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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
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責任とってよね♡

前回のあらすじ

結婚式からグリムを連れ出すことに成功!


「バスに乗れれば…」

「そのネタ古くないですか?」

「どういうことだ!」


 ヴィザル達がグリム奪還に成功した後、残されたゴルドウィンが叫ぶ。倒れているガードル達を蹴り起こして叱る。その様子を見てディオスはテテュアとアテリナを連れて教会を出た。

 一方、成功したヴィザル達は港に移動していた。誰もいないことを確認して一息つく。


「これで良かったんですよね?」

「もちろん。」


 アイリスが嬉しそうに頷く。そんなみんなを見てグリムは立ち上がり頭を下げる。


「みんな、ありがとう。」

「気にするな。グリムは私達の大切な友達だからな。」


 ライラが答える。みんなクスクス笑う。そこにカーリーンとアルミナが来る。


「どうだった?」

「ダ、ダメですわ。どこもかしこも私達を捕まえようとしている衛兵だらけですわ。」


 カーリーンが答える。しかし、なんというか…いつもの喋り方と違う。そこに違和感を感じているとカーリーンが頭を抱えてしゃがんだ。


「やっぱ無理だ!優しくて大人しい娘ってなんだ!?」

「何があったんですか?」

「気にするな。」


 ヴィザルが聞くもアイリスは頷くだけだった。そこにアルミナがトコトコ歩いてくる。


「あの…今回私、何もしていませんけど…」

「大丈夫大丈夫。アルミナには私達が逃げ遅れた時のための防御を頼みたかったから。こんな時もあるさ。」


 チラチラこちらを見ているアルミナの肩をアイリスが叩いて励ましているといつの間にかいたフィルディオがヴィザルとグリムを撮影していた。


「フィル!?」

「ヴィザルさん、今の気持ちをどうぞ。」

「それよりなんでここが!?」

「記者を舐めないでくださいね。」


 フィルディオが自慢気にしていると突然アテリナがヴィザルに抱き着いてきた。その後からディオスとテテュアも来る。


「ここから出られなくて困ってるのかい。」

「よく分かりましたね。」

「なら、うちの船に乗るといい。君達にはアテリナのわがままに付き合ってくれているお礼があるから。」


 ディオスが提案する。アイリスはその提案に乗った。リリエスタの変装魔法でディオスの付き人に変装する。そのままオリュンティア公国行きの船に乗る。途中簡単なチェックが入るが難なく船に乗ることが出来た。


「なんかあっさりですね。」


 船に乗りダフォンから離れることが出来たヴィザル達は変装を解く。これで完全にグリムの奪還は成功だ。それに喜ぶヴィザル達。一安心しその場に座り込んだり凭れかかったりしている。


「みんな、ありがとう。」


 グリムがアイリス達にお礼を言う。そして、ヴィザルを見て微笑む。それを見たアイリスはニチャアと笑い2人に近付いた。


「それでヴィザル君、どう責任とるつもりかね?」

「責任?」

「そりゃそうだろ。無理矢理且つ嫌な結婚式だとしても壊したんだからそれ相応の責任が着くぞ。」


 ニヤニヤしながらヴィザルに肘をクイクイと当てる。


「責任って?」

「これはもうグリム君と結婚するしかないだろう。」


 アイリスの発言にヴィザルは噴いた。


「はい!?」

「グリムの晴れ舞台はやっぱりいいものにしたいしな。それに、似合ってるぞお二人さん。」


 アイリスがプププと笑いながらヴィザルとグリムを見る。今の2人はタキシードとウェディングドレスのため結婚しているカップルのように見える。


「フィル!?」

「お似合いですよ。」

「フィルさん!?」


 タキシードを着るように言ったフィルディオに目をやるも親指立ててカメラをまわしているだけだった。ヴィザルはみんなを見回すが反対するような感じはなかった。


「あ、あの…こういうのはグリムさんの気持ちを考えないと…」

「ヴィザル君ならOKだわ。」

「グリムさん!?…え、ええっと僕はオリヴィエさんという婚約者がいまして…」

「•••ハーレム婚なら。」

「オリヴィエさん!?」


 あたふたしているヴィザルはグリムとオリヴィエを交互に見る。そのヴィザルにグリムが近付く。キスする一歩手前まで近付くグリムにアルミナ達は赤面する。


「責任とってよね♡」

「は…はい…」


 拍手するアイリス達。観念したのかグリムとの婚約を了承したヴィザルだった。





 ベレドーナ首都クレインにあるベレドーナ王宮

 この日は生憎の雷雨だった。そんな中ベレドーナ王宮の一室ではダフォンのことを聞いていた男が笑っていた。


「わっはっは!バリカーレの結婚なくなったみたいだぜ!まぁ、あの結婚は長く続くわけないか。それにあんな時代遅れの国と国交結んでもメリットないしな。ここはやっぱり先進国と手を組む方がメリットが大きい。…ですよね?ヴァルデラ帝国さん?」


 男の前には糸目の優男が座っていた。


「そうですね。あなた方の英断に感謝します。」

(まぁ、私からしたらあなた達も井の中で背比べしているだけですがね。)


 糸目の優男はニッコリしたまま会話する。


「それで本当によろしいのですか?」

「ええ。そちらには武器も金も領土も要求しません。欲しいのはただ1つ。魔王テュヴォーンの情報のみ。それさえ提供していただければそれ相応の対価を払いましょう。」

「虫が良すぎる話ですが乗りましょう。今後もお互いより良い関係でしましょう。」

「はい。」


 雷がなる。光が2人を照らす。不敵な笑みをする2人。ヴィザル達はこのことを知らない。この後、この世界の歴史に名を残す大戦争に繋がることも…

次回予告

とうとうヴィザルが…


「•••」

「ヴィザル君?」

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