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鋼絆《メタルバンド》  作者: 高本 龍知
330/406

突然の転校は学園あるある

前回のあらすじ

懺悔室での一日


「いつもはあんな感じではありませんわよ。」

 ある朝

 朝日が差し込む廊下でヴィザルにグリムがキスをしていた。

 それから…


「ヴィザル君、話いいかしら?」

「話する状況じゃないですよね!?」


 魔道具開発部の部室でヴィザルは下着姿で三角形の木を並べたような台に正座させられ膝には重石が乗せられていた。周りにはオリヴィエやリリエスタ達が睨んでいる。


「これ拷問ですよね!?」

「フェル、石。」

「あいよ。」

「いだい!」


 フェルトリーネが無情にも石を積み上げる。そこにアイリスが来た。


「ヴィザル!いるか!?」


 アイリスが入ると拷問されているヴィザルが目についた。


「なんだその興奮する展開は!?」

「会長、落ち着きなさい。」


 興奮して服を脱ぎ始めるアイリスをヘルフィリーがチョップする。


「いたたたた…ヴィザル、グリムから何か聞いてないか?」

「全く聞いてません。」


 アイリスが聞くもヴィザルも知らない。そこにヒルデが来た。


「おっ。お前達ここにいたのか。」

「学園長!」

「グリムさんが…」

「ああ…今朝退学届が来た。」


 ヒルデが退学届を出す。しかし、納得していないようだ。


「私に何の相談も報告もなく突然だ。こんなんが受理出来るわけがない。」

「それは同感だ。」

「何か心当たりは?」


 リリエスタが聞くとヴィザルは文化祭の時のグリムを思い出した。


『この学園に通ったのも父親の命令。私が他の男とくっつくのを避けるため。』


「そういえばこの学園に通ったのは父親の命令って言ってましたね。」

「そうだ。おそらくこの退学も父親の命令だ。だからこそ納得していない。これは彼女の意思じゃない。」


 ヒルデが退学届をビリビリに破く。ヒルデから聞いたヴィザルはグリムの行動に納得がいき話し始めた。



 ある朝

 ヴィザルが手紙で廊下に呼ばれるとグリムが待っていた。


「どうしたんですか?」


 ヴィザルが聞くもグリムは答えない。不思議に思っているとグリムはヴィザルに近付き頬にキスをした。


「ありがとう…ヴィザル君…さよならね。」


 そう言って去って行くグリム。その目には涙が溜まっていた。



「…そういうことだったんですね。」

「これでこの退学届はグリムの意思じゃないことが判明した。これから私は職員会議を開く。グリムは我が校の生徒だ。親だからと言って好き勝手にされてはたまらない。」

 

 ヒルデが珍しく苛ついている。早速戻ろうとするのをヴィザルが止めようとするよりも早くアイリスが止めた。


「学園長…グリム救出作戦、私達が行こう。」

「ん?」

「グリムの故郷に行って戻してきますよ。」


 アイリスがヴィザルの言いたいことを言ってくれた。ヒルデはフッと微笑むと頷いた。


「許可しよう。ちゃんと連れて帰れよ。」

「はい。」


 アイリスが返事する。この場にいるみんなもそれに合わせて頷いた。今からグリム救出作戦として彼女の故郷に向かう。その覚悟が決まったのだ。


(ところで、なんでみんなヴィザルをほっといてるのでしょうか?)


 拷問中のヴィザルを見て不思議に思うメシエだった。

次回予告

突然退学という形で姿を消したグリム。ヴィザル達は真意を…いや彼女の気持ちを直接聞くためグリムの故郷に向かう。


「いいか、これは危険な任務になる。しかし…」

「長くなりそうなのでカットしますね会長。」

「この雑な切られ方…いい!」

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