結婚式をぶっ壊せ!
前回のあらすじ
ロックスノーツ邸に潜入
「これ、潜入って言うんですか?」
アイリスとライラを置いて部屋を出るグリム。彼女が自分の部屋に入ると3人の男がくつろいでいた。そのうちの1人が声をかけるもグリムは応えることなく机に向かう。
「無視かグリム。兄が呼んだらこっち来い。」
「何の用?」
小太りの男が凄むもグリムは淡々と聞く。すると、声をかけた青年がグリムの肩に手をかけた。
「折角明日結婚する妹の晴れ姿が見たいじゃねぇか。」
「そんな気も無いのに?」
グリムが言い放つ。その態度が気にくわないのか青年はグリムの髪を引っ張り顔を向かせる。
「あの女学校で随分と調子乗ってたみたいだな。聞いたぜ。留学生の男と仲良くなろうとしただろ。」
青年が聞く。そこに1番若い少年がやってくる。
「馬鹿だねグリム姉ちゃん。そんなこと許すはずないのに。」
「叶わぬ願いはさっさと捨てるべきだ。」
少年に続き小太りの男も好き勝手言う。グリムは黙って聞き流す。ガチャリと音がして扉を向く。ゴルドウィンが入ってきた。
「ガードル、ギリード、ゲイシー。明日の準備だ。来い。」
ゴルドウィンが呼ぶ。長男である青年ガードル、小太りの次男ギリード、三男のゲイシーはそれぞれ返事して部屋を出る。1人残ったグリムは髪を解き直しベッドに横たわる。その目には涙が流れていた。
そして、翌日
グリムの結婚式が開かれる日になった。結婚式が行われる教会には厳重な警備がされていた。ヴィザル達は遠くからその様子を見る。
「無駄に厳重すぎません?」
「私達を警戒しているのかもしれませんわ。」
「?」
ヴィザルとカーリーンが双眼鏡で状況を握する。後ろではアテリナ達が暇そうにしている。すると、ヴィザルが一点を見つめて驚いていた。
「あれ?テティアさん?」
「え!?」
ヴィザルの一言にアテリナが双眼鏡の片方を覗く。確かにテティア・オリュンティアがいた。アテリナも驚きテティアのところへ走って行く慌ててヴィザルも追いかけていく。
「お姉様〜!」
「アテリナ!?」
テテュアが驚く。テテュアの護衛達もアテリナに驚く。その後ろにいるヴィザルにさらに驚く。驚いたテテュアはアテリナ達に駆け寄る。
「なんでいるの!?」
「成り行きです!」
落ち着いたヴィザルがぜぇぜぇ言いながら答える。その後ろにカーリーン達も来た。
「お姉様こそなんでここに?」
「結婚式に呼ばれたのよ。オリュンティア公国はベレドーナは国交を結んでいるからその関係で。でも出来れば行きたくなかったわ。」
そう言いテテュアは周りを見る。男達の視線が気になっているのだ。しかも、パシャパシャ写真も撮られている。ヴィザルもなんか撮られている気がしてチラッと後ろを振り向く。そこにはフィルディオがいた。
「なんでいるの!?」
「取材です!」
フィルディオは名刺をカーリーン達に配る。
「今回はパコパコTVの取材として結婚式に参加することになりました!」
「大丈夫かそのテレビ?」
名刺を見ているとスヒュナが高貴な礼服を着た青年と一緒にやってきた。
「先輩!…あれ?なんでヴィザルさん達がここに?」
「カクカクシカジカ。」
「そうなわですね。」
「え?今ので通じるのか?」
高貴な青年がツッコむ。その青年にアテリナが抱きついた。
「ディオスお兄様!」
「アテリナ!なんでここに?」
「実は…」
「カクカクシカジカじゃ分からんぞ。」
「やっぱり。」
ヴィザルが説明する前にツッコむ。彼はディオス・オリュンティア。アテリナとテテュアの兄であり王位継続順位第1位である。
ディオスは事情を聞くとグリムに同情した。
「やっぱりこの国は女性の自由がない。いつ見ても道具としか見られていない。」
「なるほどなるほど…ではこういうのはどうです?」
フィルディオが何か提案した。
そして、結婚式が始まる。
次回予告
さぁ、結婚式場に突撃だ!
「存分に暴れてやれ!」
「とりあえずその銃火器はしまってください。」




