなかった。


「「「解散!」」」

次回予告

生徒会役員による生徒会会議。


「始めようか。」

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