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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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パンツに顔を突っ込むのはラッキースケベあるある

前回のあらすじ

突如現れた変態ストーカーのジーク。彼を抹殺するため私達は立ち上がった。


「学園長、後半捏造しないでください。」

『学園に侵入者です。学園に侵入者です。手の空いた教師は直ちに捜索及び確保をしてください。』

『殺して構わん…というより殺れ。』

『学園長!?』


 ジークが学園長室から逃走して数分後。放送を聞いた教師達がジークを捜す。


「学園長、何かされたのでしょうか?」


 プラチナ達がジークを捜索する。すると、中庭の噴水の前にジークがいた。何故か上半身裸である。


「「「きゃ〜!」」」


 プラチナ達が悲鳴をあげる。その声に反応したジークが振り向く。恥ずくことなく裸を見せつける。


「麗しいレディじゃないか。」

「服着てください!」


 プラチナに言われて服を着る。そのままバイバイと手を振ってその場を去る。プラチナ達も手を振り返す。が、すぐにジークを捕らえるため剣を振り下ろした。


「何サラッと帰ろうとそているのですか!?あなた不法侵入しているのですよ!」

「ごめんね。どうしてもヒルデに会いたくて。」


 ジークも剣を生成して対抗する。プラチナとジークが鍔迫り合いしている左右から他の教師が炎と雷の魔法を放つ。それをジークはプラチナを弾き飛ばし剣を振って掻き消した。


「速い!」


 ジークの剣速に驚いた教師にジークが詰め寄る。まずいと判断し下がるとジークは赤い薔薇をプレゼントした。


「どうぞ。」

「?」

「麗しいあなたに出会えたお礼です。」


 教師が薔薇を受け取るとジークは他の教師達にも同じように様々な花をプレゼントした。最後にプラチナにはピンクのカーネーションをプレゼントする。


「君のような可憐さと強さを両立させるレディには剣も似合うが花も似合う。たまには可憐さも研いてみては?」


 プラチナがポカンとしている隙にジークはその場を去った。

 一方、ヴィザル達はヒルデと一緒にジークを捜している。しかし、ジークは居らず代わりに花をプレゼントされてドギマギしている教師や生徒達がいた。


「相変わらずな奴だ。」

「そういえばなんであの人は収監されてしたんですか?」

「ストーカーだろ。」

「不法侵入ね。」

「もしかして痴漢?」

「殺人だ。」

「「「重っ!」」」


 ジークの罪状にヴィザル達は驚愕する。その時のヒルデの表情はなんか悲しそうだ。


「でもなんで殺人なんか?」

「あいつが殺人を犯したのは私のためでもある。」


 ヒルデは歩みを止め過去を話し始めた。


「あれは17年前だ。私がギャングに誘拐された時、ジークが助けてくれた。…がその時相手のギャングを19人殺害した。それ以来男が苦手になるしジークは17年服役することになった。あれから一度もジークには会っていない。」


 空気が重くなる。ヒルデの過去にヴィザル達は何も言わなかった。


「あの日の血塗れのジークが忘れられない。私のためにやっているのになんか逃げたみたいで正直になれないんだ。」

「そんなことはないさ。君が笑顔になるだけで僕は幸せ者さ。」


 そんなヒルデをジークが慰める。一瞬ヴィザル達が止まる。そして、一斉にジークを攻撃する。ジークは全ての攻撃を受け流しヒルデの手をとる。


「あの事を後悔したことなど一度もない。もう一度言おう。君の笑顔が見れるだけで満足さ。」

「ジーク…」


 ジークの真っ直ぐな視線にヒルデはつい顔を背ける。


「なんかいい雰囲気になってるけどあいつ不法侵入者だよな?」

「しかも質の悪い女たらしよ。」


 サリアとアルティネがジークに冷たい視線を送る。しかし、ジークほそんなこと気にせずヒルデを抱きかかえるとその場を後にしようとした。それをヴィザルとオリヴィエが止める。


「「待て待て待て待てー!」」

「どうしたんだい?」

「どうしたんだい?じゃない!何サラッと誘拐しようとしているんですか!?」

「これは愛の逃避行だよ。」

「言えない!この前の僕と同じだから言い返せない!」


 ジークの服を掴んで放さないようにする。ヒルデも流れるような動作に反応できていなかった。2人が止めてくれたおかげでヒルデは正気を取り戻しジークから離れる。


「ジーク。」

「ヒルデ…」

「その…なんだ。あの時は…ありがとう。それと会わなくてすまん。」


 やっと言えた。これでヒルデも安心したのかホッと胸をなでおろす。ジークも微笑んで応える。いい雰囲気になった2人の間に入れなくなったヴィザル達。そのまま2人を見守る。


「今度からはちゃんと申請してこい。多分許可は出せんが会いには行ってやる。」

「ありがとう。」


 ヒルデが手を伸ばす。ジークも手を伸ばして握手しようとした時、足が縺れて前に倒れる。その時にヒルデも巻き込んでしまい一緒に倒れた。


「い、痛たたた…大丈夫か…」


 ヒルデが声をかける。ジークは何故かヒルデのスカートの中に顔を突っ込んでいた。


「•••なんでだー!?なんでそうなった!?」

「黒のレース付きなんだね。昔は飾りのない白しか履かなかったのに成長したね。」

「そして対応が最悪だ!」


 ジークにパンツを見られさらにバラされたヒルデは顔中を真っ赤にさせた。


「ジーク。」

「なんだい。」

「不法侵入にストーカーにセクハラ、痴漢だバカヤロー!」


 その場でヒルデにボコボコにされるジークだった。



「ジーク。出所して数日で戻ってくるな。」


 その後、コキュトルス監獄に戻って来たジークを見てオルケアノスは呆れているのであった。

次回予告

アテリナ発案の元、あのゲームが帰ってくる。


「止めましょう!」

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